研究等業績 - その他 - 大橋 純一
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東日本に残るオ段長音開合現象
大橋純一
文部科学省特定領域研究 36 - 35 2002年12月
研究論文(その他学術会議資料等) 単著
東日本には,オ段長音に開合の区別を残す地域が局地的に存在する.本稿では,山形県大鳥,新潟県佐渡真野町・本土津南町・塩沢町の4地点を対象に,その残存の様相を語性的・年代的に明らかにした.また,その各々について,音響的な見地からの検証を行った.
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20世紀方言学の再考
大橋純一
21世紀の方言学 187 - 187 2002年06月 [査読有り]
研究論文(その他学術会議資料等) 単著
方言学の方向性と可能性を展望した.論述においては,これまでの方言研究を再考することの重要性を強調.その一例として,拍の問題をとりあげ,それの音響学的ないしは文レベルでの把握が未だ不十分であること,それらの分析によるならば,従来の常識からはずれる現象が多見されることを論じた.
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岩手県一関市舞川方言の副助詞
大橋純一
方言資料叢刊第八巻 日本語方言の副助詞の研究 36 - 42 2000年11月
研究論文(その他学術会議資料等) 単著
岩手県舞川方言の副助詞について記述した.分析結果として,当方言では,微妙なニュアンスの相違を副助詞によって表出し分けるということが一般的ではなく,むしろ,様々な意味内容のものを,一定の副助詞により単純化して表現する傾向にあることを指摘した.
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ガ行鼻音
大橋純一
宮城県仙台市方言の研究 8 - 19 2000年07月
研究論文(その他学術会議資料等) 単著
宮城県仙台市を対象に社会言語学的調査を行った.アプローチの対象は,音韻・アクセント・文法・語彙・表現法等,多岐にわたる.調査も実地調査とアンケート調査の双方によった.筆者はそのうちの音韻項目を担当・調査し,その成果を「ガ行鼻音」として記した.
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子音の有声化と鼻音化
大橋純一
文部省科学研究費補助金基盤研究(8) 宮城県中新田町方言の研究 8 - 15 1998年03月
研究論文(その他学術会議資料等) 単著
宮城県中新田町方言の有声化・鼻音化現象を音環境を中心に分析.その結果,前・後接母音の接続状況が有声化の有無に大きく関わること,他方,鼻音化は全般に栄えず,衰微の過渡的状況にあること等が明らかになった.
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二拍名詞・動詞アクセント
大橋純一
文部省科学研究費補助金基盤研究(8) 宮城県中新田町方言の研究 15 - 23 1998年03月
研究論文(その他学術会議資料等) 単著
宮城県中新田町方言の二拍名詞・動詞アクセントについて分析.それにより,従来,曖昧・無型アクセントと位置づけられてきた当域の様相が,実際には類の対立を体系的に有した多型アクセント的性質のものであると解されることを論じた.
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宮城県宮城郡利府町森郷方言の待遇表現
大橋純一
方言資料叢刊第七巻 方言の待遇表現 14 - 21 1997年12月
研究論文(その他学術会議資料等) 単著
宮城県森郷方言の待遇表現を,形態的側面と音声的側面の両面から検討した.その結果,当方言では,各側面の要素が相互に結びつくことにより,様々な種類・度合いの待遇表現が可能となっていること,全般に,上下関係よりも親しみや丁寧さの面に関心が向けられがちであること等が明らかになった.
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宮城県柴田郡柴田町大字槻木方言の助数詞
大橋純一
方言資料叢刊第六巻 方言助数詞の研究 30 - 40 1996年11月
研究論文(その他学術会議資料等) 単著
宮城県槻木方言の助数詞を分析.当方言における助数詞の使用の特徴は,語の種類やその特異性にあるのではなく,共通語の助数詞を“もの・事柄”に即していかに使い分けるかという点にあると考えられることを論じた.
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宮城県黒川郡大和町鶴巣方言の否定の表現
大橋純一
方言資料叢刊第五巻 日本語方言の否定の表現 19 - 23 1995年12月
研究論文(その他学術会議資料等) 単著
宮城県鶴巣方言の否定表現を分析.その大きな特徴として,否定意志の表現が多くは否定断定形によって行われること,否定の強調表現を担う助詞類が栄えないこと,当方言の否定表現一般が,割り切った,直接的・断定的性質のものとなりがちであることを論じた.