研究等業績 - 原著論文 - 山本 竜平
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Numakura K.
European Urology Focus ( European Urology Focus ) 8 ( 6 ) 1666 - 1672 2022年11月
研究論文(学術雑誌)
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Narita S.
World Journal of Urology ( World Journal of Urology ) 40 ( 5 ) 1135 - 1141 2022年05月
研究論文(学術雑誌)
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Specific Gut Microbial Environment in Lard Diet-Induced Prostate Cancer Development and Progression
Sato H.
International Journal of Molecular Sciences ( International Journal of Molecular Sciences ) 23 ( 4 ) 2022年02月
研究論文(学術雑誌)
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生体腎移植におけるBKポリオーマウィルス関連腎症発症の危険因子の検証
提箸 隆一郎, 齋藤 満, 浦山 健, 青山 有, 山本 竜平, 藤山 信弘, 羽渕 友則
移植 ( 一般社団法人 日本移植学会 ) 57 ( Supplement ) s363_1 - s363_1 2022年
研究論文(学術雑誌)
<p>【緒言】BKポリオ―マウイルス関連腎症(BKPyVAN)は腎移植患者の約10%に発症し、その約半数が短期間で移植腎廃絶に至る。BKPyVANに対し効率の良いスクリーニングを行うためには、そのハイリスク群を抽出するためのバイオマーカーの発見が必要である。</p><p>【対象と方法】2004年7月から2019年12月末に当院で生体腎移植を受けたレシピエントとそのドナーの247組を対象とし、BKPyVAN発症の危険因子を後方視的に検討した。また、先行研究の追試を行うべく、保存血清を用いてレシピエントとドナーの移植前抗BKPyV抗体価をELISA法で測定し、BKPyVAN発症との関連を検討した。</p><p>【結果】8組(3.2%)でBKPyVAN発症を認め、BKPyVAN群のdeath-censored graft survivalは非発症群と比べ有意に低かった(p=0.024)。背景因子等についての検討では、レシピエントとドナーの移植時年齢や性別、免疫学的リスク、ステロイドパルス療法の有無によるBKPyVAN発症への影響を認めなかった。抗体価に関する検討では、ドナーの抗体が陰性であった場合、ドナーとレシピエントのいずれかの抗体が強陽性であった場合はBKPyVANの発症を認めず、移植前抗体価とBKPyVAN発症に一定の傾向があることが示唆された。</p><p>【結語】ドナー・レシピエントの移植前抗BKPyV抗体価により、BKPyVANの発症リスクを予想することができる可能性がある。現在、他施設からも患者血清や臨床情報の供与をうけ、抗体価測定と解析を継続中である。</p>
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秋田大学における腎移植後貧血に対するHIF-PH阻害薬の初期使用経験
山本 竜平, 齋藤 満, 青山 有, 藤山 信弘, 提箸 隆一郎, 小林 瑞貴, 嘉島 相輝, 奈良 健平, 沼倉 一幸, 成田 伸太郎, 羽渕 友則
移植 ( 一般社団法人 日本移植学会 ) 57 ( Supplement ) s233_2 - s233_2 2022年
研究論文(学術雑誌)
<p>【目的】腎移植後貧血(PTA)に対する治療は長年エリスロポエチン製剤 (ESA)が主体であったが、ESA抵抗性貧血を呈する症例も存在する。近年、ESA抵抗性PTAに対するHypoxia Inducible Factor-Prolyl Hydroxylase (HIF-PH)阻害薬の有効性が報告されている。当院ではHIF-PH阻害薬の適応をESA高用量でも貧血が改善しない症例、および受診間隔延長によりESAの効果が乏しい症例としている。今回、当院でHIF-PH阻害薬を使用した20例について検討をおこなった。</p><p>【対象と方法】腎移植後に当院でHIF-PH阻害薬投与歴のある20例を対象とし、HIF-PH阻害薬投与投与開始後前の背景や投与開始後の臨床因子を後方視的に検討した。</p><p>【結果】年齢平均値50歳、男性8例、女性12例、移植後平均年数は6.9年、19例がESAからの切り替えであった。開始後1、3、6ヶ月時点で投与継続中の症例はそれぞれ18、10、6例であり、有害事象で投与中止となった症例は2例でいずれも消化器症状であった。また1例は悪性腫瘍の発症により中止となった。HIF-PH阻害薬開始前の平均ヘモグロビン(Hb)値9.4 g/dL、平均血清Fe値96μg/dL、平均TSAT38.6%、平均フェリチン値203ng/ml であった。1、3、6ヶ月継続症例の平均Hbはそれぞれ9.6、10.6、10.8 g/dLであり、3、6ヶ月継続時点で有意な増加を認めた(p<0.05)。平均血清鉄値に有意な変化はみられなかったが、TSATは1、3、6ヶ月継続群すべてで上昇を認め、フェリチン値は3、6ヶ月継続群で減少傾向であった。</p><p>【結語】ESA抵抗性PTA症例において、HIF-PH阻害薬の導入により鉄利用能改善さらには貧血の改善が期待できる。</p>
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秋田大学医学部附属病院における生体腎移植希望者が腎移植に至らなかった理由の検討
瀬田川 美香, 齋藤 満, 藤山 信弘, 山本 竜平, 羽渕 友則, 伊藤 歩, 相庭 結花, 桂田 歩, 夏井 遼
移植 ( 一般社団法人 日本移植学会 ) 57 ( Supplement ) s277_1 - s277_1 2022年
研究論文(学術雑誌)
<p>【はじめに】秋田大学医学部附属病院泌尿器科で、1998年~2021年10月までで生体腎移植を希望して術前検査を開始したドナー・レシピエントのペアは計555組であった。今回、当院での生体腎移植希望者が腎移植に至らなかった理由および詳細を明らかにすることを目的に本調査を行った。</p><p>【方法】当院での生体腎移植希望者の中で、移植に至らなかった腎移植ドナー・レシピエント148組の外来カルテから腎移植に至らなかった理由を抽出し、それぞれカテゴリ化して分析した。</p><p>【結果】腎移植に至らなかった理由としてドナー要因が82件(55.8%)、レシピエント要因が53件(36.1%)とドナー要因の方が多かった。ドナー要因としては「採血・採尿検査結果」、レシピエント要因としては「全身状態不良」「抗体陽性で拒絶リスクが高い」が最多であった。腎移植に至らなかったペアにおけるドナー候補とレシピエント候補との関係性によって腎移植不施行の理由は異なっていた。【考察】腎移植に至らなかった理由はペアの属性により腎移植不施行の理由により異なるため、対象に合わせた検査の順番が必要になる可能性がある。また、腎提供の意思がないドナー候補がいた場合に外来で対応できる体制構築が必要と考える。</p><p>【結論】当院での生体腎移植希望者のうち腎移植に至らなかった理由として、ドナー要因の方がレシピエント要因よりも多かった。各ペアの特徴にあわせた検査順序の検討が必要かもしれない。</p>
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Sasagawa H.
Hinyokika kiyo. Acta urologica Japonica ( Hinyokika kiyo. Acta urologica Japonica ) 67 ( 12 ) 525 - 528 2021年12月
研究論文(学術雑誌)
A 46-year-old woman was referred to our hospital with a left-sided renal tumor pointed out by ultrasonography at the time of a medical checkup.Computed tomography revealed a mass measuring 88×77×68 mm on the upper pole of the left kidney. She was diagnosed with cT2aN0M0 clear cell renal cell carcinoma. Laparoscopic left nephrectomy was performed uneventfully. Histopathological diagnosis was clear cell renal cell carcinoma, G2, v1, pT2. Four months after surgery, lung metastases appeared, and systemic therapy was given sequentially as follows ; sunitinib for 2 months, nivolumab for 8 months, axitinib for 17 months, and pazopanib for 2 months.However, metastases progressed, and a re-administration of nivolumab was planned. The nivolumab re-treatment resulted in a marked reduction in multiple lung metastases despite the previous failure by nivolumab treatment. There are few reports on the therapeutic effect of re-administration of nivolumab. We report a case of successful treatment by re-administration of nivolumab.
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ロボット支援腎部分切除術における腎実質縫合の有無による術後腎実質体積のCT volumetryを用いた比較検討
提箸 隆一郎, 井上 高光, 中島 志織, 嘉島 相輝, 山本 竜平, 小泉 淳, 奈良 健平, 神田 壮平, 沼倉 一幸, 齋藤 満, 成田 伸太郎, 佐藤 滋, 羽渕 友則
Japanese Journal of Endourology ( 日本泌尿器内視鏡学会 ) 34 ( 1 ) 130 - 135 2021年
研究論文(学術雑誌)
<p>【目的】ロボット支援腎部分切除術 (RAPN) における腎実質縫合の追加が術後の腎実質体積を減少させるかを画像解析ソフトにより検討した. また腎機能, 合併症への影響も検討した.</p><p>【対象と方法】2013年11月から2018年11月までに当科でRAPNを行ったT1a症例69例のうち, 腎実質縫合を施行した26例 (実質縫合群) と省略した43例 (非縫合群) を後方視的に比較した. Synapse Vincent ver. 4を用いて, 術前と術後6カ月の造影CTから腎実質減少体積を推定した.</p><p>【結果】2群間の患者背景や手術成績に有意差はなかった. 腎実質体積の減少量やeGFRの低下率, 合併症の発生率に有意差を認めなかった.</p><p>【結語】RAPNにおける腎実質縫合の追加は腎実質体積や腎機能, 合併症の発生に影響しなかった.</p>
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上部尿路上皮癌に対するロボット支援腹腔鏡下腎尿管全摘除術の経験
齋藤 満, 成田 伸太郎, 沼倉 一幸, 嘉島 相輝, 山本 竜平, 小泉 淳, 奈良 健平, 羽渕 友則
Japanese Journal of Endourology ( 日本泌尿器内視鏡学会 ) 34 ( 2 ) 318 - 322 2021年
研究論文(学術雑誌)
<p> 今回我々はロボット支援腹腔鏡下腎尿管全摘除術 (RNU) の初期経験を得た.</p><p> 対象は2019年7月から2020年7月にda Vinci Si (4例) またはXi (2例) サージカルシステムでRNUを受けた6症例. 全例男性で患側は左4例, 右2例, cT3の3例を含む4例で術前化学療法を施行した. 完全側臥位, 軽度ジャックナイフ体位, 6または7ポート, 経腹膜アプローチで手術を施行した. 術中, 体位変換やペイシェントカートの移動は行わなかった.</p><p> 手術時間の中央値は308分, 推定出血量の中央値は63 mLで輸血や開腹手術移行は無かった. pT3の左尿管癌症例1例で摘出標本断端が陽性であった. 周術期合併症はClavien-dindo分類でGrade Ⅱの乳糜腹水, 下痢を1例ずつ認めた.</p><p> RNUは手術手技の標準化とより多くの症例を対象とした長期追跡調査が必要であるが, UTUC症例に対する新たな治療選択肢となり得る.</p>
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Seminal Vesicle Cystadenoma with Concurrent Prostate Cancer : A Case Report
石田 雅宣, 井上 高光, 小泉 淳, 山本 竜平, 奈良 健平, 神田 壮平, 沼倉 一幸, 齋藤 満, 成田 伸太郎, 佐藤 滋, 羽渕 友則
泌尿器科紀要 ( 泌尿器科紀要刊行会 ) 66 ( 10 ) 351 - 355 2020年10月
研究論文(学術雑誌)
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齋藤 拓郎, 齋藤 満, 山本 竜平, 提箸 隆一郎, 嘉島 相輝, 小泉 淳, 奈良 健平, 沼倉 一幸, 成田 伸太郎, 佐藤 滋, 羽渕 友則
移植 ( 一般社団法人 日本移植学会 ) 55 ( Supplement ) 357_2 - 357_2 2020年
研究論文(学術雑誌)
<p>【目的】移植腎間質線維化/尿細管萎縮(IF/TA)は移植腎廃絶の大きな要因である。当院では2013年10月から、エベロリムス(EVR)を移植2週後からadd onしTac及びMMFを減量するプロトコルを採用。移植成績やIF/TAについて従来プロトコルと比較・検討した。【対象と方法】対象は2011年1月から2017年12月までに当院で腎移植を施行した104例。画像解析装置(WinROOF2015)を用いて移植腎皮質線維化の間質占有率(IFR)を測定し、0hr生検標本でのIFRを基準として移植1年時点でのその増生率を算出。両群間で移植成績を比較・検討し、移植腎間質線維増生の危険因子について解析。【結果】移植1年時点での拒絶発症率、移植腎機能、生着率は両群で差を認めなかったが、EVR群ではウイルス感染が有意に高かった(p=0.001)。IFR増生率はリツキシマブ非投与群(p=0.037)、CYP3A5 non-expresser群(p=0.027)、ウイルス感染あり群(p=0.019)、EVR非投与群(p < 0.001)で有意に高く、多変量解析ではEVR非投与群(p< 0.001)はIFR増生率の独立した危険因子であった。【結論】EVR併用プロトコルは従来プロトコルよりIFR増生率が有意に少なく、EVRは移植腎間質の線維増生を抑制する可能性がある。</p>
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夫婦間生体腎移植後、生活背景の変化した患者への心理的支援の検討
相庭 結花, 伊藤 歩, 瀬田川 美香, 立原 恵里子, 山本 竜平, 藤山 信弘, 羽渕 友則, 佐藤 滋
移植 ( 一般社団法人 日本移植学会 ) 55 ( Supplement ) 375_2 - 375_2 2020年
研究論文(学術雑誌)
<p>【目的】今回我々は、移植後の生活背景の変化・夫婦間の関係性のこじれから怠薬という行動に陥った症例に遭遇した。レシピエント、ドナーの悩みや不安などに早期介入ができていれば怠薬を防ぎ腎機能の悪化を防ぐことができたのではないかと考え、今後の心理的支援のあり方を再検討することを目的とした。【症例】レシピエントA氏、男性。糖尿病性腎症。夫婦間生体腎移植を行った。移植後、糖尿病性網膜症による視力低下、膝関節症進行からのADL低下のため離職を余儀なくされた。その後は内服管理や食事、病院の送迎など日常生活の大部分を妻の支援を受けながら生活を送っていたが、妻との口論をきっかけに自暴自棄になり怠薬に至り急性拒絶反応を発症し緊急入院となった。【考察】A氏は仕事の継続や子が若いことを理由に腎移植を希望したが、離職を契機に生活背景の変化後、思い描いていた姿と現状が乖離し精神的な苦痛を認めていた。それが健康行動へ影響を与えた可能性があった。そこで、生活背景が変化しても移植腎が長期生着できるための支援が必要であると思われた。臨床倫理の4分割表で具体的な支援を検討したところ、家族やキーパーソンへの退院指導や外来指導、非来院時の安否確認、多職種と協働した指導や相談支援、ADL維持向上支援を行っていくことが重要であると考えた。以上を踏まえ、今後さらなる支援体制の整備、再構築し、患者のサポートを強化していく方針である。</p>
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抗血液型抗体価のリバウンド現象と急性抗体関連型拒絶反応との関連性
山本 竜平, 齋藤 満, 齋藤 拓郎, 提箸 隆一郎, 嘉島 相喜, 小泉 淳, 奈良 健平, 沼倉 一幸, 成田 伸太郎, 佐藤 滋, 羽渕 友則
移植 ( 一般社団法人 日本移植学会 ) 55 ( Supplement ) 309_1 - 309_1 2020年
研究論文(学術雑誌)
<p>【背景】Rituximab時代でのABO血液型不適合腎移植(ABOI-KT)における抗血液型抗体価のリバウンド現象の臨床的意義は明らかとされていない。【対象・方法】2005年11月から2019年3月までに当院でRituximab投与後にABOI-KTを施行した70例を対象とした。術直前の目標抗体価をIgG/IgMとも32倍以下に設定し、抗体除去療法は1~4回施行した。抗体除去療法後に抗体価がbaselineまで再上昇した場合、リバウンド現象有りと定義した。【結果】リバウンド現象は20例(29%;リバウンド群)で認められ、また移植後1ヶ月以内のABMR発症例は10例(14%)であった。リバウンド現象はbaseline抗体価64倍以上例(p = 0.001)と抗A抗体例(p = 0.016)で有意に発生頻度が高かった。Baselineや移植直前の抗体価とABMRとの関連性は認められなかったが、リバウンド群では7例(35%)にABMRがみられ、非リバウンド群(50例)と比較して有意にその頻度が高く(p = 0.004)、多変量解析ではリバウンド現象がABMRの独立した危険因子であった(p= 0.003)。【結語】リバウンド現象はABMR発症の危険因子であり、ABOI-KTでは目標抗体価の達成の可否のみならず、リバウンド現象の有無にも注目すべきと考える。</p>
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秋田大学における65歳以上のレシピエントに対する腎移植の治療成績について
提箸 隆一郎, 齋藤 満, 齋藤 拓郎, 嘉島 相輝, 山本 竜平, 小泉 淳, 奈良 健平, 沼倉 一幸, 成田 伸太郎, 藤山 信弘, 佐藤 滋
移植 ( 一般社団法人 日本移植学会 ) 55 ( Supplement ) 362_1 - 362_1 2020年
研究論文(学術雑誌)
<p>【緒言】高齢者では免疫応答が低下するため過剰免疫抑制に注意が必要とされる。【方法】2009年11月から2019年4月に当院で腎移植を受けたレシピエントを、移植時年齢55歳未満(若年群:97例)、55歳以上65歳未満(中年群:54例)、65歳以上(高齢群:27例)に分け、薬物動態を比較し臨床結果を後方視的に検討した。免疫抑制法はTAC、MMF、PSL、Bxで導入し2013年10月以降は移植2週後からEVRを追加した。免疫学的ハイリスク症例ではリツキシマブ投与や抗体除去を行った。高齢を理由に免疫抑制プロトコルの変更は行わなかった。【結果】夫婦間移植の割合は若年群で有意に低かった。各群間でリツキシマブ使用例や拒絶治療例の割合、移植後1年までの各免疫抑制薬の薬物動態、移植後5年までのeGFRに有意差を認めなかった。観察期間中に感染症で入院を要した症例は各群で26%、18%、14%発癌は2%、8%、11%に認められ、いずれも有意差はなかった。移植後5年正着率はそれぞれ95%、82%、87%であったがdeath censoredでは95%、96%、100%であった。【結語】65歳以上の腎移植レシピエントでは薬物動態が若年者と同等にもかかわらず、免疫抑制療法に伴う有害事象や拒絶反応の発症率が若年者と同程度であり、免疫抑制薬の過度な減量には注意が必要である。</p>
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秋田大学医学部附属病院における腎移植後患者の社会復帰支援ー社会福祉士(MSW)をはじめとする多職種との連携
瀬田川 美香, 伊藤 歩, 相庭 結花, 金子 幸太, 河本 萌, 秋山 みどり, 佐藤 滋, 齋藤 満, 沼倉 一幸, 山本 竜平, 藤山 信弘
移植 ( 一般社団法人 日本移植学会 ) 55 ( Supplement ) 333_1 - 333_1 2020年
研究論文(学術雑誌)
<p>腎移植後患者は、透析や制限の多い治療から解放されることより、他の腎代替療法である血液透析・腹膜透析を選択した患者よりも社会復帰率が高いと言われている。当院では、2018年1月から2018年12月に当院で生体腎移植を受けて1年後もフォローされていた患者18名(うち1名は学生)のうち、16名が移植前から就労しており、15名が復職および再就職、復学している。しかし、中には移植前より透析による時間的制限で就労が困難だった患者、入院のため職を失った患者、移植後に社会復帰をしても職場の理解が得られずに退職した患者などがいる。腎移植後に社会復帰をしやすくするために①移植前や退院前に仕事や就学状況について情報収集を行い、主治医とも相談しながら病状に応じたアセスメントを行うこと②社会復帰後に関わる方に、腎移植後の外来通院間隔や治療、仕事や学業において注意すべき点などについて理解してもらうこと③一度社会復帰した後に、何か問題が生じて本人が援助を希望した場合にも相談の上で介入していくことが必要と考える。また、社会復帰支援はレシピエント移植コーディネーターのみでは行うことができず、他職種との協力が必要なケースも多い。今回、当院の腎移植後患者のうち、本人・家族より社会復帰について相談があり、MSWと連携して支援を行った事例を用いながら考察し、報告する。</p>
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齋藤 満, 藤山 信弘, 提箸 隆一郎, 齋藤 拓郎, 嘉島 相輝, 山本 竜平, 奈良 健平, 沼倉 一幸, 成田 伸太郎, 佐藤 滋, 羽渕 友則
移植 ( 一般社団法人 日本移植学会 ) 55 ( Supplement ) 255_2 - 255_2 2020年
研究論文(学術雑誌)
<p>生体腎移植は待機手術として行われる。設定された手術日にピークを合わせて様々なリスクを低減化し、考え得る最善の状態で手術に臨むことが基本である。しかし、先行的腎移植(PEKT)では移植までの期間が短いためリスク評価や必要に応じた治療が不十分となる恐れがある。特に貧血は短期間での治療が困難であり周術期に輸血を施行せざるを得ない症例も多い。実際、当科の症例を見てみると2004年7月から2015年12月までの期間でPEKT群(33例)では非PEKT群(171例)と比較して当科初診時のHbが有意に低値であった。ほぼ同時期の生体腎移植症例163例の検討では102例(62.6%)で濃厚赤血球製剤が輸血されていた。背景因子の比較では、輸血施行群で非施行群と比較して有意に女性が多く(p=0.03)、腎移植前日のHb値が低値(p<0.001)であった。幸い、免疫学的ハイリスク症例を除くと両群間でde novo DSA産生やABMRの頻度に有意差は見られなかったものの、輸血は行わないに越したことはなく、術前Hb値がより高値であれば輸血を要しなかった症例も多いと思われた。周術期の輸血回避のため、腎移植、特にPEKT施行時には術前にエリスロポエチン製剤や鉄剤などを充分に投与しHb値を上昇させておく必要がある。</p>
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齋藤 拓郎, 齋藤 満, 山本 竜平, 提箸 隆一郎, 嘉島 相輝, 小泉 淳, 奈良 健平, 沼倉 一幸, 成田 伸太郎, 佐藤 滋, 羽渕 友則
移植 ( 一般社団法人 日本移植学会 ) 55 ( Supplement ) 388_1 - 388_1 2020年
研究論文(学術雑誌)
<p>症例は56歳、女性。妊娠中毒症を契機として腎機能が低下し、41歳時に血液透析導入。夫婦間生体腎移植を希望し当科受診。DSA陽性でnMFI値が高く術前にRituximab 200 mg/bodyを1回投与、新鮮凍結血漿を用いた血漿交換を4回施行した。2019年7月にABO血液型適合生体腎移植術を施行。移植後は軽度の脳梗塞を発症するも後遺症無く回復。全身状態、移植腎機能とも良好で明らかな拒絶反応を認めず、当初の予定通り退院した。腎移植後8カ月が経過した2020年3月初旬から微熱が持続し、その後38度台の発熱となり近医受診。発熱以外の自覚症状は無く細菌尿を認めたため尿路感染症として抗生物質投与で解熱するも投薬終了後に再び発熱したため当科受診。細菌尿及びCMVアンチゲネミアの陽性化を認め抗生物質及びVGCV投与を開始。速やかに解熱するも抗生物質投与が終了すると再び発熱。全身CTで右肺に境界明瞭な類円形の腫瘤像を2つ認め、精査加療目的に当科入院。呼吸器内科にコンサルトするもあらゆるマーカーが陰性。気管支鏡検査でBALを行うも確定診断に至らず退院。抗生物質投与期間中のみ解熱が得られていた。フォローの胸部レントゲン写真で右肺腫瘤陰影の増大を認め再度気管支鏡検査でBALを行い、最終的に肺アスペルギルス症の診断を得た。</p>
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ステロイド投与により陰茎切断を回避できた陰茎壊疽性膿皮症の1例
髙橋 修平, 沼倉 一幸, 久保 恭平, 松田 芳教, 山本 竜平, 本間 直子, 奈良 健平, 神田 壮平, 齋藤 満, 成田 伸太郎, 井上 高光, 佐藤 滋, 羽渕 友則
泌尿器科紀要 ( 泌尿器科紀要刊行会 ) 65 ( 6 ) 219 - 222 2019年06月
研究論文(学術雑誌)
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巨大腎血管筋脂肪腫自然破裂を契機に発見された結節性硬化症の1例
小林 瑞貴, 齋藤 満, 秋濱 晋, 熊澤 光明, 五十嵐 龍馬, 山本 竜平, 高山 孝一朗, 鶴田 大, 井上 高光, 成田 伸太郎, 土谷 順彦, 佐藤 滋, 羽渕 友則
泌尿器科紀要 ( 泌尿器科紀要刊行会 ) 63 ( 3 ) 111 - 114 2017年03月
研究論文(学術雑誌)
A woman in her 30s was admitted with abdominal pain and nausea. CT scan revealed a spontaneous rupture of the right giant renal angiomyolipoma, and trans-arterial embolization was performed successfully. With further examination, she was found to be affected with tuberous sclerosis complex (TSC) and she finally wastreated with everolimusfor prevention of recurrent spontaneous-rupture of renal angiomyolipoma.