研究等業績 - 原著論文 - 石山　大三

PIXE分析による天然流体包有物の流体の組成

石山大三，佐藤比奈子，水田敏夫，世良耕一郎

NMCC共同利用研究成果報文集   6, 89-94   1999年01月  [査読有り]

研究論文（学術雑誌）   国内共著

: Trace elements in quartz veinlets from the Hishikari gold mining area

Mizuta, T., Terui, T., Takahashi, M., Ishiyama, D. and Takada, J.

KKRRI Prog. Rep.     1999年01月  [査読有り]

研究論文（学術雑誌）   国内共著

プラズマイオン源質量分析法（ICP-MS法）による岩石試料および熱水試料の希土類元素分析

佐藤比奈子，石山大三，水田敏夫，石川洋平

秋田大学工学資源学部研究報告   20   1 - 8   1999年01月  [査読有り]

研究論文（学術雑誌）   国内共著

岩石および極低濃度の熱水試料について，ICP-MS法で±5％程度の誤差でRbより重い元素を多元素同時分析可能である事を示した論文である．岩石試料の場合は，試料の分解方法の最適化の結果，測定時の同重体元素の干渉による妨害の補正法，多種類の標準岩石の分析結果と公表値の比較に基づき本分析法の有効性を示した．低濃度である熱水試料については検出限界の検討と溶液の希釈法の最適化を検討し，極低濃度溶液の場合でも本手法がきわめて有効である事を示した．

秋田県五城目町馬場目黒鉱鉱床地域上小阿仁村萩形沢地域の火山層序と黒鉱鉱化作用の地球化学的研究．平成10年度鉱物資源探査技術開発調査報告，新探査・生産技術の開発調査（II）

石川洋平・水田敏夫・石山大三・福土琢磨・両角春寿

通商産業省，資源エネルギー庁   IV1-IV79   1999年01月  [査読有り]

研究論文（学術雑誌）   国内共著

Genesis of epithermal Au-Ag mineralization of the Koryu mine, Hokkaido, Japan

Shimizu, T., Matsueda, H., Ishiyama, D. and Matsubaya, O.

Economic Geology   93   303 - 325   1998年05月  [査読有り]

研究論文（学術雑誌）   国内共著

北海道光竜金鉱床の成因を地質調査に基づく鉱脈の切合い関係，鉱石および鉱物の肉眼と顕微鏡下の観察に基づく鉱物の晶出順序から時間的変遷に伴う鉱脈の形成機構を明らかにするとともに，石英の組織の観察と流体包有物の詳細な観察と分析から金を含む鉱石鉱物の沈殿には沸騰現象による高過飽和度溶液の存在が重要である事を示した．さらに，石英の安定同位体比の鉱化作用早期～末期にかけての変化から鉱床を形成した熱水の起源が天水起源であることを明らかにした．

岩手県宮古花崗岩体接触変成帯の上根市ドロマイトスカルンでのマグマ－炭酸塩岩の相互反応に伴う流体の特徴

石山大三，野見山邦宏，水田敏夫，松葉谷治,佐藤　大

資源地質   48   61 - 76   1998年03月  [査読有り]

研究論文（学術雑誌）   国内共著

岩手県宮古市の宮古花崗岩の接触変成帯にあるドロマイトが接触変成作用を被った時に共存した流体の特徴を鉱物共生，安定同位体組成，流体包有物のデータから明らかにした．鉱物共生に基づき推定された接触変成作用時の温度を方解石の化学組成に基づく地質温度計と比較し，詳細に検討された温度情報とドロマイトスカルンを構成する方解石や苦灰石の酸素・炭素同位体組成をもとに，接触変成作用の初期から後期にかけてCO2に富む流体から30 wt % 程度の高NaCl塩濃度のH2Oに富む流体に変化したことを示し，接触変成作用時に流体の挙動が重要である事を示した．

Geology, mineralogy, and formation environment of the disseminated gold-silver telluride Bulawan deposit, Negros Occidental, Philippines

Maglambayan, V. B., Ishiyama, D., Mizuta, T., Imai, A. and Ishikawa, Y.

Resource Geology   48   87 - 104   1998年01月  [査読有り]

研究論文（学術雑誌）   国内共著

フィリピン国ネグロス島ブラワンAu-Te鉱床の変質帯をプロピライト帯，カリ長石帯，絹雲母帯，炭酸塩鉱物帯に区分し，鉱化作用に関連した変質帯がカリ長石帯，絹雲母帯，炭酸塩鉱物帯である事を示した．種々の含Au-Te鉱物の共生関係や晶出順序の詳細な検討結果と流体包有物の均質化温度と塩濃度のデータをもとに温度や硫黄分圧，酸素分圧等の生成環境を推定した．それらのことに基づきTeを運搬した錯体がH2Te(aq)である事や鉱石の沈殿が塩濃度が高い初成熱水と低塩濃度熱水の混合で起こったことを推定した．

菱刈鉱床芳泉５脈および菱泉５脈における含金石英脈構造と生成環境

高橋美和，石山大三，水田敏夫

秋田大学工学資源学部素材資源システム研究施設報告   63   55 - 72   1998年01月  [査読有り]

研究論文（学術雑誌）   国内共著

菱刈金鉱床の含金石英脈について野外調査による産状，採取した鉱石の構造の観察，顕微鏡による構成鉱物の同定，鉱物の組織，ＥＰＭＡによる鉱物の化学組成に基づき，鉱化作用は３回にわたり起こったこと，含金鉱物の沈殿が急速成長を示す細粒石英の沈殿と同じに起こったこと，金鉱脈を形成した初期の熱水がAuとCdに富むことを明らかにし，特にCdは塩化物錯体の形態で運搬された事を推定した．また，石英脈中の微量成分濃度が鉱床探査の指標となりうる可能性を指摘した．

秋田県玉川温泉の温泉沈殿物の地球化学的特徴

石山大三，佐藤比奈子，水田敏夫，世良耕一郎

NMCC共同利用研究成果報文集   ( 5 ) 209 - 215   1998年01月  [査読有り]

研究論文（学術雑誌）   国内共著

天然でのラジウムの移動と固定機構を明らかにするための基礎研究として強酸性熱水が噴出する玉川温泉のラジウムを含む重晶石や温泉沈殿物，温泉水の地球化学的特徴を検討した．温泉水と温泉沈殿物の分析結果から，地下から熱水が直接噴出する大噴の熱水は，その他の温泉水に比べ，Cl, Na, K, Mg, Ca, Al, Feに富む．温泉沈殿物の元素濃度特に重金属元素濃度も大噴の沈殿物は，他の温泉の沈殿物より著しく高い．これらの事から，Raも含む玉川温泉の熱水での元素移動は地下の沸騰現象により支配されていることを示した．

Thermal effect by post-ore intrusive rocks to ore textures and fluid inclusions of the Uwamuki No. 4 orebody, Kosaka Kuroko deposits, Akita Prefecture, Japan

Maglambayan, V. B., Ishiyama, D., Mizuta, T. and Ishikawa, Y.

Jour. Mining Coll. Akita Univ., Ser. A   8 ( 2 ) 49 - 68   1998年01月  [査読有り]

研究論文（学術雑誌）   国内共著

秋田県北東部の小坂町にある小坂上向黒鉱鉱床において，鉱床形成直後に貫入してきた火成岩の熱による黒鉱鉱石組織への影響とそのときの地層中の間隙水の組成変化の特徴を明確にし，高温熱水と岩石の間での相互反応の機構を検討した．貫入岩の位置と黒鉱鉱床の鉱石の位置関係を考慮して採取した試料について，肉眼と顕微鏡で鉱石組織の観察を行い，貫入岩に接近するにつれ，再結晶組織の量比や形態の変化を明らかにし，NaClの固相を伴う流体包有物の分布が貫入岩近傍の岩石に限られる事から，貫入岩等による熱の影響で，初成の鉱石組織が容易に変化する事を明確に示した．

Geological and petrochemical significance of acidic rocks around the Yano-Shokozan pyrophyllite deposits, Shobara, Hiroshima Prefecture, Japan

Hida, T., Ishiyama, D., Mizuta, T. and Takada, J.

Jour. Mining Coll. Akita Univ., Ser. A   8 ( 2 ) 69 - 94   1998年01月  [査読有り]

研究論文（学術雑誌）   国内共著

広島県矢野勝光山パイロフィライト鉱床の地質構造を試錘データも含め，詳細に検討し，鉱床が白亜紀のカルデラ構造の縁辺部に形成されていることを指摘した．これに加え，鉱床及び鉱床周辺の岩石の帯磁率と蛍光Ｘ線による主成分と中性子放射化分析による化学組成の検討から，これまでの鉱床が還元的な火成活動に関連して形成されたとする考えに対して，鉱床が酸化型の火成活動に関連して形成されたことを明らかにした．そして，日本のパイロフィライト鉱床も中国や韓国のパイロフィライト鉱床と地質構造も火成活動にも共通点があることを述べた．

Geochemical characteristics of halogen-bearing hastingsite, scapolite and phlogopite from the Sangan iron skarn deposits, northeastern Iran

Boomeri, M., Mizuta, T., Nakashima, K., Ishiyama, D. and Ishikawa, Y.

Jour. Japan Assoc. Min. Petrol. Econ. Geol   92   481 - 501   1997年12月  [査読有り]

研究論文（学術雑誌）   国内共著

イラン国北東部のサンガン磁鉄鉱スカルン鉱床は，中生代の堆積岩類，始新世の火山岩類に後期始新世の花崗岩類が貫入して形成された鉱床である．花崗岩類やスカルン中の角閃石，雲母，柱石の化学組成を特に塩素とフッ素含有量に着目して分析し，これらの鉱物と平衡に存在していた流体のH2O/HF比が，400℃で4.6～5.5と推定される事，またその塩濃度が， 55 wt % NaCl相当塩濃度であることを推定した．そして，これらの高塩濃度流体は，花崗岩質マグマからもたらされ，鉱床を形成している重金属元素は塩化物錯体で運搬された事を示した．

Geochemical characteristics of altered basaltic andesite by sulfuric-acid rich solution from the Desmos caldera, Manus basin, Papua New Guinea

Gena, K., Mizuta, T., Ishiyama, D. and Urabe, T.

JAMSTEC Jour. Deep Sea Research   13   277 - 293   1997年01月  [査読有り]

研究論文（学術雑誌）   国内共著

南西太平洋パプアニューギニア国の現世熱水鉱床の酸性熱水活動に伴う変質岩の地球化学的特徴を明らかし，火成活動と熱水作用の関係を推定した．海底に噴出した新鮮な溶岩と酸性熱水変質作用を被った溶岩の産状の記載とこれらの岩石の鉱物組み合わせ，主成分と中性子放射化分析による微量成分の分析値を検討し，新鮮な岩石のデータを用い火性活動の構造場を推定し，新鮮な岩石と変質した岩石のデータの比較からは深海底での酸性熱水と岩石の反応機構を考察した．

PIXE法による流体包有物の化学分析

石山大三・佐藤比奈子・水田敏夫・世良耕一郎・二ッ川章二

NMCC共同利用研究成果報文集   4   156 - 162   1997年01月  [査読有り]

研究論文（学術雑誌）   国内共著

広島県勝光山パイロフィライト鉱床の生成機構ー火山層序と熱水変質作用ー

石山大三・水田敏夫・佐藤比奈子・二ッ川章二・世良耕一郎

粘土科学   36   62 - 72   1996年09月  [査読有り]

研究論文（学術雑誌）   国内共著

白亜紀に形成された広島県矢野勝光山パイロフィライト鉱床の地質は，強い熱水変質作用のために鉱床とその周辺の地質の層序学的関係が明瞭ではなかった．本論文で詳細な地質調査と顕微鏡等による観察に基づき，鉱床周辺の石英安山岩質～流紋岩質凝灰岩が三層準に区分され，鉱化作用が特に強いのは中部の層準である事を明らかにした．さらに，中部層準の中でも鉱床がニ層準に存在し，これまで鉱化ポテンシャルが低いと思われていた地域に鉱化作用の可能性を指摘し，実際に探鉱ボーリングにより鉱床の存在を示した．

PIXE ontrial for mineral exploration and beneficiation in Japan.

Murao, S., Ohoka, T., Shima, K., Ishii, S., Oshima, H.,Sera, K., Nakajima, T., and Ishiyama, D.

Proceedings of 5th Asia/Pacific Mining Conference and Exhibition, Jakarta   VI g1-VI g21   1996年01月  [査読有り]

研究論文（学術雑誌）   国内共著

PIXE 分析装置が地質学分野でも有効であることを示した．

PIXE法による石英中の流体包有物の化学分析の研究

石山大三，水田敏夫，佐藤比奈子，二ッ川章二，世良耕一郎

NMCC（仁科記念サイクロトロンセンター）共同利用研究成果報文集   ( 3 ) 139 - 143   1996年01月  [査読有り]

研究論文（学術雑誌）   国内共著

従来の原子吸光法やイオンクロマトグラフ法では，流体包有物から抽出した極微少量の溶液の中の陽イオンと陰イオンを測定することはできなかった．本研究では，流体包有物から抽出した極微少量の溶液の中の陽イオンと陰イオンの分析をＰＩＸＥ法により行い，流体包有物の化学分析が可能であることを示した．論文の中には流体包有物から流体を抽出する際の抽出装置，抽出法，測定法，測定結果の応用例を，本手法の有効性とともに具体的にまとめている．

Characteristic Features of Chemical Composition of Bentonite　from the Tsukinuno Bentonite Deposit, Yamagata Prefecture

Mizuta, T., Ishiyama, D., Ohguchi, T., Takada, J. and Kawamoto, K.

Kyoto Univ. Research Reactor Inst. Prog. Rep. 1994     118   1995年01月  [査読有り]

研究論文（学術雑誌）   国内共著

山形県月布ベントナイト鉱床のベントナイト層と同層の起源となったパーライト質流紋岩の関連性について化学組成から検討した．

岩手県宮古花崗岩体周縁部に分布するドロマイト質石灰岩の接触変成作用

野見山邦洋・石山大三・水田敏夫

秋田大鉱山学部資源地学研究施設報告   58   1 - 16   1993年01月  [査読有り]

研究論文（学術雑誌）   国内共著

岩手県宮古市の東方にある宮古花崗岩の接触変成帯中にあるドロマイトの接触変成作用を記載し，その形成環境を考察した．野外調査を行い，詳細な岩相分布図を作成するとともに，試料採取を行なった．その試料について顕微鏡観察，X線回折実験，EPMAによる鉱物同定結果に基づき，鉱物組合せを整理し，熱力学データを考慮して低温から高温までの変成相を解析した．さらにこれらに基づき，宮古花崗岩貫入時の接触変成作用の反応温度，反応時の流体中のCO2/H2OやNaCl濃度等流体の特徴を推定した．

Kinetic aspects of formation of Japanese bentonite deposits.

Ishiyama, D., Matsubaya, O. and Ito, M.

Proceedings of 7th Water-rock Interaction     1507 - 1510   1992年06月  [査読有り]

研究論文（学術雑誌）   国内共著

日本のベントナイト鉱床を記載し，特に放射性廃棄物の地下水等反応を防止するベントナイトの安定性を地質学的・鉱物学的データをもとに反応速度論的を考慮したナチュラルアナログ見地から検討した．安定同位体のデータから，ベントナイト鉱床が50℃程度で形成され，その後冷却し，約10万年間安定に存在したこと，放射性廃棄物の地下水等反応を防止する物質として十分な性能を数万年間は保持することを示した．