研究等業績 - その他 - 鄭　松伊

長期的な運動の習慣化が高齢者の膝痛に及ぼす影響

金 泰浩, 大須賀 洋祐, 鄭 松伊, 大久保 善郎, 田中 喜代次

高齢者ケアリング学研究会誌 ( 日本高齢者ケアリング学研究会 )  8 ( 1 ) 1 - 10   2017年10月

【目的】長期的な運動の習慣化が、慢性膝痛を有する高齢者の痛みの程度に及ぼす影響を明らかにする。【方法】運動教室に参加した者のうち、慢性膝痛を有する者21名とした。教室期間中(8週)と追跡期間中(1年)において痛みの変化を比較した。また、運動実践状況が良好であった(高アドヒアランス)群と不良であった(低アドヒアランス)群の膝痛の変化も比較した。【結果】膝痛は教室前に比べ、教室後と1年後に有意な改善がみられた。高アドヒアランス群では、痛みの変化は教室前に比べ、教室後と1年後に有意な改善がみられた。追跡期間における筋力運動の実践頻度は、教室期間中と比較して有意に減少した。ウォーキング実践頻度に有意な変化はみられなかった。【結論】教室終了後も継続して運動を実践すると、慢性膝痛を有する高齢者の痛みが緩和される可能性が示唆された。追跡期間では、ウォーキングは長期間継続されていた一方、筋力運動の実践頻度が低下していた。今後は、筋力運動を長期間継続できるような支援体制の整備が課題である。(著者抄録)

全身振動刺激を用いた運動プログラムが高齢者の身体機能および筋力に及ぼす効果

相羽 達弥, 大須賀 洋祐, 大久保 善郎, 鄭 松伊, 金 泰浩, 田中 喜代次

健康支援 ( 日本健康支援学会 )  19 ( 2 ) 137 - 146   2017年09月

全身運動(WBV)を主運動とする運動プログラムが高齢者の身体機能および筋力に及ぼす影響について、ウォーキングを主とした運動プログラムとの比較により検討した。対象は、2014年に筑波大学にて開催した運動教室に参加した65歳〜79歳の地域在住の高齢者50名とした。クラス分けされた単独参加者の3クラスのうち2クラスをそれぞれWBVトレーニングを主運動としたWBVトレーニング群(WBV群)18名、ウォーキングを主運動としたウォーキング群(W群)16名とした。また、高齢夫婦研究に参加できなかった応募者のうち、運動習慣が少なく、普段通りの生活を8週間維持することに同意した16名を対照群(C群)とした。その結果、教室前後の比較にて、WBV群のアップ&ゴー、30秒椅子立ち上がり、連続上腕屈伸、6分間歩行、W群のアップ&ゴー、30秒椅子立ち上がり、連続上腕屈伸、椅座位体前屈、6分間歩行、C群のアップ&ゴーに有意な改善がみられた。二元配置分散分析にて、30秒椅子立ち上がり、バックスクラッチ、握力に有意な交互作用がみられた。30秒椅子立ち上がりでは、WBV群とW群の改善がみられ、バックスクラッチではWBV群にて他の群より大きな改善がみられた。以上より、WBV群では、上肢機能、特に上肢柔軟性への特異的な効果を有し、他群に比べ、握力は維持効果を示した。一方、敏捷性・動的バランス、下肢筋機能、下肢柔軟性、持久性への効果についてはW群と同等であった。

地域在住高齢者における運動種目と膝痛の関連

金 泰浩, 大久保 善郎, 鄭 松伊, 大須賀 洋祐, 根本 みゆき, 金 美芝, 清野 諭, 藪下 典子, 田中 喜代次

健康支援 ( 日本健康支援学会 )  19 ( 2 ) 147 - 155   2017年09月

地域在住高齢者において、1年以上(平均10年)継続されている運動と膝痛との関連性について横断的に検討した。データ収集は2008年〜2013年に茨城県、千葉県、福島県、神奈川県で遂行された。対象参加者は各自治体の広報誌や募集チラシ、自治体職員による参加推奨などを通して、本人の意思で参加した65歳以上の住民1498名(男性474名、女性1024名)とした。その結果、423名が膝痛を有していた。膝痛の有るものはないものと比べて、女性の割合、年齢、BMI、服薬数、抑うつ傾向、高血圧と心疾患の既往歴が有意に高く、身長が有意に低かった。996名が1年以上継続して何らかの運動を実践しており、種目としては多い順に、ウォーキング、グラウンドゴルフ、筋力運動などとなった。共変量で調整した多変量モデルは有意な関連はみられなかった。短時間の筋力運動(1〜60分/週)、中時間の水中運動(61〜180分)においては、膝痛のオッズ比が非実践者と比較して高い傾向があった。性と年齢のみで調製したモデルでは、長時間のウォーキング(121〜279分/週)、リズム体操(≧71分/週)、ヨガ(≧71分/週)を実践している者は、膝保有のオッズ比がそれぞれ低い傾向があり、中時間の自転車(61分〜120分/週)を実践している者においては、高い傾向を認められた。

全身振動刺激を用いた運動プログラムが高齢者の体組成に及ぼす効果

相羽 達弥, 大須賀 洋祐, 大久保 善郎, 鄭 松伊, 金 泰浩, 田中 喜代次

介護福祉・健康づくり研究 ( 日本介護予防・健康づくり学会 )  ( 4 ) 1 - 12   2017年07月

運動教室に参加した65〜79歳の地域在住高齢者50名を対象とし、全身振動(WBV)トレーニングを主運動とした18名(WBV群)、ウォーキングを主運動とした16名(W群)、定期的な運動習慣がない16名(C群)に分けた。腰椎骨密度(BMD)は有意な群間差がみられ、WBV群はW群よりも有意に低値を示した。WBV群の全身BMD、上肢BMDは有意に増加した。WBV群の全身重量、全身除脂肪量、上肢除脂肪量、下肢除脂肪量は有意に増加し、W群とC群でも下肢除脂肪量は有意に増加した。W群の全身脂肪率、全身脂肪量、体幹脂肪量は有意な減少を示した。各変化率の比較では、BMI、全身重量、全身脂肪率、全身脂肪量、体幹脂肪量、上肢除脂肪量に有意な群間差がみられた。BMI、全身重量の変化率は、増加を示すWBV群と、減少を示すW群の間で有意差がみられた。上肢除脂肪量の変化率は、増加を示すWBV群と、減少を示すC群との間で有意差がみられた。体幹脂肪量の変化率では、増加したWBV群と減少したW群、増加したC群とW群の間でそれぞれ有意差がみられ、全身脂肪率、全身脂肪量の変化率ではW群が減少、C群が増加し、有意差がみられた。

高齢期における配偶者との運動教室参加が夫婦の関係満足度に及ぼす影響

大須賀 洋祐, 鄭 松伊, 金 泰浩, 大久保 善郎, 金 ウンビ, 田中 喜代次

体育学研究 ( (一社)日本体育学会 )  62 ( 1 ) 71 - 81   2017年06月

<b>Purpose</b>: The purpose of this study was to examine the influence of sharing exercise classes with spouses on marital relationship satisfaction in older adults.<br> <b>Methods</b>: Thirty-six older married couples and 39 older individuals participated in this study as couple and non-couple groups (CG and NCG, respectively). All participants attended an 8-week exercise class once a week and a home-based exercise program comprising walking and strength exercises. Marital relationship satisfaction was measured using questionnaires (quality marriage index (QMI) and satisfaction in marriage (SM)). We also assessed conversation time and frequency of self-disclosure and collective action with the spouse. Analysis of covariance adjusted for sex was conducted to compare the patterns of change in QMI and SM over the 8-week period between the 2 groups. Chi-squared test was also conducted to compare the proportion of participants who showed an increase in conversation time and frequency of self-disclosure and collective action with their spouse over the 8-week period between the 2 groups.<br> <b>Results</b>: The CG and NCG revealed no significant change in the QMI and SM after the intervention. Analysis of covariance showed that there were no significant interactions (time&times;groups) in QMI and SM (QMI: <i>P</i>=0.220, SM: <i>P</i>=0.110). The proportion of participants who showed an increased frequency of collective action related to hobby and exercise with their spouse was significantly higher in the CG than in the NCG (hobby: <i>P</i>=0.027, exercise: <i>P</i>=0.004), but there was no significant inter-group difference in the proportion of participants who showed an increase in conversation time and the frequency of self-disclosure.<br> <b>Conclusion</b>: These results suggest that sharing of exercise classes by older married couples can increase the degree of collective action in terms of exercise and hobby participation, but that its influence on marital relationship satisfaction, conversation and self-disclosure is limited. In order to re-examine the present findings, a better designed trial as well as an education program to learn communication skills for enjoyable exercise as a couple will be required.<br>

DOI

低アルブミン値がサルコペニア有病者の新規要介護発生リスクへ与える影響

今岡真和, 李相侖, 牧迫飛雄馬, 李成哲, 土井剛彦, 裴成琉, 鄭松伊, 堤本広大, 堀田亮, 島田裕之

日本老年医学会雑誌 ( (一社)日本老年医学会 )  54 ( Suppl. ) 152 - 152   2017年05月

J-GLOBAL

地域在住の非糖尿病高齢者を対象とした慢性腎臓病とフレイルとの関連

李成哲, 李相侖, 裴成琉, 牧迫飛雄馬, 中窪翔, 堤本広大, 原田健次, 鄭松伊, 今岡真和, 島田裕之

日本老年医学会雑誌 ( (一社)日本老年医学会 )  54 ( Suppl. ) 198 - 198   2017年05月

J-GLOBAL

地域在住高齢者における睡眠の重要性―MCIへの移行との関連―

中窪翔, 牧迫飛雄馬, 土井剛彦, 堤本広大, 堀田亮, 牧野圭太郎, 鄭松伊, 今岡真和, 島田裕之

日本老年医学会雑誌 ( (一社)日本老年医学会 )  54 ( Suppl. ) 138 - 138   2017年05月

J-GLOBAL

地域在住高齢者における身体活動量と抑うつ傾向との関連

鄭松伊, 李相侖, 李成哲, 裴成琉, 今岡真和, 原田和弘, 牧迫飛雄馬, 土井剛彦, 堤本広大, 島田裕之

日本老年医学会雑誌 ( (一社)日本老年医学会 )  54 ( Suppl. ) 135‐136 - 136   2017年05月

J-GLOBAL

地域在住高齢者の転倒恐怖感が新規要介護発生に及ぼす影響:転倒経験による比較

牧野圭太郎, 牧迫飛雄馬, 土井剛彦, 堤本広大, 堀田亮, 中窪翔, 鄭松伊, 今岡真和, 島田裕之

日本老年医学会雑誌 ( (一社)日本老年医学会 )  54 ( Suppl. ) 136‐137 - 137   2017年05月

DOI J-GLOBAL

大規模コホート研究による社会活動の非参加が新規要支援・要介護発生のリスクに及ぼす影響

李相侖, 李成哲, 裴成琉, 原田健次, 鄭松伊, 今岡真和, 牧迫飛雄馬, 土井剛彦, 堤本広大, 島田裕之

日本老年医学会雑誌 ( (一社)日本老年医学会 )  54 ( Suppl. ) 211 - 211   2017年05月

DOI J-GLOBAL

認知機能検査NCGG‐FATの予測妥当性

島田裕之, 牧迫飛雄馬, 李相侖, 土井剛彦, 李成哲, 堤本広大, 裴成琉, 堀田亮, 鄭松伊, 中窪翔

日本老年医学会雑誌 ( (一社)日本老年医学会 )  54 ( Suppl. ) 143 - 143   2017年05月

DOI J-GLOBAL

身体的フレイル高齢者における身体活動量と要介護の新規発生

牧迫飛雄馬, 島田裕之, 土井剛彦, 堤本広大, 堀田亮, 中窪翔, 牧野圭太郎, 裴成琉, 鄭松伊, 今岡真和

日本老年医学会雑誌 ( (一社)日本老年医学会 )  54 ( Suppl. ) 159 - 159   2017年05月

J-GLOBAL

身体的活動と社会的活動に着目した生活範囲の評価方法

土井剛彦, 牧迫飛雄馬, 堤本広大, 堀田亮, 中窪翔, はい成琉, 鄭松伊, 今岡真和, 鈴木隆雄, 島田裕之

日本老年医学会雑誌 ( (一社)日本老年医学会 )  54 ( Suppl. ) 174 - 174   2017年05月

J-GLOBAL

軽度認知機能低下がサルコペニア有病者の新規要介護発生リスクへ与える影響 24ヵ月間の前向き研究

今岡 真和, 李 相侖, 牧迫 飛雄馬, 李 成哲, 土井 剛彦, 堤本 広大, 中窪 翔, 牧野 圭太郎, 裴 成琉, 鄭 松伊, 島田 裕之

理学療法学 ( (公社)日本理学療法士協会 )  44 ( Suppl.2 ) O - YB   2017年04月

&lt;p&gt;【はじめに，目的】&lt;/p&gt;&lt;p&gt;&lt;/p&gt;&lt;p&gt;サルコペニアは加齢に伴う筋量や筋力の低下を特徴とする症候群であり，理学療法の重要な対象となる。一方，軽度認知機能低下は認知症発症のリスクだけでなく身体機能低下のリスクにもなるため，要介護発生のリスクを増加させる要因の一つと考えられる。しかし，サルコペニアと軽度認知機能低下が併存する高齢者の要介護発生リスクは未だ明らかではなく，そのような者では要介護発生リスクがさらに高いことが予想され，予防理学療法のより重要な適応となる可能性が極めて高い。そこで，地域在住高齢者を対象とした2年間の前方視的な調査を行い，サルコペニアおよび軽度認知機能低下と要介護発生状況との関連を調査した。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;&lt;/p&gt;&lt;p&gt;&lt;/p&gt;&lt;p&gt;【方法】&lt;/p&gt;&lt;p&gt;&lt;/p&gt;&lt;p&gt;対象は，National Center for Geriatrics and Gerontology-Study of Geriatric Syndromesの70歳以上の健診受診者5257名のうち，パーキンソン病，脳卒中，うつ病の既往歴がある者，要介護認定者，MMSE21点未満の者，測定項目に欠損がある者，ペースメーカー使用者，死亡または市外転居した者を除く3900名とした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;&lt;/p&gt;&lt;p&gt;ベースライン評価は骨格筋量，握力，歩行速度，Mini-Mental State Examination（以下：MMSE），Geriatric Depression Scale（以下：GDS），薬剤投与数，教育年数，アルコール摂取，喫煙，その他基本属性を調査した。サルコペニアはAsian Working Group for Sarcopeniaのアルゴリズムにより判定を行い，認知機能低下はMMSEが26点以下の者とした。ベースライン以降の24か月間における新規要支援・要介護発生の有無を調べた。統計解析は，ベースライン評価によって健常群，サルコペニア群，軽度認知機能低下群，サルコペニアと軽度認知機能低下の併存群の4群に分け，Log-rank検定およびCox比例ハザード回帰分析を行い，有意水準は5%未満とした。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;&lt;/p&gt;&lt;p&gt;&lt;/p&gt;&lt;p&gt;【結果】&lt;/p&gt;&lt;p&gt;&lt;/p&gt;&lt;p&gt;調査対象3900名のうち，健常群1788名，サルコペニア群120名，軽度認知機能低下群1853名，併存群139名であり，288名（7.4%）が2年間で要支援・要介護を新規に発生した。各群の新規要支援・要介護発生率は，健常群5.1%，サルコペニア群8.3%，軽度認知機能低下群8.6%，併存群18.7%であり，Log-rank検定の結果，併存群とその他3群に有意差があった（p＜0.05）。Cox比例ハザード回帰分析による健常群に対する要介護発生のハザード比は性，年齢，体重，GDS，喫煙，教育年数の調整モデルにおいて，サルコペニア群1.05（信頼区間：0.54-2.02），軽度認知機能低下群1.47（信頼区間：1.12-1.90），併存群1.97（信頼区間1.25-3.10）であり，軽度認知機能低下群と併存群は有意に新規要介護発生との関連が認められた。&lt;/p&gt;&lt;p&gt;&lt;/p&gt;&lt;p&gt;&lt;/p&gt;&lt;p&gt;【結論】&lt;/p&gt;&lt;p&gt;&lt;/p&gt;&lt;p&gt;健常高齢者と比較して，サルコペニアと軽度認知機能低下を併存する者は約2倍，軽度認知機能低下のみでは約1.5倍の要介護発生リスクであることが示唆された。そのため，サルコペニアの有無に加え，認知機能を評価することは新規要介護リスクを客観的に把握するために有用である。&lt;/p&gt;

J-GLOBAL

長期間の運動継続が高齢者の抑うつ(メンタルヘルス)尺度に及ぼす影響 運動教室終了後の郵送支援によるランダム化比較試験

鄭 松伊, 大須賀 洋祐, 大久保 善郎, 笹井 浩行, 田中 喜代次

若手研究者のための健康科学研究助成成果報告書 ( (公財)明治安田厚生事業団 )  32 ( 32 ) 35 - 40   2017年04月

茨城県の県南地区に居住する高齢者156名を対象に、1回90分の運動教室を12週間(全12回)開催し、終了後に郵送支援を1年間行った群(78名)と非支援群(78名)に分け、運動教室終了1年後の抑うつ度(GDSスコア)を比較検討した。郵送支援の内容は、手紙による激励・称賛・助言や運動新聞を活用した健康情報の提供を定期的に実施した。検討の結果、GDSスコアに有意な群間差は認められなかったが、運動教室前に抑うつ傾向を有していた者に限定して解析すると、郵送支援は抑うつ状態の長期的な改善に寄与した可能性が示唆された。

Development of lomgevity fitness age for successful aging in elderly

Jung E, Kim B, Kim K, Choi H, Park J, Tanaka K, Jung S, Nho H

Korean Journal of Sport Science   28 ( 1 ) 26 - 36   2017年  [査読有り]