MISC(査読の無い研究業績) - 三島 和夫
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【向精神薬による不眠治療エビデンスはあるか?-現状と課題-】向精神薬を用いた不眠治療の現状と課題
三島 和夫
精神神経学雑誌 ( (公社)日本精神神経学会 ) 120 ( 7 ) 558 - 563 2018年07月 [依頼有り]
総説・解説(学術雑誌) 未設定
精神疾患に伴う強度の不眠,夜間不穏は精神医療,看護上の難題の1つであり,睡眠薬に加えて,抗精神病薬,抗うつ薬など催眠鎮静作用の強い向精神薬が頻用される.たしかにα1,α2,H1,5-HT2遮断作用などを有する向精神薬のなかには,主観的催眠作用,睡眠ポリグラフ上での入眠潜時の短縮,総睡眠時間の延長,中途覚醒時間の短縮などの睡眠調節効果が確認されているものもある.しかし,それらの知見のほとんどは短期服用時の効果をみた小規模な(時には健常被験者を対象とした)試験によるものであり,不眠症患者を対象にして中長期服用時の不眠改善効果と忍容性を検証した臨床試験はほとんどない.今後,既存の睡眠薬が奏効しない難治性不眠症に対する補完療法として催眠鎮静系向精神薬を活用することが可能か,用量,投与期間,安全性を明らかにする臨床データが求められている.(著者抄録)
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【ガイドラインの作成・普及に向けての取り組み】不眠治療の出口戦略を考える 睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドラインから
三島 和夫
精神科 ( (有)科学評論社 ) 33 ( 1 ) 57 - 63 2018年07月 [依頼有り]
総説・解説(学術雑誌) 未設定
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みんなの睡眠研究-方法論の今とこれから- ヒトの睡眠と生体リズムを精密に測定する その意義は?
三島 和夫
日本睡眠学会定期学術集会プログラム・抄録集 ( (一社)日本睡眠学会 ) 43回 144 - 144 2018年07月
研究発表要旨(全国大会,その他学術会議) 未設定
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睡眠・生体リズム調整を介した社会機能・QOLの改善 精神疾患における社会機能・QOL障害の重要性と睡眠医療ができること
三島 和夫
日本睡眠学会定期学術集会プログラム・抄録集 ( (一社)日本睡眠学会 ) 43回 101 - 101 2018年07月
研究発表要旨(全国大会,その他学術会議) 未設定
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睡眠薬の適正使用〜減量・休薬について考える〜 睡眠薬の適正使用 依存形成について
三島 和夫
日本睡眠学会定期学術集会プログラム・抄録集 ( (一社)日本睡眠学会 ) 43回 89 - 89 2018年07月
研究発表要旨(全国大会,その他学術会議) 未設定
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社会的ジェットラグおよび睡眠規則性と体組成・代謝機能との関連
北村 真吾, 肥田 昌子, 三島 和夫
日本睡眠学会定期学術集会プログラム・抄録集 ( (一社)日本睡眠学会 ) 43回 233 - 233 2018年07月
研究発表要旨(全国大会,その他学術会議) 未設定
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家族性概日リズム睡眠-覚醒相前進障害に関わる遺伝要因の探索
鵜飼 基生, 肥田 昌子, 北村 真吾, 加藤 美恵, 井上 雄一, 三島 和夫
日本睡眠学会定期学術集会プログラム・抄録集 ( (一社)日本睡眠学会 ) 43回 220 - 220 2018年07月
研究発表要旨(全国大会,その他学術会議) 未設定
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慢性不眠障害に対する人的支援を伴わないWeb-based CBTiの有効性 多施設共同研究による無作為化比較試験
岡島 義, 三島 和夫, 山寺 亘, 稲田 健, 田中 春仁, 藤田 雅彦, 小林 美奈, 綾部 直子, 河村 麻果, 陳内 彩音, 井上 雄一
日本睡眠学会定期学術集会プログラム・抄録集 ( (一社)日本睡眠学会 ) 43回 218 - 218 2018年07月
研究発表要旨(全国大会,その他学術会議) 未設定
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クロノタイプ別の睡眠負債耐性の違い
榎本 みのり, 北村 真吾, 肥田 昌子, 樋口 重和, 岡田 清夏[有竹], 三島 和夫
日本睡眠学会定期学術集会プログラム・抄録集 ( (一社)日本睡眠学会 ) 43回 271 - 271 2018年07月
研究発表要旨(全国大会,その他学術会議) 未設定
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中枢性過眠症におけるレストレスレッグス症候群(RLS)の合併に関する報告
都留 あゆみ, 木村 綾乃, 三島 和夫, 北村 真吾, 角野 友哉, 亀井 雄一
日本睡眠学会定期学術集会プログラム・抄録集 ( (一社)日本睡眠学会 ) 43回 222 - 222 2018年07月
研究発表要旨(全国大会,その他学術会議) 未設定
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あなたの知らない"うつ病・抑うつ"の世界 あなたの知らない"睡眠・リズム障害と抑うつの世界"
三島 和夫
精神神経学雑誌 ( (公社)日本精神神経学会 ) ( 2018特別号 ) S481 - S481 2018年06月
研究発表要旨(全国大会,その他学術会議) 未設定
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睡眠・生活リズム調整を介した精神疾患の治療・再発予防アプローチ-対人関係社会リズム療法を中心に- 睡眠・社会リズムと気分調節の機能的リンケージ
三島 和夫
精神神経学雑誌 ( (公社)日本精神神経学会 ) ( 2018特別号 ) S286 - S286 2018年06月
研究発表要旨(全国大会,その他学術会議) 未設定
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光環境とエイジング 光と睡眠リズムの調節で不眠と抑うつを防ぐ
三島 和夫
日本抗加齢医学会総会プログラム・抄録集 ( (一社)日本抗加齢医学会 ) 18回 89 - 89 2018年05月
研究発表要旨(全国大会,その他学術会議) 未設定
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【プライマリ・ケアでおさえておきたい 重要薬・頻用薬】抗不安薬・催眠鎮静薬 睡眠薬
三島 和夫
Medicina ( (株)医学書院 ) 55 ( 4 ) 34 - 38 2018年04月 [依頼有り]
総説・解説(学術雑誌) 未設定
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【国民病としての不眠症治療】不眠医療の現状と今後の課題
三島 和夫
クリニシアン ( エーザイ(株) ) 65 ( 4 ) 317 - 322 2018年04月 [依頼有り]
総説・解説(学術雑誌) 未設定
睡眠薬の多剤併用を抑止するため、2012年、2014年に診療報酬が改定された。また、2016年にはエチゾラムとゾピクロンの投与期間の上限が30日となった。さらに、2017年にはベンゾジアゼピン受容体作動薬の離脱症状に対する注意喚起が促された。薬物療法に、適切な睡眠習慣指導、認知行動療法を併用することで大部分の不眠症患者は対処が可能であり、寛解後の減薬も容易になる。処方箋発行ベースで7割以上が未だベンゾジアゼピン系睡眠薬が占めている現状は是正される必要があると考えられた。
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個人の睡眠・覚醒リズム特性と求められている社会時刻との不調和による心身の異常とその病態生理に関する研究
三島 和夫, 肥田 昌子, 北村 真吾
最新医学 ( (株)最新医学社 ) 73 ( 3 ) 442 - 460 2018年03月 [依頼有り]
総説・解説(学術雑誌) 未設定
我々は、ヒトの睡眠・覚醒リズムの調節メカニズム、およびその破綻と臨床的意義について、睡眠医学、精神生理学、脳機能画像学、分子生物学的手法を用いて取り組んできた。本総説のテーマの1つである概日リズム睡眠-覚醒障害(Circadian Rhythm Sleep-Wake Disorder,以下CRSWD)は、個人の睡眠・生体リズム特性が24時間周期の昼夜サイクルに適合できない睡眠障害である。我々は、その一型である非24時間睡眠-覚醒リズム障害(Non-24-Hour Sleep-Wake Rhythm Disorder,以下N24SWD)に罹患した患者の生物時計周期(τ)を、自施設にある長期隔離実験室を用いた強制脱同調試験で精密に測定することで、N24SWDにおける異常な長周期の存在を世界で初めて明らかにした。また、τの異常を実地臨床で簡便に同定するため、皮膚線維芽細胞内の時計遺伝子hBmal1の転写サイクルをリアルタイムモニタリングすることによって末梢時計周期(τp)をin vitroで計測する手法を開発した。τpを指標として時間療法(光療法およびメラトニンを用いて睡眠・覚醒リズムを正常化する治療)への反応性を検証した結果、τpが短いN24SWD患者では臨床転帰が良好であることが明らかになった。また、候補時計遺伝子の網羅的解析により、CRSWDへの罹患感受性に関連する複数の遺伝子多型・ハプロタイプを見いだした。CRSWDに限らず、睡眠時間帯やクロノタイプ(朝型・夜型指向性)の決定に大きな影響を及ぼすτの長さには大きな個人差があること、しかしながら求められている社会時刻はそれに比して画一的であり、その結果として個人の睡眠特性と社会時刻のミスマッチによって内的脱同調(生物時計位相と睡眠相の相互位相関係の異常)や睡眠負債(睡眠不足の蓄積)を呈する生活者が少なからず存在することを明らかにした。個人の睡眠特性と社会時刻のミスマッチは、生活者の心身機能に多大なる影響を及ぼす。夜型クロノタイプでは睡眠時間の短縮と同時に強い抑うつ状態を呈していることを明らかにするとともに、同様の抑うつ気分は健常被験者においてもごく短期間の睡眠負債によって容易に惹起されることをシミュレーション試験で示した。日常的に生じ得る程度の睡眠負債によって気分低下が生じる神経基盤の1つとして、睡眠負債が情動制御にとって重要な扁桃体-内側前頭皮質間の機能的結合(相互抑制)を減弱させることを、脳機能画像学的に明らかにした。さらに、一般生活者の中には自覚できない程度の軽度だが持続的な睡眠負債(潜在的睡眠不足)が存在し、精神機能、食欲制御、代謝、ストレス応答系の機能を低下させていることを見いだした。上記のように、我々は睡眠・覚醒リズム調節機能の個人差/多様性、社会時刻への同調不全のメカニズム、個人の睡眠特性と社会時刻のミスマッチが心身に及ぼす影響を明らかにする一連の研究に関する多くの成果を得ており、本総説のテーマとした。(著者抄録)
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【診断と治療のABC[130]発達障害】(第4章)臨床的見立て 神経発達障害に見られる睡眠問題とその臨床的意義
三島 和夫
最新医学 ( (株)最新医学社 ) 別冊 ( 発達障害 ) 93 - 99 2018年01月 [依頼有り]
総説・解説(学術雑誌) 未設定
小児では、睡眠問題が高頻度に認められる。不眠、日中の強い眠気、覚醒困難、夜型の睡眠リズムなど、何らかの睡眠習慣上の問題を抱えている子どもは、4人に1人に達する。また、睡眠時無呼吸症候群や睡眠時驚愕症(いわゆる夜驚)など、睡眠-覚醒障害の併存も多い。神経発達障害の患児では、とりわけ睡眠問題の頻度が高い。これらの睡眠問題を抱える子どもでは、認知や感情の調節機能が影響を受け、精神行動上の変化が生じる。さらには、成人後の精神機能にも中長期的な影響を残す危険性が指摘されている。一方で、睡眠問題を解決することで、見かけ上重症化していた神経発達障害の中核症状が軽減し、社会生活機能が格段に向上することもある。本稿では、神経発達障害に見られる睡眠問題と、その臨床的意義に関する知見を紹介する。(著者抄録)
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三島 和夫
Geriatric Medicine ( (株)ライフ・サイエンス ) 56 ( 1 ) 35 - 38 2018年01月 [依頼有り]
総説・解説(学術雑誌) 未設定
高齢不眠患者では加齢に伴う睡眠構造の変化、睡眠ニーズを減少(覚醒閾値を低下)させるライフスタイル、不眠の原因となる合併症の増加、うつ病や社会的孤立などメンタルヘルスの悪化などである。そのため高齢者の不眠症は、一般的に慢性経過をたどりやすい。また、不眠症状があることイコール不眠症ではない点にも留意する必要がある。正しい診断、誤った睡眠習慣の是正、その後に症状にマッチした薬物療法を行い、症状の改善に合わせて可能な限り減薬に努めるのが治療の基本である。薬物療法のリスクとベネフィットを患者自身が理解し享受する、アドヒアランスの高い不眠医療が求められている。(著者抄録)
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綾部 直子, 三島 和夫
心身医学 ( 一般社団法人 日本心身医学会 ) 58 ( 7 ) 622 - 627 2018年 [依頼有り]
総説・解説(学術雑誌) 国内共著
<p>GABA-A受容体作動薬 (GABA-A receptor agonists : GABAA-RA) によって不眠症が寛解しない薬物療法抵抗性の原発性不眠症患者を対象として, CBT-Iを補完することによる不眠症の改善効果およびGABAA-RAの漸減促進効果を多施設共同のランダム化比較試験を用いて検討した. 対象者は, CBT-I群, または通常治療である睡眠衛生指導のみのTAU群のいずれかに割り付けられた. 隔週計5回の介入のうちセッション4と5は両群とも漸減法を用いた睡眠薬の減薬指導とした. 解析の結果, CBT-I群はTAU群と比較して, 介入後, 1カ月後フォローアップで不眠重症度が有意な減少を示した. GABAA-RAの減薬率については, CBT-I群で介入前から1カ月後フォローアップにかけて約30%の減薬率を示したものの, TAU群と比較して有意な優越性は示されなかった. 本研究の結果から, CBT-Iの減薬促進効果については減薬プロトコルや減薬期間の最適化によるさらなる検証が望まれる.</p>