研究等業績 - 原著論文 - 原田 勇希
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観察・実験グループに対する心理的安全性の尺度開発 ―マルチレベルモデルを用いて―
亀山 晃和,原田 勇希
理科教育学研究 ( 日本理科教育学会 ) 65 ( 3 ) 2025年03月 [査読有り]
研究論文(学術雑誌) 国内共著
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Harada, Y., Hino, S.
Mind, Brain, and Education ( Mind, Brain, and Education ) 18 ( 4 ) 417 - 426 2024年11月 [査読有り]
研究論文(学術雑誌) 国内共著
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批判的思考態度と理科学習に投入するエフォートの予測的因果性の検討 ―交差遅延効果モデルによる分析―
須藤 よしの,原田 勇希
理科教育学研究 ( 日本理科教育学会 ) 65 ( 1 ) 147 - 161 2024年03月 [査読有り]
研究論文(学術雑誌) 国内共著
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小学校第 4 学年児童を対象としたプログラミング的思考の萌芽としての情意的領域に焦点化した実践的研究
田口 瑞穂,原田 勇希,山下 清次
科学教育研究 47 ( 3 ) 242 - 254 2023年10月 [査読有り]
研究論文(学術雑誌) 単著
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Yuejiang Hou, Yuki Harada, Masayoshi Ota, Hiromichi Kato
Japanese Psychological Research ( Japanese Psychological Association ) (in press, Advance Publication) 2023年09月 [査読有り]
研究論文(学術雑誌) 国内共著
Abstract
This study aimed to develop and validate a scale called the Futoko Spectrum Quotient (FSQ), which measures school absenteeism (futoko), as a method to achieve the early identification of at‐risk students. We recruited 673 students and 119 futoko students from secondary schools and educational support centers. The results showed that the bifactor model had better fit, proposing a general (G) factor representing avoidance motivation and an orthogonal specific (S) factor representing psychological distress. We then examined the measurement invariance and continuity of the latent bifactor construct of the FSQ, correlations of the FSQ with external variables, and measurement reliability to validate the FSQ. Our findings highlight the need to focus on students’ mental state prior to the emergence of absence behaviors and the significance of the present scale in theory and practice. -
理科の学習指導要領に基づいた「対話的な学び」に関する近年の研究の傾向と研究成果―ナラティブレビューとメタ分析を通して―
亀山 晃和,原田 勇希,草場 実
理科教育学研究 ( 日本理科教育学会 ) 46 ( 1 ) 27 - 50 2023年07月 [査読有り]
研究論文(学術雑誌) 国内共著
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観察・実験場面の「対話的な学び」への参加行動と心理的安全性との関係 ―潜在クラスモデルを用いた行動傾向の類型化に基づいた分析―
亀山 晃和,原田 勇希,齋藤 惠介
理科教育学研究 2023年03月 [査読有り]
研究論文(学術雑誌) 国内共著
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心理ゲーム多発学級における授業中のコミュニケーション改善に関する実践研究—やりとりの質的変化の検討—
小泉 光世,原田 勇希,池田 文人
交流分析研究 46 ( 2 ) 40 - 48 2022年04月 [査読有り]
研究論文(学術雑誌) 国内共著
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SSH指定校における「観察・実験の実施」以降の科学的探究過程が観察・実験に対する興味に及ぼす効果の事例的検討
齋藤 惠介, 原田 勇希, 草場 実
理科教育学研究 ( 一般社団法人 日本理科教育学会 ) 62 ( 3 ) 655 - 666 2022年03月 [査読有り]
研究論文(学術雑誌) 国内共著
<p>文部科学省は「科学技術人材等の育成を図る」ことを目的にSSH事業に取り組んでおり,SSH指定校では科学的探究活動を通して生徒の観察・実験に対する興味の育成を行っている。本研究では,SSH指定校における科学的探究活動の取り組みの探究的要素が多いSSH主対象クラスと,少ないSSH主対象クラスでない生徒の両方を対象とし,「観察・実験の実施」以降の科学的探究過程が生徒の観察・実験に対する興味に及ぼす効果を事例的に検討した。その結果,「観察・実験の実施」以降の科学的探究過程では,コースの取り組みの探究的要素に拘らず,観察・実験に対する興味をより深い興味へと変容させる可能性が示された。このことから,「観察・実験の実施」以降において,探究的要素が少ない学習過程であったとしても,観察・実験に対する深い興味を醸成する可能性が示唆された。</p>
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観察・実験に対する興味が 「技能に関する知識」 の習得に及ぼす影響―全国学力・学習状況調査を手掛かりとした学習方略による媒介効果の検討―
原田勇希,草場実,畠中俊暉
科学教育研究 ( 日本科学教育学会 ) 45 ( 4 ) 393 - 405 2022年01月 [査読有り]
研究論文(学術雑誌) 国内共著
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心理ゲーム多発学級における授業中のコミュニケーション改善に関する実践研究: 心理ゲームと無条件肯定的ストロークの量的変化の検討
小泉光世,原田勇希,池田文人
交流分析研究 ( 日本交流分析学会 ) 46 ( 1 ) 33 - 45 2021年10月 [査読有り]
研究論文(学術雑誌) 国内共著
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観察・実験に対する興味と自己効力感が学習方略の使用傾向に及ぼす相乗効果:―期待×価値理論に基づく交互作用に着目して―
原田 勇希, 草場 実
理科教育学研究 ( 一般社団法人 日本理科教育学会 ) 62 ( 1 ) 309 - 321 2021年 [査読有り]
研究論文(学術雑誌)
<p>動機づけの期待×価値理論(Expectancy×Value Theory)に関する古典的研究では,期待概念と価値概念の乗算的関係が想定されていたが,現代的理論では主に加算的関係のみに焦点が当てられていた。しかし最近,両者の乗算的関係が再発見された(Nagengast et al., 2011)。これまでの研究では,理科の中核的学習活動である観察・実験場面での学習方略に対する期待と価値の影響について,加算的関係を想定したモデルしか検討されていなかったため,両者の乗算的関係の有無は明らかでない。また,価値の指標として頻繁に取り上げられる興味について,興味の"強さ"と"深さ"を弁別して捉えたうえで期待との乗算的関係性を検討した先行研究はない。そこで,本研究では理科の中核的な学習活動である観察・実験に焦点を当て,観察・実験に対する自己効力感(期待)と興味(価値)が学習方略の使用に及ぼす効果を表現する統計モデルを検討した。研究の結果,深い学習方略である問題解決方略に対して,期待×価値理論と整合的な交互作用パターンと,興味の強さ(ポジティブ感情)×興味の深さ(思考活性志向)×自己効力感の2次の交互作用が認められた。考察では,この結果をもとに"×"が持つ理科教育的意味の解釈をおこない,自己効力感の重要性を強調した。</p>
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学級内の社会的地位と実験グループに対する心理的安全性が理科授業における批判的議論とストレス反応に及ぼす影響
亀山 晃和, 原田 勇希, 草場 実
理科教育学研究 ( 一般社団法人 日本理科教育学会 ) 62 ( 1 ) 229 - 245 2021年 [査読有り]
研究論文(学術雑誌)
<p>学習指導要領では,主体的・対話的で深い学びの視点からの授業改善が求められている。理科授業で対話的な学びを実現するには,学習者が対話を通して学習を進めることの意義を認知することや議論を行う場での学習者を取り巻く雰囲気を改善することが重要であると考えられている。そして,学習者を取り巻く雰囲気は,学習者の所属する学級内の対人関係による影響を受けると考えられる。しかし,理科教育学における「対話的な学び」に関連する先行研究では,学級内の対人関係の個人差に着目した研究は管見の限り見当たらない。本研究は,個人差の変数としてスクールカーストに着目し,理科授業における批判的議論とストレス反応に及ぼす影響を検討することを目的とした。分析の結果,スクールカーストが理科授業における批判的議論,実験グループに対する心理的安全性に影響を及ぼすことが明らかになった。また,スクールカーストが高位でない生徒は,高位の生徒と比較して,「対話的な学び」を要求する観察・実験場面におけるストレス反応が有意に高いことが示された。</p>
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日本の理科教育研究におけるメタ認知測定に関する現状と課題:―質問紙尺度を用いた研究に着目して―
畠中 俊暉, 原田 勇希, 草場 実
理科教育学研究 ( 一般社団法人 日本理科教育学会 ) 62 ( 1 ) 173 - 185 2021年 [査読有り]
研究論文(学術雑誌)
<p>子どもたちのメタ認知能力の育成は理科教育において非常に重要であり,多くの研究者や教師によって研究されてきた。しかし,子どもたちのメタ認知能力を適切に評価(測定)することは困難である。質問紙尺度を用いてメタ認知を測定するoff-lineメソッドは,簡便だが妥当性が低いことが示された(原田・久坂・草場・鈴木,2020)。しかし,質問紙尺度の妥当性の指標となる相関係数の解釈が研究者間で異なり,理科教育学の領域内で統一した見解が得られていない。そこで本研究は,質問紙尺度を用いて子どもたちのメタ認知能力を測定した研究を網羅的に収集し,その論文内に記載された統計量と研究者の解釈をレビューすることを目的とした。結果より,今後の理科教育学領域におけるメタ認知研究では,(1)これまでに得られている知見の概念的追試を行うこと,(2)メタ認知の測定方法についての基礎的研究を進めていくことの2点が導出された。</p>
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中村 大輝, 原田 勇希, 久坂 哲也, 雲財 寛, 松浦 拓也
理科教育学研究 ( 一般社団法人 日本理科教育学会 ) 62 ( 1 ) 3 - 22 2021年 [査読有り]
研究論文(学術雑誌)
<p>近年,教育学を含む多くの学問分野において過去の研究知見が再現されないという再現性の危機が問題となっており,その原因の1つとして問題のある研究実践(Questionable research practices, QRPs)の存在が指摘されている。本研究では,国内の理科教育学分野におけるQRPsの実態を明らかにし,再現性問題への具体的な対応策を提案することを目的として,『理科教育学研究』に掲載された過去4年間の論文におけるQRPsの状況を分析した。その結果,8種類のQRPs(妥当性の確認不足,母集団の未定義,出版バイアス,誤った多重比較,検定力不足,HARKing,過度の一般化,記載情報の不足)が行われていることが示唆され,理科教育学分野の実証研究における研究方法の問題点が明らかになった。また,再現性問題の解決に向けて,QRPsを防止するために,本誌に関わる研究者,実践者,編集委員会が取り組むべき対応策として「追試の積極的な実施」「適切な研究方法の普及」「事前登録制度の導入」「オープンサイエンスの実施」の点から4つのアイデアを示した。</p>
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理科の活用志向性尺度の作成と信頼性・妥当性の検討―スーパーサイエンスハイスクール指定校の取り組みの評価を見据えて―
原田勇希, 草場実, 齋藤惠介
科学教育研究 44 ( 4 ) 353 - 366 2020年12月 [査読有り]
研究論文(学術雑誌)
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いつ, 生徒の観察・実験に対する興味の “深さ” に介入するべきか?―理科全般に対するポジティブ感情の醸成を見据えて―
齋藤惠介, 原田勇希, 草場実
理科教育学研究 61 ( 1 ) 107 - 117 2020年07月 [査読有り]
研究論文(学術雑誌)
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理科教育用メタ認知測定尺度の再考ーoff-lineメソッドの限界と今後に向けてー
原田勇希・久坂哲也・草場実・鈴木誠
理科教育学研究 60 ( 3 ) 627 - 641 2020年03月 [査読有り]
研究論文(学術雑誌) 国内共著
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観察・実験に対する興味と学習方略との関連の検討 —因子分析による興味の構造分析を基礎として—
原田勇希・中尾友紀・鈴木達也・草場実
理科教育学研究 60 ( 2 ) 409 - 424 2019年01月 [査読有り]
研究論文(学術雑誌) 国内共著
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物理分野における作図スキルへの心的イメージ能力の影響と有効な学習方略
原田勇希・坂本一真・鈴木誠
理科教育学研究 59 ( 1 ) 125 - 137 2018年07月 [査読有り]
研究論文(学術雑誌) 国内共著
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高校「物理基礎」と「物理」によるMIF素朴概念の修正効果
原田勇希・坂本一真・鈴木誠
物理教育 66 ( 2 ) 81 - 86 2018年07月 [査読有り]
研究論文(学術雑誌) 国内共著
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中学校理科の天文分野での活用を見据えた紙筆版空間的視点取得課題(PSPT)の開発
原田勇希
日本教育工学会論文誌 42 ( Suppl ) 181 - 184 2018年12月 [査読有り]
研究論文(学術雑誌) 単著
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いつ,なぜ,中学生は理科を好きでなくなるのか?―期待-価値理論に基づいた基礎的研究―
原田勇希・坂本一真・鈴木誠
理科教育学研究 58 ( 3 ) 319 - 330 2018年03月 [査読有り]
研究論文(学術雑誌) 国内共著
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高い制度的利用価値の認知は理科における「主体的・対話的で深い学び」に貢献しうるか
原田勇希・三浦雅美・鈴木誠
科学教育研究 42 ( 3 ) 164 - 176 2018年12月 [査読有り]
研究論文(学術雑誌) 国内共著
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心的イメージ処理特性が中学校理科の期待信念に及ぼす影響
原田勇希・鈴木誠
日本教育工学会論文誌 41 ( 4 ) 315 - 327 2018年01月 [査読有り]
研究論文(学術雑誌) 国内共著
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理科4分野の統制感と言語性―空間性ワーキングメモリ容量の関連
原田勇希・鈴木誠
日本教育工学会論文誌 41 ( Suppl ) 25 - 28 2018年12月 [査読有り]
研究論文(学術雑誌) 国内共著
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高い制度的利用価値の認知は理科における ”主体的・対話的で深い学び” を妨害するか?
原田勇希・三浦雅美
日本科学教育学会研究会研究報告 32 ( 1 ) 11 - 16 2017年11月
研究論文(学術雑誌) 国内共著
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数的処理が要求されない作図スキルの個人差と物理分野の期待信念との関連
原田勇希・坂本一真・鈴木誠
理科教育学研究 58 ( 1 ) 65 - 80 2017年08月 [査読有り]
研究論文(学術雑誌) 国内共著
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どのような認知の弱さが理科のつまずきと意欲低下のリスクか? ―児童のワーキングメモリに着目したエラー特性と自己効力の関係性の検討―
原田勇希・鈴木誠
日本科学教育学会研究会研究報告 30 ( 1 ) 53 - 56 2015年11月
研究論文(学術雑誌) 国内共著
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共感化-システム化の認知スタイルと理科の学習行動との関連
菅原 瑞生, 原田 勇希
日本科学教育学会研究会研究報告 ( 一般社団法人 日本科学教育学会 ) 37 ( 4 ) 65 - 70 2022年12月
研究論文(学術雑誌) 国内共著
<p>理科に注目すると,近年では,共感化―システム化(Empathizing – Systemizing)の認知スタイルの個人差が,理科の動機づけの個人差を強く説明することが示されており,注目されている.現行の学習指導要領(文部科学省,2018)の「対話的な学び」では,意見交換や議論が求められているが,児童期から青年期にかかるこどもたちにとって,個人の対人関係の在り方によって,議論したくてもできない可能性が大いに考えられる.分析の結果,EQが高い生徒は,クラスや教師への心理的安全性が高い傾向が見られた.ただし,中学校3年生においてEQが高い生徒は批判的議論を行う傾向が低いことが示された.本来,EQが高いことはこうした学習に利得があると考えられるが,相互批判的な学びの実現には課題があることが示された.</p>
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小学生の観察・実験に対する興味は“強度”と“深さ”から捉えられるか
髙橋 海渡, 原田 勇希
日本科学教育学会研究会研究報告 ( 一般社団法人 日本科学教育学会 ) 36 ( 2 ) 35 - 40 2021年12月 [査読有り]
研究論文(学術雑誌)
<p>近年,興味をポジティブな感情(強度)と価値の認知(深さ)で捉える枠組みが提案されている.これまでの小学生を対象とした大規模調査では,理科学習,観察・実験への興味の強度を測定しているが,興味の深さを測定していないため,小学生の興味の構造が明らかになっているとは言えない.先行研究では,理科全般に対する興味について,強度と深さの両次元で捉えた調査は行われているが,観察・実験場面に特化した興味について,強度と深さの両次元で捉えた研究はない.そこで本研究では小学生の観察・実験に対する興味の構造を明らかにし,興味を測定できる心理尺度を開発することを目的とした.結果より,小学生の観察・実験に対する興味は,ポジティブな感情と価値の認知が直交する2つの次元で捉えられることが分かった。また,多変数との相関パターンの検討により,作成した心理尺度の妥当性が担保された。</p>
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いつ,生徒の観察・実験に対する興味の“深さ”に介入するべきか?
齋藤 惠介, 原田 勇希, 草場 実
理科教育学研究 ( 一般社団法人 日本理科教育学会 ) 61 ( 1 ) 107 - 117 2020年07月 [査読有り]
研究論文(学術雑誌)
<p>近年,興味をポジティブ感情(強度)と価値の認知(深さ)から捉える理論的枠組みが提唱されており,強度と深さを望ましい状態に導くことが重要である。また,これまでの大規模調査より,我が国の生徒は理科全般に対する興味の強度に課題があることが示唆されているが,観察・実験に対する興味の強度は比較的良好に保たれていることが明らかになっている。そのため興味に介入する場合,観察・実験を足掛かりにすることが考えられるが,強度と深さのどちらを先行して育成すべきであるかについて未検討な点が多い。そこで,本研究では観察・実験に対する興味の強度と深さに注目し,理科全般に対する興味の強度との関連を検討することを目的とした。結果より,“理科学習に対するポジティブ感情”と“観察・実験に対するポジティブ感情”は別因子として抽出できたため,両興味は並存しえる構成概念であるといえる。また,生徒の観察・実験に対するポジティブ感情が低い状態で深い価値の認知に介入することは,理科全般に対するポジティブ感情をより低減させてしまう可能性が示唆された。このことから,教師は生徒の観察・実験に対するポジティブ感情の強度に応じて,興味の深さに介入していく必要があるだろう。</p>