研究等業績 - その他 - 桐生 健太郎
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特集 大動脈緊急症に備えよ!医療体制の現状と課題 診る4 破裂性大動脈瘤の診断ポイントと重症度の見極め
桐生 健太郎, 山本 浩史
Heart View ( メディカルレビュー社 ) 27 ( 13 ) 1121 - 1126 2023年12月
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高木 大地, 角浜 孝行, 桐生 健太郎, 板垣 吉典, 和田 卓也, 荒井 岳史, 五十嵐 至, 山崎 友也, 五十嵐 亘, 山本 浩史
日本心臓血管外科学会雑誌 ( 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 ) 52 ( 4 ) 239 - 243 2023年07月
<p>開心術後心停止は,胸骨圧迫により重大な合併症を起こす可能性があるという点で,一般的な心停止と異なる.The Cardiac Surgery Advanced Life Support (CALS) は,開心術後心停止に対する心肺蘇生法として,2017年米国胸部外科学会 (STS) のエキスパートコンセンサスで推奨されており,当院では,2019年に同プロトコルを導入した.2019年4月から2022年5月までに開心術550例を行い,その中で術後心停止となりCALSプロトコルを発動した6例 (1.1%) を経験した.本報告では,虚血再灌流障害によるR on Tを繰り返す心室細動 (ventricular fibrillation: VF) を呈した症例を,その他5例のデータとともに報告する.症例は,67歳男性で,右冠動脈の灌流不全と心タンポナーデを伴うStanford A型急性大動脈解離に対し大動脈基部置換術,上行弓部大動脈置換術および冠動脈バイパス術を施行した.術当日,VFとなり,ICUスタッフにより速やかに電気的除細動が行われた.洞調律に復帰したが,数十秒から数分ごとにVFを繰り返した.再開胸による直接心臓マッサージと経皮的体外循環補助装置の装着を行うことで,VF発作は消失した.胸骨圧迫は回避され,神経学的合併症はなく,生存退院された.開心術後の心停止に対して,CALSプロトコルに従い,胸骨圧迫による合併症を回避し,蘇生を行うことができた.</p>
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症例 小児開心術後縦隔炎に対する非侵襲的閉創デバイスを併用した持続陰圧吸引療法の2例
和田 卓也, 角浜 孝行, 高木 大地, 山浦 玄武, 田中 郁信, 桐生 健太郎, 板垣 吉典, 荒井 岳史, 五十嵐 至, 山崎 友也, 山本 浩史
胸部外科 ( 南江堂 ) 74 ( 2 ) 121 - 124 2021年02月
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症例 低心機能成人修正大血管転位症に対して弁尖温存三尖弁置換術を施行した1例
高木 大地, 角浜 孝行, 山浦 玄武, 田中 郁信, 桐生 健太郎, 板垣 吉典, 荒井 岳, 和田 卓也, 五十嵐 至, 山本 浩史
胸部外科 ( 南江堂 ) 73 ( 13 ) 1109 - 1112 2020年12月
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症例 左椎骨動脈起始異常を伴う慢性解離性大動脈瘤に対するステントグラフト内挿術の1例
田中 郁信, 角浜 孝行, 荒井 岳史, 山浦 玄武, 高木 大地, 桐生 健太郎, 板垣 吉典, 和田 卓也, 五十嵐 至, 山本 浩史
胸部外科 ( 南江堂 ) 73 ( 12 ) 1032 - 1036 2020年11月
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心臓悪性腫瘍に対する外科治療の意義:右心系悪性腫瘍5例の検討
桐生 健太郎, 角浜 孝行, 田中 郁信, 高木 大地, 山本 浩史
静脈学 ( 日本静脈学会 ) 31 ( 2 ) 57 - 63 2020年05月
<p>心臓腫瘍は稀な疾患であり,悪性であれば予後不良である.発生部位ごとに特異的な合併症を生じ,右心系発生例では腫瘍肺塞栓が致命的となる.外科的介入後も腫瘍自体の予後や生存期間を改善できない症例も存在するが,突然死の予防や心不全の改善から,ADLの向上が得られ自宅退院が期待できる症例もある.転移性腫瘍や肝臓癌・腎臓癌の限局的な進展例は,切除による生存期間の延長・予後改善が見込まれる.今回われわれは人工心肺補助下で外科的介入を行った5例の右心系悪性腫瘍を経験した.そのうち2例は早期に失ったが,3例は比較的長期生存を得られ,自宅退院も可能であった.腫瘍形態によっては術後化学療法が奏功する例もあった.最終的に全例死亡したが,外科的介入は突然死を予防しかつ診断を行うことで補助療法による生存期間の延長を見込むことができたと考える.また術後早期の肺および肺循環障害はDIC, MOFへ進展させ救命を妨げるリスクであると考える.</p>
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腫瘍摘出術が突然死予防に有効であった食道原発性転移性心臓腫瘍の1例
桐生 健太郎, 角浜 孝行, 山浦 玄武, 千田 佳史, 田中 郁信, 高木 大地, 板垣 吉典, 山本 浩史
日本心臓血管外科学会雑誌 ( 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 ) 48 ( 3 ) 170 - 172 2019年05月
<p>心臓腫瘍において,心内膜への転移性腫瘍は比較的稀と報告されている.今回われわれは食道原発性転移性心臓腫瘍において,右心房・右心室内膜への転移症例を経験した.腫瘍は可動性に富み,肺塞栓症での突然死のリスクがあった.食道癌としては5年生存率約11%であったが,突然死のリスク軽減のために腫瘍摘出術を施行した.術後経過は良好であり,現在食道外科外来にて化学療法を継続,ADLとしては自宅生活可能である.腫瘍摘出によって,QOLの改善,突然死のリスクを軽減できることは予後にはかかわらず,有用であると考えられた.</p>
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外傷性膝窩静脈性血管瘤が塞栓源と考えられた肺血栓塞栓症の1例
桐生 健太郎, 山浦 玄武, 角浜 孝行, 田中 郁信, 高木 大地, 山本 浩史
日本血管外科学会雑誌 ( 特定非営利活動法人 日本血管外科学会 ) 27 ( 3 ) 221 - 223 2018年06月
<p>膝窩静脈性血管瘤は肺血栓塞栓症の原因となりうる重要な疾患であり,その中でも稀な外傷性膝窩静脈性血管瘤を経験したので,報告する.症例は59歳女性.失神と低酸素血症で前医搬送され,CT,超音波検査にて肺血栓塞栓症と左膝窩静脈性血管瘤を指摘された.血栓症を繰り返す可能性があり,手術目的に当科紹介となった.全身麻酔下に瘤切除,瘤口閉鎖術を施行し,その後は1年間の抗凝固療法を行った.現在まで血栓症の再発なく経過している.</p>
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<i>Bacteroides fragilis</i> による感染性胸部大動脈瘤に対してメトロニダゾール投与中に発症した脳症の1例
高木 大地, 角浜 孝行, 山浦 玄武, 田中 郁信, 桐生 健太郎, 板垣 吉典, 山崎 友也, 山本 浩史, 嵯峨 知生, 廣川 誠
日本心臓血管外科学会雑誌 ( 特定非営利活動法人 日本心臓血管外科学会 ) 47 ( 3 ) 142 - 147 2018年05月
<p>症例は77歳男性.発熱,背部痛を主訴に受診.CT検査で遠位弓部大動脈の急速拡大(最大径49 mm)と血液培養から<i>Bacteroides fragilis</i>が検出され,感染性動脈瘤と診断した.抗生剤(meropenem : MEPM)に良好に反応したことや,frailtyを認めたことなどから,準緊急的にTEVARを施行した.炎症反応が陰性化して退院となったが,2週後に感染の再燃を認めて再入院した.6週間のMEPM投与後,Metronidazole(MNZ)内服を開始した.退院となったが,ふらつき・構音障害が出現し,内服開始約7週間後に再入院となった.MRIで小脳歯状核の病変を認め,Metronidazole誘発性脳症と診断.抗生剤をAmoxicillin/Clavulanateに変更したところ,約2週間程度で脳症の改善を得た.その後1年間,感染の再燃は認めていない.<i>B. fragilis</i>を起炎菌とした感染性大動脈瘤に対してステントグラフト治療を行った.感染再燃を認めたが,MNZを含む抗菌薬の使用により,再度コントロールすることができた.一方で,MNZは脳症を引き起こすことがあり,使用にあたっては十分な注意が必要である.</p>