研究等業績 - 総説・解説 - 三島 和夫
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日中の光曝露が概日リズムに与える影響
吉村 道孝, 北村 真吾, 衛藤 憲人, 肥田 昌子, 勝沼 るり, 綾部 直子, 元村 祐貴, 西脇 祐司, 根岸 一乃, 坪田 一男, 三島 和夫
不眠研究 ( メディカルフロントインターナショナル(有) ) 2018 32 - 32 2018年09月
総説・解説(学術雑誌)
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【不眠症の治療と睡眠薬】睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドラインの臨床的意義
三島 和夫
精神医学 ( (株)医学書院 ) 60 ( 9 ) 949 - 956 2018年09月
総説・解説(学術雑誌)
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現代社会の睡眠習慣が抑うつを惹起するメカニズム
三島 和夫
ヘルスカウンセリング学会学術大会・総会プログラムおよび講演抄録集 ( (NPO)ヘルスカウンセリング学会 ) 25回 13 - 13 2018年09月
総説・解説(学術雑誌)
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特集 不眠症の治療と睡眠薬 睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドラインの臨床的意義
三島 和夫
精神医学 ( 株式会社医学書院 ) 60 ( 9 ) 949 - 956 2018年09月
総説・解説(学術雑誌) 単著
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三島 和夫
成人病と生活習慣病 ( (株)東京医学社 ) 48 ( 8 ) 879 - 885 2018年08月
総説・解説(学術雑誌)
・睡眠薬は処方頻度の高い薬剤である一方で、その多剤併用、漫然長期処方が厳しく問われている。・「睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン」のコンセプトに基づき、不眠症の治療戦略、特に出口戦略(安全な長期維持療法もしくは減薬中止)について患者とともに意思決定することが求められている。・ベンゾジアゼピン系睡眠薬はファーストラインから外れ、よりリスクが低減された非ベンゾジアゼピン系睡眠薬、メラトニン受容体作動薬、オレキシン受容体拮抗薬を適宜選択して不眠症の薬物療法を組み立てることが推奨されている。・睡眠薬のリスクとベネフィットを患者自身が理解、納得し、積極的に治療に参加するアドヒアランスの高い不眠医療こそが治療転帰を向上させるもっとも有効な手立てとなる。(著者抄録)
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【ガイドラインの作成・普及に向けての取り組み】不眠治療の出口戦略を考える 睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドラインから
三島 和夫
精神科 ( (有)科学評論社 ) 33 ( 1 ) 57 - 63 2018年07月
総説・解説(学術雑誌)
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【ビッグデータ時代の精神医学】ウェアラブルデバイスとオンライン診断システムの睡眠医学への応用
三島 和夫
分子精神医学 ( (株)先端医学社 ) 18 ( 3 ) 124 - 130 2018年07月
総説・解説(学術雑誌)
ウェアラブルデバイスとオンライン診断システムを活用した睡眠障害の診断システムが社会実装されようとしている。IoT(Internet of Things)技術の進歩によって生体情報データを高精度かつ連続的にモニタリングし、クラウド上にデータストレージできる安価なデバイスが続々と登場している。ウェアラブルデバイスによる睡眠障害の診断精度は、複数の生体情報の同時測定やその解析アルゴリズムの進歩によって格段に向上している。今後は個人の生体情報を繰り返し取得することでAI(人工知能)の機械学習や深層学習によってテーラーメイド型の睡眠医療が可能になるだろう。われわれが作成した睡眠医療の支援と睡眠障害研究の促進を目的とした集約型睡眠医療プラットフォーム(睡眠医療および睡眠研究用プラットフォームResearch Platform for Advanced Sleep Medicine;略称PASM)のように、質の高い睡眠医療の提供、臨床情報や研究用バイオリソースの管理までをサポートするプラットフォームも登場している。ウェアラブルデバイスを通じて得られた豊富な臨床情報が付加されたバイオリソースを活用することで、睡眠障害の病態研究の飛躍的な進展も期待される。(著者抄録)
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【向精神薬による不眠治療エビデンスはあるか?-現状と課題-】向精神薬を用いた不眠治療の現状と課題
三島 和夫
精神神経学雑誌 ( (公社)日本精神神経学会 ) 120 ( 7 ) 558 - 563 2018年07月
総説・解説(学術雑誌)
精神疾患に伴う強度の不眠,夜間不穏は精神医療,看護上の難題の1つであり,睡眠薬に加えて,抗精神病薬,抗うつ薬など催眠鎮静作用の強い向精神薬が頻用される.たしかにα1,α2,H1,5-HT2遮断作用などを有する向精神薬のなかには,主観的催眠作用,睡眠ポリグラフ上での入眠潜時の短縮,総睡眠時間の延長,中途覚醒時間の短縮などの睡眠調節効果が確認されているものもある.しかし,それらの知見のほとんどは短期服用時の効果をみた小規模な(時には健常被験者を対象とした)試験によるものであり,不眠症患者を対象にして中長期服用時の不眠改善効果と忍容性を検証した臨床試験はほとんどない.今後,既存の睡眠薬が奏効しない難治性不眠症に対する補完療法として催眠鎮静系向精神薬を活用することが可能か,用量,投与期間,安全性を明らかにする臨床データが求められている.(著者抄録)
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【プライマリ・ケアでおさえておきたい 重要薬・頻用薬】抗不安薬・催眠鎮静薬 睡眠薬
三島 和夫
Medicina ( (株)医学書院 ) 55 ( 4 ) 34 - 38 2018年04月
総説・解説(学術雑誌)
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【国民病としての不眠症治療】不眠医療の現状と今後の課題
三島 和夫
クリニシアン ( エーザイ(株) ) 65 ( 4 ) 317 - 322 2018年04月
総説・解説(学術雑誌)
睡眠薬の多剤併用を抑止するため、2012年、2014年に診療報酬が改定された。また、2016年にはエチゾラムとゾピクロンの投与期間の上限が30日となった。さらに、2017年にはベンゾジアゼピン受容体作動薬の離脱症状に対する注意喚起が促された。薬物療法に、適切な睡眠習慣指導、認知行動療法を併用することで大部分の不眠症患者は対処が可能であり、寛解後の減薬も容易になる。処方箋発行ベースで7割以上が未だベンゾジアゼピン系睡眠薬が占めている現状は是正される必要があると考えられた。
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個人の睡眠・覚醒リズム特性と求められている社会時刻との不調和による心身の異常とその病態生理に関する研究
三島 和夫, 肥田 昌子, 北村 真吾
最新医学 ( (株)最新医学社 ) 73 ( 3 ) 442 - 460 2018年03月
総説・解説(学術雑誌)
我々は、ヒトの睡眠・覚醒リズムの調節メカニズム、およびその破綻と臨床的意義について、睡眠医学、精神生理学、脳機能画像学、分子生物学的手法を用いて取り組んできた。本総説のテーマの1つである概日リズム睡眠-覚醒障害(Circadian Rhythm Sleep-Wake Disorder,以下CRSWD)は、個人の睡眠・生体リズム特性が24時間周期の昼夜サイクルに適合できない睡眠障害である。我々は、その一型である非24時間睡眠-覚醒リズム障害(Non-24-Hour Sleep-Wake Rhythm Disorder,以下N24SWD)に罹患した患者の生物時計周期(τ)を、自施設にある長期隔離実験室を用いた強制脱同調試験で精密に測定することで、N24SWDにおける異常な長周期の存在を世界で初めて明らかにした。また、τの異常を実地臨床で簡便に同定するため、皮膚線維芽細胞内の時計遺伝子hBmal1の転写サイクルをリアルタイムモニタリングすることによって末梢時計周期(τp)をin vitroで計測する手法を開発した。τpを指標として時間療法(光療法およびメラトニンを用いて睡眠・覚醒リズムを正常化する治療)への反応性を検証した結果、τpが短いN24SWD患者では臨床転帰が良好であることが明らかになった。また、候補時計遺伝子の網羅的解析により、CRSWDへの罹患感受性に関連する複数の遺伝子多型・ハプロタイプを見いだした。CRSWDに限らず、睡眠時間帯やクロノタイプ(朝型・夜型指向性)の決定に大きな影響を及ぼすτの長さには大きな個人差があること、しかしながら求められている社会時刻はそれに比して画一的であり、その結果として個人の睡眠特性と社会時刻のミスマッチによって内的脱同調(生物時計位相と睡眠相の相互位相関係の異常)や睡眠負債(睡眠不足の蓄積)を呈する生活者が少なからず存在することを明らかにした。個人の睡眠特性と社会時刻のミスマッチは、生活者の心身機能に多大なる影響を及ぼす。夜型クロノタイプでは睡眠時間の短縮と同時に強い抑うつ状態を呈していることを明らかにするとともに、同様の抑うつ気分は健常被験者においてもごく短期間の睡眠負債によって容易に惹起されることをシミュレーション試験で示した。日常的に生じ得る程度の睡眠負債によって気分低下が生じる神経基盤の1つとして、睡眠負債が情動制御にとって重要な扁桃体-内側前頭皮質間の機能的結合(相互抑制)を減弱させることを、脳機能画像学的に明らかにした。さらに、一般生活者の中には自覚できない程度の軽度だが持続的な睡眠負債(潜在的睡眠不足)が存在し、精神機能、食欲制御、代謝、ストレス応答系の機能を低下させていることを見いだした。上記のように、我々は睡眠・覚醒リズム調節機能の個人差/多様性、社会時刻への同調不全のメカニズム、個人の睡眠特性と社会時刻のミスマッチが心身に及ぼす影響を明らかにする一連の研究に関する多くの成果を得ており、本総説のテーマとした。(著者抄録)
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【診断と治療のABC[130]発達障害】(第4章)臨床的見立て 神経発達障害に見られる睡眠問題とその臨床的意義
三島 和夫
最新医学 ( (株)最新医学社 ) 別冊 ( 発達障害 ) 93 - 99 2018年01月
総説・解説(学術雑誌)
小児では、睡眠問題が高頻度に認められる。不眠、日中の強い眠気、覚醒困難、夜型の睡眠リズムなど、何らかの睡眠習慣上の問題を抱えている子どもは、4人に1人に達する。また、睡眠時無呼吸症候群や睡眠時驚愕症(いわゆる夜驚)など、睡眠-覚醒障害の併存も多い。神経発達障害の患児では、とりわけ睡眠問題の頻度が高い。これらの睡眠問題を抱える子どもでは、認知や感情の調節機能が影響を受け、精神行動上の変化が生じる。さらには、成人後の精神機能にも中長期的な影響を残す危険性が指摘されている。一方で、睡眠問題を解決することで、見かけ上重症化していた神経発達障害の中核症状が軽減し、社会生活機能が格段に向上することもある。本稿では、神経発達障害に見られる睡眠問題と、その臨床的意義に関する知見を紹介する。(著者抄録)
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三島 和夫
Geriatric Medicine ( (株)ライフ・サイエンス ) 56 ( 1 ) 35 - 38 2018年01月
総説・解説(学術雑誌)
高齢不眠患者では加齢に伴う睡眠構造の変化、睡眠ニーズを減少(覚醒閾値を低下)させるライフスタイル、不眠の原因となる合併症の増加、うつ病や社会的孤立などメンタルヘルスの悪化などである。そのため高齢者の不眠症は、一般的に慢性経過をたどりやすい。また、不眠症状があることイコール不眠症ではない点にも留意する必要がある。正しい診断、誤った睡眠習慣の是正、その後に症状にマッチした薬物療法を行い、症状の改善に合わせて可能な限り減薬に努めるのが治療の基本である。薬物療法のリスクとベネフィットを患者自身が理解し享受する、アドヒアランスの高い不眠医療が求められている。(著者抄録)
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綾部 直子, 三島 和夫
心身医学 ( 一般社団法人 日本心身医学会 ) 58 ( 7 ) 622 - 627 2018年
総説・解説(学術雑誌) 国内共著
<p>GABA-A受容体作動薬 (GABA-A receptor agonists : GABAA-RA) によって不眠症が寛解しない薬物療法抵抗性の原発性不眠症患者を対象として, CBT-Iを補完することによる不眠症の改善効果およびGABAA-RAの漸減促進効果を多施設共同のランダム化比較試験を用いて検討した. 対象者は, CBT-I群, または通常治療である睡眠衛生指導のみのTAU群のいずれかに割り付けられた. 隔週計5回の介入のうちセッション4と5は両群とも漸減法を用いた睡眠薬の減薬指導とした. 解析の結果, CBT-I群はTAU群と比較して, 介入後, 1カ月後フォローアップで不眠重症度が有意な減少を示した. GABAA-RAの減薬率については, CBT-I群で介入前から1カ月後フォローアップにかけて約30%の減薬率を示したものの, TAU群と比較して有意な優越性は示されなかった. 本研究の結果から, CBT-Iの減薬促進効果については減薬プロトコルや減薬期間の最適化によるさらなる検証が望まれる.</p>
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Q and A―神経科学の素朴な疑問 時差ぼけは東回りと西回りで違うのですか?
三島和夫
Clinical Neuroscience 35 ( 12 ) 1478‐1479 2017年12月
総説・解説(学術雑誌)
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【光環境と睡眠・概日リズム】高齢者を取り巻く光環境と睡眠・生体リズム障害
三島 和夫
睡眠医療 ( (株)ライフ・サイエンス ) 11 ( 4 ) 489 - 493 2017年12月
総説・解説(学術雑誌)
全盲、極地圏、宇宙空間などの特殊条件下を除けば、ヒトは生物時計の最も強力な同調因子である生活環境光を十分に享受していると思いがちだが、高齢者、特に認知症高齢者に関する限りその認識は正しくない。外出機会の減少もしくは行動制限による自然光(高照度光)への曝露機会の減少、不適切な時間帯における光への過剰曝露、日照量や日長時間の季節変動などが原因となって、不眠症、概日リズム睡眠・覚醒障害、抑うつ状態などが生じることがある。光環境をうまく活用することは、高齢者や認知症高齢者の社会機能とQOLを高めるために有用である。(著者抄録)