研究等業績 - 総説・解説 - 三島 和夫
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【老年期のメンタルヘルス-人生100年時代のこころの健康を守る】睡眠障害
三島 和夫
カレントテラピー ( (株)ライフメディコム ) 41 ( 1 ) 26 - 30 2023年01月
総説・解説(学術雑誌)
高齢者でみられる睡眠障害は多様である.最も頻度が高い訴えは不眠であるが,不眠症状があることイコール不眠症ではない.高齢者の睡眠障害の背景には睡眠の深度や持続性が減少するなど生理的な加齢変化に加えて,さまざまな心理・社会・生物学的要因が存在する.そのため薬物療法に加えて環境調整,心理療法も含めた治療アプローチが望ましい.また高齢者では向精神薬の副作用が出やすいため,睡眠衛生指導などの非薬物的アプローチを適宜取り入れ,薬物療法を行う際には絶えずRisk-benefit balanceを考慮する必要がある.(著者抄録)
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機械学習の「正解」教師データに悩む
三島 和夫
日本生物学的精神医学会誌 ( 日本生物学的精神医学会 ) 34 ( 4 ) 132 2023年
総説・解説(学術雑誌) 単著
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【神経内科疾患の睡眠障害】加齢に伴う睡眠障害
三島 和夫
脳神経内科 ( (有)科学評論社 ) 97 ( 5 ) 572 - 577 2022年11月
総説・解説(学術雑誌) 単著
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【精神疾患診療】(第1部)精神疾患を理解するための基礎知識 精神科薬物療法アップデート 睡眠薬の分類と特徴
三島 和夫
日本医師会雑誌 ( (公社)日本医師会 ) 151 ( 特別2 ) S148 - S150 2022年10月
総説・解説(学術雑誌)
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【「睡眠」に着目した向精神薬の作用再考】これからの不眠医療における睡眠薬の位置づけと使い分け
柴田 菜那, 竹島 正浩, 三島 和夫
臨床精神薬理 ( (株)星和書店 ) 25 ( 10 ) 1071 - 1077 2022年10月
総説・解説(学術雑誌) 国内共著
不眠症(不眠障害)は罹患頻度の高い睡眠障害のひとつであり、一般成人のうち約2〜3割が入眠困難、中途覚醒、早朝覚醒等を含む何らかの不眠症状を有し、約1割が不眠症に該当することが報告されている。「睡眠薬の適正な使用と休薬のための診療ガイドライン」においては、治療が必要な不眠症に対してはまず睡眠衛生指導を行ったのち、リスク・ベネフィットを評価した上で薬物療法を検討するという治療アルゴリズムが提示されている。これまで、不眠症に対する睡眠薬治療は、ベンゾジアゼピン受容体作動薬が主流であったが、近年オレキシン受容体拮抗薬やメラトニン受容体作動薬といった、新たな作用機序を有する睡眠薬が次々と上市されている。それぞれの睡眠薬の特徴を十分に理解し、個々の患者におけるリスクとベネフィットを検討した上で、患者と共同意思決定して治療選択を行うことが求められている。(著者抄録)
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【身体科と精神科の連携-身体科に必要な精神疾患の基礎知識】睡眠障害
伊藤 結生, 三島 和夫
カレントテラピー ( (株)ライフメディコム ) 40 ( 10 ) 941 - 946 2022年10月
総説・解説(学術雑誌) 国内共著
睡眠障害はcommon diseaseである。身体科でも不眠や過眠症状を訴える患者に遭遇し、対応が求められる機会が多い。最近では新型コロナウイルス感染症後遺症(long covid)で高頻度に睡眠障害が認められること、また医療従事者や一般住民でもストレス等による睡眠問題の訴えが増大していることが話題となった。不眠や過眠の原因は多様であるため、不眠症、睡眠関連呼吸障害や睡眠時随伴症などさまざまな睡眠覚醒障害を主観的症状(愁訴)および必要に応じて睡眠ポリグラフ検査などによる客観的評価に基づいて鑑別し、適切な睡眠衛生指導や薬物療法を選択する必要がある。特に高齢者についてはせん妄のリスクを念頭に置いた不眠症治療が重要となる。ベンゾジアゼピン系薬の身体依存について添付文書で注意喚起が促されて久しいが、睡眠薬をはじめとする向精神薬の使用については患者の不安も大きくアドヒアランス低下の一因になっているため、医療者は常に適正使用を心がける必要がある。本稿では、特に睡眠覚醒障害の鑑別診断、不眠症の適切な治療アプローチについて解説する。(著者抄録)
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三島 和夫
臨床精神薬理 ( (株)星和書店 ) 25 ( 10 ) 1059 - 1069 2022年10月
総説・解説(学術雑誌) 単著
精神疾患に伴う不眠や過眠(眠気)、リズム障害(夜型生活や昼夜逆転)は精神症状の一部、ストレス性、引きこもりに続発したものだと考えがちだが、実際にはさまざまな睡眠障害が高頻度に併存していることが指摘されている。これら睡眠障害は患者の社会的機能、気分、認知、QOLに広範な悪影響を及ぼす。本稿では精神疾患患者で頻度が高い睡眠障害について概観し、各論につなげる。精神疾患に伴う睡眠症状に対しては、睡眠薬に加えて、抗精神病薬、抗うつ薬など催眠鎮静作用の強い向精神薬が頻用される。たしかにα1、2、H1、5-HT2受容体遮断作用などを有する向精神薬の中には、主観的催眠作用、睡眠ポリグラフ上での入眠潜時の短縮、総睡眠時間の延長、中途覚醒時間の短縮などの睡眠調節効果が確認されているものもある。しかし、それらの知見のほとんどは短期服用時の効果を見た小規模な(時には健常被験者を対象とした)試験によるものであり、不眠症患者を対象にして中長期服用時の不眠改善効果と認容性を検証した臨床試験はほとんどない。我々が経験的に行っている催眠鎮静系向精神薬による睡眠調節は必ずしもエビデンスレベルの高い臨床データに裏打ちされたものではないことに留意して、実際の投薬に当たってはその益と害のバランスを見極める慎重に用いる必要がある。(著者抄録)
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【精神・神経疾患に併存する過眠の背景病態と治療マネジメント】認知症における過眠症状の評価とモニタリング
小笠原 正弥, 三島 和夫
精神医学 ( (株)医学書院 ) 64 ( 10 ) 1347 - 1352 2022年10月
総説・解説(学術雑誌) 国内共著
<文献概要>認知症では過眠(日中の眠気,昼寝)がしばしば認められる。認知症患者自身が訴えることもあれば,介護者から「1日中眠っている」「昼夜逆転している」といった訴えによって明らかになる場合もある。加齢変化によっても日中の眠気はみられるが,認知症患者は非認知症高齢者と比較しても過眠が多くみられることが示されている。最近の知見では,過眠症状は認知症に併存するだけでなく発症に先行する早期徴候として出現することが示唆されている。過眠症状のモニタリングは認知症の早期診断や予後予測に有用である可能性があるが,認知症患者における過眠は介護負担にはなりにくい場合もあり不眠や不穏などの他の周辺症状よりも見過ごされやすいと考えられる。本稿では認知症と過眠症状に焦点をあて,そのメカニズムとモニタリング方法について概説する。
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【認知症と睡眠-双方向からのアプローチ-】Overview 認知症と睡眠の双方向性の関係 認知症ではなぜ睡眠障害が多いのか
三島 和夫
Progress in Medicine ( (株)ライフ・サイエンス ) 42 ( 10 ) 905 - 909 2022年10月
総説・解説(学術雑誌) 単著
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【睡眠障害へのアプローチ最前線】睡眠障害の治療総論 睡眠障害の薬物療法
三島 和夫
臨牀と研究 ( 大道学館出版部 ) 99 ( 9 ) 1070 - 1073 2022年09月
総説・解説(学術雑誌) 単著
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炭酸リチウム内服中止後、亜昏迷を契機に腎性尿崩症が顕在化した双極性感情障害の1例
小坂 峻平, 伊藤 結生, 小笠原 正弥, 佐々木 直人, 三島 和夫
精神神経学雑誌 ( (公社)日本精神神経学会 ) 124 ( 9 ) 661 - 661 2022年09月
総説・解説(学術雑誌) 国内共著
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【睡眠-覚醒障害】なぜ診断基準から"二次性不眠症"が消えたのか
竹島 正浩, 三島 和夫
精神科Resident ( (株)先端医学社 ) 3 ( 3 ) 169 - 170 2022年08月
総説・解説(学術雑誌) 国内共著
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【睡眠-覚醒障害】特集にあたって
三島和夫
精神科Resident ( (株)先端医学社 ) 3 ( 3 ) 4 - 4 2022年08月
総説・解説(学術雑誌) 単著
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連載 整形外科医が知っておきたい他科の知識 不眠の診立てと治療指針
三島 和夫
整形外科 ( (株)南江堂 ) 73 ( 8 ) 881 - 886 2022年07月
総説・解説(学術雑誌) 単著
<文献概要>はじめに 不眠症はもっとも罹患頻度の高い睡眠障害の一つである.国内の成人の30%以上が入眠困難,中途覚醒,早朝覚醒,熟眠困難などのいずれかの不眠症状を抱えており,不眠症状に加えて日中の機能障害を併発している不眠症(不眠障害)に該当する者は成人の6〜10%に達する.不眠症状は多くの人が経験しその大部分は一過性で自然消退するが,一部は症状が遷延し慢性不眠に移行する.そのため,睡眠薬はもっとも処方頻度の高い薬剤の一つであり,日本の成人の約5%が医療機関から睡眠薬を処方されている.睡眠薬は20〜50歳代の若年〜中年層では精神科・心療内科での処方が多いものの,60歳代以降のいわゆるリタイア世代では一般診療科での処方が圧倒的に多い.整形外科も慢性疼痛を伴う疾患が多いため,不眠を訴える患者が多く,睡眠薬を処方する機会が多い診療科の一つである.さて,不眠症状(入眠困難,中途覚醒,早朝覚醒)があると即座に「不眠症」,「睡眠薬」を思い浮かべがちであるが,きわめて誤診が多い.現在知られている睡眠障害は70種類以上あり,有病率が高いものが多く,その大部分で夜間の不眠症状や日中の眠気を伴うためである.不眠症状を訴えて受診する患者のうち,不眠症(原発性不眠症)は2割程度であるとの試算もある.本稿では,冒頭で睡眠障害の診立て方(スクリーニング法)を紹介した後に,『睡眠薬の適正使用・休薬ガイドライン』のコンセプトに沿って,患者にとっても医療者にとっても安全・安心な不眠症の薬物療法のあり方について解説する.
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吉沢 和久, 三島 和夫
Depression Strategy ( (株)先端医学社 ) 12 ( 3 ) 12 - 15 2022年07月
総説・解説(学術雑誌) 国内共著
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【不眠症-研究・診療の最新知識】不眠症序論 不眠症の疾患概念の歴史的変遷
三島 和夫
医学のあゆみ ( 医歯薬出版(株) ) 281 ( 10 ) 934 - 939 2022年06月
総説・解説(学術雑誌) 単著
不眠症(不眠障害)は不眠症状(入眠困難または睡眠維持困難)と、それによる日中の機能障害を基本特徴とする疾患群である。現在の主要な診断基準では、不眠症はその持続期間によって慢性不眠障害と短期不眠障害に大別されるが、その診断においては併存疾患(合併症、基礎疾患)の有無を問わず、併存疾患が不眠症を惹起している可能性については考慮しない。すなわち、以前行われていた原因別分類を放棄するようになった。このような診断基準の大改訂の背景には、不眠症の病態生理と慢性化プロセスの考察から得られた続発性(二次性)不眠症から併存不眠症へのパラダイムシフトがある。本稿では、古来の現象的分類からはじまり、1970〜1980年代の原因別分類、1990年代以降の操作型診断基準の採用および併存不眠症の概念の導入へと続く不眠症の疾患概念の変遷について紹介する。(著者抄録)
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【治療ガイドラインの限界と私の治療:精神科薬物療法のコツ】不眠医療のガイドラインの有用性と限界
三島 和夫
臨床精神薬理 ( (株)星和書店 ) 25 ( 6 ) 677 - 684 2022年06月
総説・解説(学術雑誌) 単著
医師の裁量権は尊重されるべきだが、診療ガイドラインは多くのエビデンスを基に作成された「最初に試す価値のある診療方針」「改善する確率がもっとも高い治療法」であり、まずはガイドラインに準じた治療を行うべきである。一方で、ガイドラインの根拠となるRCTに組み入れられた患者の病像は普段の臨床で遭遇する患者のそれとは異なるためガイドラインをそのまま実地臨床で展開してもうまく奏効しないことが少なくない。不眠症は加齢とともに増加し、また基礎疾患に併存することが非常に多いため、リスクベネフィットの観点から治療に難渋することも多い。本稿では、不眠症治療の根幹に関わる二次性不眠症から併存不眠症への疾患概念の変遷を解説した後、うつ病に併存する不眠症、薬物療法の出口戦略、高齢者で問題となる認知症リスクへの対応を中心に、既存の不眠症の薬物療法ガイドラインの限界と個別対応のポイントについて私見を述べる。(著者抄録)
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特集 精神神経疾患の治療とQOL 不眠医療とQOL
伊藤 結生, 綾部 直子, 三島 和夫
精神医学 ( 株式会社医学書院 ) 64 ( 3 ) 333 - 340 2022年03月
総説・解説(学術雑誌) 国内共著
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【皮膚科医が学ぶ睡眠医学-皮膚科診療に活かそう!】(Part3.)不眠治療を学び、患者満足度を上げよう!(総説9) 皮膚疾患に伴う不眠症の薬物療法
三島 和夫
Visual Dermatology ( (株)学研メディカル秀潤社 ) 21 ( 3 ) 291 - 295 2022年02月
総説・解説(学術雑誌) 単著
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【精神医療のIT化】生体センシング技術を用いた睡眠モニタリングとその技術的課題
小笠原 正弥, 三島 和夫
精神科 ( (有)科学評論社 ) 40 ( 2 ) 257 - 262 2022年02月
総説・解説(学術雑誌) 国内共著