研究等業績 - その他 - 木元 稔
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成長に伴う急激な身長増加が脳性麻痺児の腓腹筋の弾性率および足関節背屈可動域に与える影響
仲村 真哉, 木元 稔, 岡田 恭司, 川野辺 有紀, 三澤 晶子, 坂本 仁
小児理学療法学 ( 一般社団法人 日本小児理学療法学会 ) 1 ( Supplement_2 ) 47 - 47 2023年03月
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脳性麻痺児と典型発達児との急な歩行停止制動の比較
木元 稔, 岡田 恭司, 川野辺 有紀, 堀岡 航, 仲村 真哉, 三澤 晶子, 坂本 仁
小児理学療法学 ( 一般社団法人 日本小児理学療法学会 ) 1 ( Supplement_2 ) 44 - 44 2023年03月
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Foot pressure-based analysis of gait while using a smartphone
Kondo R.
Gait and Posture ( Gait and Posture ) 100 196 - 200 2023年02月
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変形性膝関節症患者では反応的姿勢制御能力が低下している~The Balance Evaluation Systems Testでの検討~
須田 智寛, 宮本 大道, 長谷川 翔, 久米 裕, 木元 稔, 齊藤 明, 岡田 恭司
運動器理学療法学 ( 一般社団法人 日本運動器理学療法学会 ) 2 ( Supplement ) P-122 - P-122 2022年
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急な歩行停止における片脚での停止動作の分析
村山 大河, 木元 稔, 斉藤 結奈, 岡田 恭司
東北理学療法学 ( 公益社団法人 日本理学療法士協会 東北ブロック協議会 ) 34 ( 0 ) 33 - 40 2022年
<p>【目的】急な歩行停止における片脚での停止動作の運動力学的な特徴を明らかにすることである。</p><p>【対象】健常者29名とした。</p><p>【方法】計測には三次元動作解析装置 (VICON 社製) および床反力計 (AMTI 社製) を用いた。歩行停止条件は,両脚で行うもの (両脚条件) と,片脚で行うもの (片脚条件) の 2 つとし,歩行停止サインが出現した場合に停止動作を行わせた。計測項目は停止サイン出現から停止までの時間 (停止時間),床反力前後成分,停止時の股関節・膝関節・足関節のモーメント・角速度・負のパワーの最大値とした。</p><p>【結果】片脚条件では両脚条件よりも,停止時間が有意に長く,停止時の床反力後方成分,関節モーメント,角速度,負の関節パワーが有意に低かった。</p><p>【結語】片脚での停止は,停止時に両脚支持から単脚支持への移行を伴うため,両脚支持の際にモーメントや角速度を大きく発生させず,単脚支持へ移行する過程で関節周囲の力を吸収していると考えられた。片脚での停止は停止のメカニズムが両脚のものとは異なることが明らかとなった。</p>
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着地前の股関節内外転筋群の筋活動が片脚着地時の膝関節外反モーメントに及ぼす影響
宮本 大道, 齊藤 明, 木元 稔, 照井 佳乃
スポーツ理学療法学 ( 一般社団法人 日本スポーツ理学療法学会 ) 2 ( Supplement ) OS-04-01 - OS-04-01 2022年
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木元 稔
バイオメカニズム学会誌 ( バイオメカニズム学会 ) 46 ( 4 ) 235 - 240 2022年
脳性麻痺児の歩行は多様である.健常児の身体機能は発達に伴い成人のそれに近づいていくのが通常である.しかし, 脳性麻痺児では脳病変により身体機能が様々な程度に障害されるため,機能障害とその影響を受ける歩行が,発達の中で変化 する.それゆえ,脳性麻痺児の歩行を理解するためには,変化する機能障害や歩行異常,ならびにこれらに対する医療的介入 のタイミングも見据えて歩行を捉えることも必要である.本稿では,初学者でも脳性麻痺児の歩行の概要を捉えることができ るよう,脳性麻痺児の機能障害と発達との関係性,および機能障害と歩行との関係性について取り上げる.また,近年報告さ れている,脳性麻痺児でみられる多様な歩行の逸脱を数値化する方法についても紹介する.
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仲村 真哉, 木元 稔, 岡田 恭司, 齊藤 明, 丸山 元暉, 川野辺 有紀, 坂本 仁
理学療法学Supplement ( 公益社団法人 日本理学療法士協会 ) 48 ( 0 ) A - 98-A-98 2021年
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片脚着地動作における膝関節外反モーメントと股関節内外転筋群の筋活動との関係
宮本 大道, 齊藤 明, 照井 佳乃, 木元 稔, 岡田 恭司
スポーツ理学療法学 ( 一般社団法人 日本スポーツ理学療法学会 ) 1 ( Supplement ) OS-08-04 - OS-08-04 2021年
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急な歩行停止における制動力の変化:―模擬障害物の提示位置を変化させた場合での分析―
木元 稔, 岡田 恭司, 坂本 仁, 川野辺 有紀, 小船屋 理子, 堀岡 航, 仲村 真哉
理学療法学Supplement ( 公益社団法人 日本理学療法士協会 ) 47 ( 0 ) E - 14_1-E-14_1 2020年
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近藤 諒平, 岡田 恭司, 若狭 正彦, 齊藤 明, 木元 稔
理学療法学Supplement ( 公益社団法人 日本理学療法士協会 ) 47 ( 0 ) B - 178_1-B-178_1 2020年
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Kinoshita K.
Physical Therapy in Sport ( Physical Therapy in Sport ) 38 132 - 138 2019年07月
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Takahashi Y.
Ultrasound quarterly ( Ultrasound quarterly ) 37 ( 1 ) 77 - 83 2019年04月
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Saito A.
Geriatrics and Gerontology International ( Geriatrics and Gerontology International ) 19 ( 1 ) 61 - 65 2019年01月
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新出 卓斗, 髙橋 裕介, 齊藤 明, 岡田 恭司, 若狭 正彦, 木元 稔, 柴田 和幸, 鎌田 哲彰, 大倉 和貴, 佐藤 大道
理学療法学Supplement ( 公益社団法人 日本理学療法士協会 ) 46 ( 0 ) H2 - 245_2-H2-245_2 2019年
<p>【はじめに、目的】</p><p>足関節捻挫は競技種目を問わず発生頻度が高く,スポーツにおける代表的な外傷の1つである.受傷後は疼痛により長期にわたり競技からの離脱を強いられることもあり,また足関節に慢性的な不安定症を生じることが多く再発率が高いとされており,受傷・再発の予防が重要である.足関節は外反方向に比べ内反方向に脆弱な関節であり足関節捻挫の約8割が内反型だとされている.先行研究から足関節捻挫と足圧の外側偏移などが示唆されている.下肢回旋は着地時の足圧に影響を与えると考えられるが十分な検討は行われていない.そこで本研究は着地における下肢回旋方向が足圧に与える影響を明らかにすることを目的とした.</p><p>【方法】</p><p>対象は健常成人30名(男性:15名、女性15名:22 ± 1歳)とした.課題動作は30cm台上からの片脚着地とし,下肢の回旋は1)中間位、2)外旋位、3)内旋位の3条件とした.回旋は外旋,内旋共に中間位より30°とし着地点にマーキングしその直上に着地させた.着地の際は下肢のみ回旋させ体幹の回旋が生じないように保持させた.着地における足圧変位を足圧分布測定システム(F-scanⅡ / ニッタ社製)で測定した.足部の最内側を0としたときの着地時の内外側方向における足圧中心位置を足幅で除し%着地点とした.%着地点はその値が大きいほど足部の外側で着地したことを示している.また足部の内外側方向における足圧中心の移動量を求め,それを足幅で除し%移動量とした.%移動量は負の値となると内側に移動したことを示し,正の値となると外側に移動したことを示す.それぞれの測定結果における各条件の差をBonferroniの多重比較法を用いて検定した.</p><p>【結果】</p><p>%着地点は中間位 47.9 ± 5.3%,外旋位 47.5 ± 8.5%,内旋47.7 ± 14.6%となり有意差はなかった.%移動量は中間位 - 1.6 ± 8.2%,外旋位 - 16.2 ± 10.4%,内旋19.2 ± 12.8%となり外旋位が他の肢位より有意に小さく(各<i>p</i> < 0.01),内旋位が他の肢位より有意に大きかった(各<i>p</i> < 0.01).</p><p>【結論(考察も含む)】</p><p>着地時の足圧はいずれの下肢回旋方向でも47%であり,足部の内外側方向における中心で着地していることが分かった.しかし,着地後の足圧変位には下肢回旋方向により差が見られた.中間位ではほとんど変位が見られなかったが,外旋位では内側方向に,内旋位では外側方向に足圧中心が変位した.下肢内旋でみられた足圧中心の外側への変位は足部外側の荷重圧を増加させ足関節内反捻挫の受傷リスクを高める可能性があると考えられる.</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】</p><p>対象者には事前に研究目的や意義,方法について十分に説明し,書面にて同意を得た.また本研究は秋田大学大学院医学系研究科倫理委員会の承認を得て実施した(受付番号 : 1770).</p>
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回復期リハビリ開始前より自立歩行が可能であった片麻痺患者の足圧分布の特徴:-地域在住者との比較-
越後谷 和貴, 岡田 恭司, 皆方 伸, 長谷川 弘一, 若狭 正彦, 木元 稔, 齊藤 明, 大倉 和貴, 須田 智寛, 南波 晃
理学療法学Supplement ( 公益社団法人 日本理学療法士協会 ) 46 ( 0 ) E - 183_2-E-183_2 2019年
<p>【目的】</p><p> 脳卒中後片麻痺患者のうち、リハビリ開始時に杖なしで自立歩行が可能な患者では、歩行パターンに何らかの異常を有しても、歩行自立の妨げにはならない程度の異常と言える。よってこれらの異常を定量的に明らかにできれば、片麻痺患者に歩行自立を許可する基準となると考えられる。近年、簡便かつ定量的に歩行パターンを評価できるツールとして足圧分布が種々の疾患で広く調べられており、片麻痺患者でも応用が期待できる。本研究の目的は、回復期リハビリ開始前から自立歩行が可能であった片麻痺患者の歩行パターンを、足圧分布を用いて解析し、自立歩行を許可しうる異常を明らかにすることである。</p><p>【方法】</p><p> 回復期リハビリテーションを受けた脳卒中後患者31名のうち、入院時に杖なしで歩行が自立していた右片麻痺患者8名(自立歩行群;男6名、女2名、平均年齢62 ±7歳、梗塞4名、出血4名)と、75歳未満の地域在住者で下肢に整形疾患のない14名(健常群;男7名、女7名、64 ± 6歳)を対象に足圧分布測定システム(F-scan Ⅱ、ニッタ社製)を用いて、10 m 快適歩行における足圧分布、および歩行速度を計測した。足圧分布のデータより、踵、足底中央、中足骨、母趾、第2-5趾の5領域の荷重圧比、足圧中心軌跡の足部長軸方向の移動距離比である%Long をそれぞれ3回計測し、平均値を算出した。統計学的検討では健常群と比較した入院時の特徴を明らかにするため、荷重圧比、%Long、歩行速度の群間比較に対応のないt 検定を用いた。また荷重圧比、%Long と歩行速度との相関をSpearman の順位相関係数で検討した。解析ソフトはSPSS 21 を用い、有意水準は5%とした。</p><p>【結果】</p><p> 健常群に比べ、自立歩行群では右足(麻痺側)の足底中央への荷重圧比が高値(健常群2.9 ± 1.7% vs.自立歩行群 8.3 ± 6.4%)を示し、第2-5趾への荷重圧比が低値(8.8 ± 4.0% vs. 5.4 ± 1.5%)で、%Longは低値(78.7 ± 7.4% vs. 70.1 ± 8.3%)を示した(それぞれp = 0.008,p = 0.014,p = 0.030)。左足(非麻痺側)では足底中央への荷重圧比が高値(2.8 ± 2.1% vs. 8.2 ± 8.1%)を示し、%Longは低値(77.8 ± 6.8% vs. 68.2 ± 6.1%)を示した(それぞれp = 0.034,p = 0.004)。自立歩行群で歩行速度は低値(1.3 ± 0.2 m/sec vs. 1.0 ± 0.2 m/sec)を示した(p = 0.006)。</p><p> 歩行速度は右足の踵(rs = .49,p = 0.022)、%Long(rs = .45,p = 0.035)とそれぞれ有意な正の相関を示し、足底中央(rs = ‐.56,p = 0.007)とは有意な負の相関を示した。また左足の踵(rs = .56,p = 0.007)、%Long(rs = .49,p = 0.022)とそれぞれ有意な正の相関を示し、足底中央(rs = ‐.60,p = 0.003)とは有意な負の相関を示した。</p><p>【考察】</p><p> 健常群に比べ自立歩行群では麻痺側、非麻痺側とも足底中央への荷重圧比が高く、足部長軸方向への移動距離比である%Longが低値で、かつ%Longと歩行速度との相関性が注目された。脳卒中後患者では両側の%Longが健常者の85%程度あれば、自立歩行を許可することが可能と考えられた。</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】</p><p> 書面で説明を行い、同意書を得た上で開始した。測定中は理学療法士が傍に着き、事故のないように配慮した(秋田県立リハビリテーション・精神医療センター倫理審査委員会28-5)。</p>
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片脚着地時の下肢回旋が足関節kinematicsに与える影響:-足関節捻挫既往肢の特徴-
南波 晃, 岡田 恭司, 若狭 正彦, 齊藤 明, 木元 稔, 越後谷 和貴, 大倉 和貴, 須田 智寛, 近藤 諒平
理学療法学Supplement ( 公益社団法人 日本理学療法士協会 ) 46 ( 0 ) H2 - 48_1-H2-48_1 2019年
<p>【はじめに、目的】スポーツ外傷の中で足関節捻挫は最も発生頻度が高く、特に着地動作時に生じることが多いとされている。捻挫既往肢では着地時に足関節回外角度の増大や長腓骨筋の筋活動が低下することが報告されており、高い再発率との関連が示唆されている。実際のスポーツ場面では下肢回旋を伴って着地することが多く、この事が捻挫再発に関与する可能性もあるがその様な報告はない。そこで本研究の目的は捻挫既往肢における片脚着地時の下肢回旋が足関節角度や筋活動に及ぼす影響を明らかにすることである。</p><p>【方法】下肢に手術歴のない男子大学生18名(平均年齢21歳)を対象とし、複数回捻挫の既往があるものを既往群(18肢)、既往がないものを対照群(18肢)とした。課題動作は30 cm台上からの片脚着地とし、下肢回旋中間位、外旋30°位、内旋30°位の3条件とした。いずれも台の10 cm前方に着地点をマーキングし、その直上に着地させた。足関節角度は電子角度計Flexible GonioMeter(Biometrics社製)を用いて底背屈および回内外角度を測定した。筋活動は表面筋電計 Biolog DL-3100(S&ME社製)を使用し、被験筋は前脛骨筋、長腓骨筋、腓腹筋内側・外側頭の4筋とした。着地時点は足圧分布システムF-scan(ニッタ社製)を装着し、時間的に同期させ特定した。いずれも着地前後100 msecを解析区間とし、筋電図データは5 msecごとの平均振幅を算出した後、各筋の最大収縮時の値で正規化した(%MVC)。また課題動作実施前に、足関節機能として足関節機能的不安定テスト、外果距骨間離解率、アーチ高率、外返し筋力、関節位置覚を測定した。統計学的解析には両群における着地時の足関節角度、筋活動量および足関節機能の差を比較するため対応のないt検定、Mann-WhitneyのU検定を用い、また各群とも下肢回旋の条件間での足関節角度の差を一元配置分散分析を用いて検討した。解析ソフトはSPSS22.0を使用し、有意水準5%とした。</p><p>【結果】捻挫既往群では対照群に比べ足関節機能的不安定性テストが有意に低値(85.3 ± 4.5 vs. 99.5±1.2 ; p<0.001)を示し、外果距骨間離解率が有意に高値(15.0 ±4.5 vs. 7.8± 3.9 ; p<0.05)であった。着地時の足関節角度は、内旋30°位での着地前100~50 msecにおいて捻挫既往群が対照群に比べ底屈角度が有意に大きく(p<0.05)、着地後40~60 msecにおいて回外角度が有意に大きかった(p<0.05)。また着地後40~60 msecでは、捻挫既往群で前脛骨筋の筋活動量が有意に高値(38% vs. 27% ; p<0.05)を示した。しかし下肢回旋の条件間においては、各群とも3条件間で有意差は認められなかった。</p><p>【結論(考察も含む)】捻挫既往肢における下肢内旋位での片脚着地では、着地前の足関節底屈角度増大および着地後の回外角度増大と前脛骨筋の過活動が生じることが明らかとなり、この事が足関節捻挫の再発へとつながる可能性が示唆された。</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】本研究は秋田大学医学部倫理委員会の研究指針に沿って実施した。また対象者には事前に研究目的や意義、研究方法について十分に説明し書面にて同意を得た。</p>
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脳性麻痺児おける歩行の非計画停止での重心と圧中心の分析:- 典型的発達青年との比較 -
木元 稔, 齊藤 明, 岡田 恭司, 水戸部 一孝, 齋藤 正親, 川野辺 有紀, 堀岡 航, 佐々木 美帆, 坂本 仁, 若狭 正彦
理学療法学Supplement ( 公益社団法人 日本理学療法士協会 ) 46 ( 0 ) J - 45_1-J-45_1 2019年
<p>【はじめに】</p><p>脳性麻痺(cerebral palsy; 以下、CP)児では、自立歩行が可能でも、歩行を急停止することが困難である症例がみられる。CP児と典型的発達児では歩行における身体の重心や圧中心の運動学的特性が異なることが知られているが、歩行停止においてそれらを分析した報告はない。</p><p> 本研究の目的は、CP児での非計画的な歩行停止における、重心と圧中心の移動距離を計測・解析し、典型的発達青年との違いを明らかにすることとした。</p><p>【方法】</p><p>対象は痙性両麻痺型CP児10名(年齢は11.3±2.91歳;性別は男7名、女3名; 粗大運動能力分類システムはレベルⅠが7名、レベルⅡが3名)と、典型的発達青年男性6名(年齢は19.7±0.41歳)である。</p><p> 歩行路は7.5 mとし、床反力計5台、赤外線カメラ8台、プロジェクター、スクリーンを設置した。WorldViz社製Vizardを用いて、被験者が床反力計を踏んだら、スクリーンへの投影画像が緑色から赤色へ直ちに変化する課題提示システムを構築した。実施課題は、①スクリーンの色が緑色のままであれば自己選択速度での歩行を継続、②赤色に変わった場合は可能な限り早く止まる、の2つとした。</p><p> 歩行停止時点の定義は、重心の移動速度が0.1 m/s以下になった時とした。解析指標は、歩行停止指示時での歩行速度、歩行停止指示から停止までの時間・歩数・距離、重心や圧中心の移動距離(軌跡・前後・左右)とし、CP児と典型的発達青年を比較した。</p><p>【結果】</p><p>CP児では歩行停止までに有意に長い時間を要し(1.25±0.19 vs 0.94±0.03 s; p=0.001)、停止に至るまでの歩数が多かった(2.5±0.6 vs 1.0±0歩; p<0.0001)。典型的発達青年は片足を前方に接地し歩行を停止させるが、CP児は全例とも両足の前後接地位置をほぼ揃え停止した。</p><p> 圧中心の軌跡移動距離は、CP児と典型的発達青年との間で有意な差は認められなかった。しかし、重心の軌跡・前後移動距離や圧中心の前後移動距離はCP児が1.3〜1.4倍大きく(p値は0.016〜0.035)、重心の左右移動距離は約2.0倍(p<0.001)、圧中心の左右移動距離は約4.3倍大きかった(p<0.001)。</p><p>【考察】</p><p>CP児では歩行停止時に重心の左右移動が過大であり、これを制御するために圧中心を左右へ大きく移動させ、バランスを制御していると考えられる。圧中心を左右に大きく移動させるには、歩行停止時に下肢を側方へ振り出すことが必要であるが、この停止方法ではより長い時間と多くの歩数を要すると考えられる。</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】</p><p>本研究はヘルシンキ宣言を遵守し,被験者と保護者に文書を用いて口頭で説明を行い,同意が得られた方のみを対象とした。</p>
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脳性麻痺児における歩行の非計画停止動作:– 健常青年との比較 –
木元 稔, 若狭 正彦, 岡田 恭司, 水戸部 一孝, 齋藤 正親, 川野辺 有紀, 木元 美沙子, 堀岡 航, 坂本 仁, 齊藤 明
理学療法学Supplement ( 公益社団法人 日本理学療法士協会 ) 46 ( 0 ) I - 103_2-I-103_2 2019年
<p>【はじめに、目的】脳性麻痺(cerebral palsy; 以下、CP)児では、自立歩行が可能でも歩行停止が困難である症例がみられる。学校や地域生活において急停止を要する時、それが困難である場合は衝突や転倒につながる危険性がある。しかし、CP児での歩行停止動作が健常者のそれとどのように異なるかは知られていない。本研究の目的は、CP児での非計画的な歩行停止動作を3次元動作解析装置を用いて解析し、健常青年との違いを明らかにすることとした。</p><p>【方法】対象は痙性両麻痺型CP児10名(年齢 11.3±2.91歳;性別 男7名、女3名; GMFCS レベルⅠ 7名、レベルⅡ 3名)と、健常青年男性6名(年齢 19.7±0.41歳)である。</p><p>歩行路は7.5 mとし、床反力計5台、赤外線カメラ8台、プロジェクター、スクリーンを設置した。WorldViz社製Vizardを用いて、被験者が床反力計を踏んだら、スクリーンへの投影画像が緑色から赤色へ直ちに変化する課題提示システムを構築した。</p><p>実施課題は、①スクリーンの色が緑色のままであれば自己選択速度での歩行を継続、②赤色に変わった場合は可能な限り早く止まる、とし被験者には課題の提示順序を盲検化した。身体重心移動の速度が1.0 m/s以下となった時点を歩行停止と定義し、得られた指標をCP児と健常青年間で比較した。</p><p>【結果】CP児は健常青年よりも歩行停止の指示提示時における歩行速度が遅いにもかかわらず(1.20±0.16 vs 1.45±0.14 m/s; p=0.009)、歩行停止までに有意に長い時間を要し(1.25±0.19 vs 0.94±0.03 s; p=0.001)、距離に差はないものの歩数が多かった(2.5±0.6 vs 1.0±0歩; p<0.0001)。関節の最大角度は、CP児において膝関節屈曲が大きかったが(49.3±14.2 vs 34.3±8.1 deg ; p=0.034)、足関節底屈は小さかった(3.3±14.6 vs 15.4±4.9 deg; p=0.032)。関節モーメントの最大値は股関節伸展(0.65±0.46 vs 0.31±0.06 Nm/kg*m; p=0.028)、外転(0.96±0.41 vs 0.58±0.11 Nm/kg*m; p=0.019)、足関節底屈モーメント(0.76±0.23 vs 0.50±0.06 Nm/kg*m; p=0.021)がCP児で有意に大きかった。床反力ベクトル角度の最大値は、CP児で有意に小さかった(18.8±4.3 vs 26.5±2.3 deg; p=0.002)。</p><p>【考察】歩行停止では、停止に要する力を適切な方向に発揮することが求められる。CP児では歩行停止時に関節モーメントが大きいものの、足関節底屈角度が小さいまま、膝関節を大きく屈曲していた。また、垂直軸から後方への床反力ベクトル角度は、健常青年では平均26.5度、CP児では平均18.8度であり、CP児ではより垂直方向に力を発揮していた。つまり、CP児では、歩行停止時に後方へ力を発揮することが難しいため、停止までの時間を要すると考えられる。</p><p>【結論】CP児では、歩行停止時に進行方向とは逆方向への力の発揮が難しく、歩行停止が困難であると考えられる。</p><p>【倫理的配慮,説明と同意】本研究はヘルシンキ宣言を遵守し,被験者と保護者に文書を用いて口頭で説明を行い,同意が得られた方のみを対象とした。</p>
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Abe R.
Rigakuryoho Kagaku ( Rigakuryoho Kagaku ) 33 ( 1 ) 59 - 64 2018年
〔目的〕側方への片脚着地時の足関節と後足部角度および下腿の筋活動を捻挫既往肢と健常肢で比較分析すること.〔対象と方法〕足関節捻挫の既往のある20肢(捻挫既往群,男性11肢,女性9肢,平均年齢21.2歳)と捻挫の既往のない20肢(既往なし群,男性12肢,女性8肢,平均年齢21.2歳)の40肢を対象とした.高さ30 cm台から30 cm側方への片脚着地動作を行わせ,その際の足関節底背屈と後足部回内外角度,また下腿筋の筋電図を計測した.〔結果〕既往なし群に比べ捻挫既往群では,着地前の底屈角度と着地後の回外角度および前脛骨筋の筋活動の値が有意に高値であった.〔結語〕前脛骨筋の過剰な活動により,足関節捻挫既往肢での着地後の後足部回外は過大となっており,足関節の再捻挫を引き起こす可能性が高いと考えられる.