MISC(査読の無い研究業績) - 三島 和夫
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個人の睡眠・覚醒リズム特性と求められている社会時刻との不調和による心身の異常とその病態生理に関する研究
三島 和夫, 肥田 昌子, 北村 真吾
最新医学 ( (株)最新医学社 ) 73 ( 3 ) 442 - 460 2018年03月 [依頼有り]
総説・解説(学術雑誌) 未設定
我々は、ヒトの睡眠・覚醒リズムの調節メカニズム、およびその破綻と臨床的意義について、睡眠医学、精神生理学、脳機能画像学、分子生物学的手法を用いて取り組んできた。本総説のテーマの1つである概日リズム睡眠-覚醒障害(Circadian Rhythm Sleep-Wake Disorder,以下CRSWD)は、個人の睡眠・生体リズム特性が24時間周期の昼夜サイクルに適合できない睡眠障害である。我々は、その一型である非24時間睡眠-覚醒リズム障害(Non-24-Hour Sleep-Wake Rhythm Disorder,以下N24SWD)に罹患した患者の生物時計周期(τ)を、自施設にある長期隔離実験室を用いた強制脱同調試験で精密に測定することで、N24SWDにおける異常な長周期の存在を世界で初めて明らかにした。また、τの異常を実地臨床で簡便に同定するため、皮膚線維芽細胞内の時計遺伝子hBmal1の転写サイクルをリアルタイムモニタリングすることによって末梢時計周期(τp)をin vitroで計測する手法を開発した。τpを指標として時間療法(光療法およびメラトニンを用いて睡眠・覚醒リズムを正常化する治療)への反応性を検証した結果、τpが短いN24SWD患者では臨床転帰が良好であることが明らかになった。また、候補時計遺伝子の網羅的解析により、CRSWDへの罹患感受性に関連する複数の遺伝子多型・ハプロタイプを見いだした。CRSWDに限らず、睡眠時間帯やクロノタイプ(朝型・夜型指向性)の決定に大きな影響を及ぼすτの長さには大きな個人差があること、しかしながら求められている社会時刻はそれに比して画一的であり、その結果として個人の睡眠特性と社会時刻のミスマッチによって内的脱同調(生物時計位相と睡眠相の相互位相関係の異常)や睡眠負債(睡眠不足の蓄積)を呈する生活者が少なからず存在することを明らかにした。個人の睡眠特性と社会時刻のミスマッチは、生活者の心身機能に多大なる影響を及ぼす。夜型クロノタイプでは睡眠時間の短縮と同時に強い抑うつ状態を呈していることを明らかにするとともに、同様の抑うつ気分は健常被験者においてもごく短期間の睡眠負債によって容易に惹起されることをシミュレーション試験で示した。日常的に生じ得る程度の睡眠負債によって気分低下が生じる神経基盤の1つとして、睡眠負債が情動制御にとって重要な扁桃体-内側前頭皮質間の機能的結合(相互抑制)を減弱させることを、脳機能画像学的に明らかにした。さらに、一般生活者の中には自覚できない程度の軽度だが持続的な睡眠負債(潜在的睡眠不足)が存在し、精神機能、食欲制御、代謝、ストレス応答系の機能を低下させていることを見いだした。上記のように、我々は睡眠・覚醒リズム調節機能の個人差/多様性、社会時刻への同調不全のメカニズム、個人の睡眠特性と社会時刻のミスマッチが心身に及ぼす影響を明らかにする一連の研究に関する多くの成果を得ており、本総説のテーマとした。(著者抄録)
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三島 和夫
Geriatric Medicine ( (株)ライフ・サイエンス ) 56 ( 1 ) 35 - 38 2018年01月 [依頼有り]
総説・解説(学術雑誌) 未設定
高齢不眠患者では加齢に伴う睡眠構造の変化、睡眠ニーズを減少(覚醒閾値を低下)させるライフスタイル、不眠の原因となる合併症の増加、うつ病や社会的孤立などメンタルヘルスの悪化などである。そのため高齢者の不眠症は、一般的に慢性経過をたどりやすい。また、不眠症状があることイコール不眠症ではない点にも留意する必要がある。正しい診断、誤った睡眠習慣の是正、その後に症状にマッチした薬物療法を行い、症状の改善に合わせて可能な限り減薬に努めるのが治療の基本である。薬物療法のリスクとベネフィットを患者自身が理解し享受する、アドヒアランスの高い不眠医療が求められている。(著者抄録)
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【診断と治療のABC[130]発達障害】(第4章)臨床的見立て 神経発達障害に見られる睡眠問題とその臨床的意義
三島 和夫
最新医学 ( (株)最新医学社 ) 別冊 ( 発達障害 ) 93 - 99 2018年01月 [依頼有り]
総説・解説(学術雑誌) 未設定
小児では、睡眠問題が高頻度に認められる。不眠、日中の強い眠気、覚醒困難、夜型の睡眠リズムなど、何らかの睡眠習慣上の問題を抱えている子どもは、4人に1人に達する。また、睡眠時無呼吸症候群や睡眠時驚愕症(いわゆる夜驚)など、睡眠-覚醒障害の併存も多い。神経発達障害の患児では、とりわけ睡眠問題の頻度が高い。これらの睡眠問題を抱える子どもでは、認知や感情の調節機能が影響を受け、精神行動上の変化が生じる。さらには、成人後の精神機能にも中長期的な影響を残す危険性が指摘されている。一方で、睡眠問題を解決することで、見かけ上重症化していた神経発達障害の中核症状が軽減し、社会生活機能が格段に向上することもある。本稿では、神経発達障害に見られる睡眠問題と、その臨床的意義に関する知見を紹介する。(著者抄録)
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綾部 直子, 三島 和夫
心身医学 ( 一般社団法人 日本心身医学会 ) 58 ( 7 ) 622 - 627 2018年 [依頼有り]
総説・解説(学術雑誌) 国内共著
<p>GABA-A受容体作動薬 (GABA-A receptor agonists : GABAA-RA) によって不眠症が寛解しない薬物療法抵抗性の原発性不眠症患者を対象として, CBT-Iを補完することによる不眠症の改善効果およびGABAA-RAの漸減促進効果を多施設共同のランダム化比較試験を用いて検討した. 対象者は, CBT-I群, または通常治療である睡眠衛生指導のみのTAU群のいずれかに割り付けられた. 隔週計5回の介入のうちセッション4と5は両群とも漸減法を用いた睡眠薬の減薬指導とした. 解析の結果, CBT-I群はTAU群と比較して, 介入後, 1カ月後フォローアップで不眠重症度が有意な減少を示した. GABAA-RAの減薬率については, CBT-I群で介入前から1カ月後フォローアップにかけて約30%の減薬率を示したものの, TAU群と比較して有意な優越性は示されなかった. 本研究の結果から, CBT-Iの減薬促進効果については減薬プロトコルや減薬期間の最適化によるさらなる検証が望まれる.</p>
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Q and A―神経科学の素朴な疑問 時差ぼけは東回りと西回りで違うのですか?
三島和夫
Clinical Neuroscience 35 ( 12 ) 1478‐1479 2017年12月 [依頼有り]
総説・解説(学術雑誌) 未設定
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睡眠・覚醒制御機構研究の新展開 非24時間睡眠‐覚醒リズム障害の病態生理研究の現状
三島和夫
医学のあゆみ 263 ( 9 ) 775‐782 2017年12月 [依頼有り]
総説・解説(学術雑誌) 未設定
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【光環境と睡眠・概日リズム】高齢者を取り巻く光環境と睡眠・生体リズム障害
三島 和夫
睡眠医療 ( (株)ライフ・サイエンス ) 11 ( 4 ) 489 - 493 2017年12月 [依頼有り]
総説・解説(学術雑誌) 未設定
全盲、極地圏、宇宙空間などの特殊条件下を除けば、ヒトは生物時計の最も強力な同調因子である生活環境光を十分に享受していると思いがちだが、高齢者、特に認知症高齢者に関する限りその認識は正しくない。外出機会の減少もしくは行動制限による自然光(高照度光)への曝露機会の減少、不適切な時間帯における光への過剰曝露、日照量や日長時間の季節変動などが原因となって、不眠症、概日リズム睡眠・覚醒障害、抑うつ状態などが生じることがある。光環境をうまく活用することは、高齢者や認知症高齢者の社会機能とQOLを高めるために有用である。(著者抄録)
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三島 和夫
Anti-aging Science ( (株)メディカルレビュー社 ) 9 ( 2 ) 80 - 80 2017年12月 [依頼有り]
総説・解説(学術雑誌) 未設定
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内科医と睡眠障害―睡眠障害の診断と治療をプライマリ・ケアに 睡眠・覚醒のメカニズムと生体応用
三島和夫
内科 120 ( 5 ) 1143‐1148 2017年11月 [依頼有り]
総説・解説(学術雑誌) 未設定
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薬物依存症に対する最近のアプローチ 多剤併用に対する診療報酬の減算算定は向精神薬の処方動向にどのような影響を与えたか
三島和夫
精神科治療学 32 ( 11 ) 1477‐1482 2017年11月 [依頼有り]
総説・解説(学術雑誌) 未設定
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多施設共同RCTによる不眠症に対する認知行動療法(Cognitive Behavioral Therapy for Insomnia:CBT‐I)の有効性
綾部直子, 鈴木みのり, 立森久照, 北村真吾, 亀井雄一, 三島和夫
国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所年報 ( 30 ) 235 2017年10月
研究発表要旨(全国大会,その他学術会議) 未設定
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北村真吾, 榎本みのり, 三井寺浩幸, 立森久照, 三島和夫
国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所年報 ( 30 ) 235 2017年10月
研究発表要旨(全国大会,その他学術会議) 未設定
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吉村 道孝, 北村 真吾, 肥田 昌子, 勝沼 るり, 元村 祐貴, 綾部 直子, 衛藤 憲人, 西脇 祐司, 坪田 一男, 三島 和夫
日本未病システム学会学術総会抄録集 ( (一社)日本未病システム学会 ) 24回 129 - 129 2017年10月
研究発表要旨(全国大会,その他学術会議) 未設定
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慢性不眠症患者の情動機能 fMRI研究
元村 祐貴, 勝沼 るり, 綾部 直子, 大場 健太郎, 寺澤 悠理, 北村 真吾, 肥田 昌子, 守口 善也, 亀井 雄一, 三島 和夫
不眠研究 ( (株)三原医学社 ) 2017 67 - 67 2017年10月
研究発表要旨(全国大会,その他学術会議) 未設定
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出口を見据えた睡眠医療の在り方 第11回 認知症の睡眠・行動障害に対する薬物療法の功罪と治療の出口設定
三島和夫
睡眠医療 11 ( 3 ) 405‐410 2017年09月 [依頼有り]
総説・解説(学術雑誌) 未設定
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睡眠検診の在り方 1.ウェアラブルデバイスとオンライン診断システムを活用した睡眠障害スクリーニングシステムとその社会実装
三島和夫
睡眠医療 11 ( 3 ) 328‐334 2017年09月 [依頼有り]
総説・解説(学術雑誌) 未設定
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【睡眠障害診療29のエッセンス】診断基準 ICD-11では睡眠障害はどう扱われるのか?
三島 和夫, 本多 真
医学のあゆみ ( 医歯薬出版(株) ) 別冊 ( 睡眠障害診療29のエッセンス ) 7 - 14 2017年09月 [依頼有り]
総説・解説(学術雑誌) 未設定
ICD-10では睡眠障害が「精神及び行動の障害」の大分類(Fコード)と、「神経系の疾患」の大分類(Gコード)に分かれて診断される構造的な問題を抱えていたが、ICD-11では第7章「睡眠-覚醒障害」というあらたな章として独立させることになった。独立した章となったことで、診断分類の自由度が高まり、睡眠-覚醒障害のもっとも代表的な診断基準であり睡眠医療や睡眠医学研究に汎用されているアメリカ睡眠医学会による睡眠障害国際分類第3版(ICSD-3)との整合性も格段に高まった。今回の改訂によって睡眠-覚醒障害に関しては利便性の高い基本統計として疫学調査や医学研究に従来以上に幅広く使用されるようになるだろう。(著者抄録)
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睡眠・生体リズムの神経機構解明による神経精神疾患へのアプローチ ヒトの睡眠・概日リズム調節障害と気分変調
三島 和夫
日本生物学的精神医学会・日本神経精神薬理学会合同年会プログラム・抄録集 ( 日本生物学的精神医学会・日本神経精神薬理学会 ) 39回・47回 92 - 92 2017年09月
研究発表要旨(全国大会,その他学術会議) 未設定