研究等業績 - 研究会,シンポジウム資料等 - 田口 瑞穂
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大学生の月に対する意識の変容
田口 瑞穂, 佐藤 毅彦, 上田 晴彦, 成田 堅悦
日本科学教育学会研究会研究報告 ( 一般社団法人 日本科学教育学会 ) 37 ( 2 ) 41 - 44 2022年12月
研究論文(研究会,シンポジウム資料等) 国内共著
<p>月の満ち欠けの観察ツールとして,インターネット望遠鏡のWel-CAMがある.小学校教員免許状取得希望大学生に対して,授業中にWel-CAMを解説し, 1度使用させた.その後,インターネットを用いた授業連絡で使用を促した.これらを通じて,学生の月に対する意識や知識がどのように変容するのかを調査した.プレ調査とポスト調査の結果の比較では,どの項目にも有意差がなかった.Wel-CAMの使用頻度は低く,月や月の満ち欠けの起こる仕組みについての知識は増えなかった.学生に対するポスト調査の結果からは,月を見る頻度が上がったと感じた学生が15名(39.5%),月の満ち欠けに対して興味が向上したと感じた学生は25名(65.8%)いることが分かった.Wel-CAMを任意で使用させるのではなく,学習者が目的意識を持ってWel-CAMを使用する必要がある,ということが示唆された.</p>
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高解像度の地質露頭画像を利用した教育用ウェブページの開発:自然災害リスクについての大学生向け評価例
澤口 隆, 川村 教一, 田口 瑞穂
日本科学教育学会研究会研究報告 ( 一般社団法人 日本科学教育学会 ) 35 ( 5 ) 1 - 4 2021年03月
研究論文(研究会,シンポジウム資料等)
筆者らは教員養成課程大学生のうち小学校理科の指導法科目受講者を対象に,地層観察の露頭での災害リスクを認知する能力の評価方法を新たに開発した.開発したのは露頭の高解像度画像を自由に拡大・縮小して閲覧できるウェブサイトで,学生の閲覧行動を記録できるものである.野外活動の災害リスクに関する授業前後で,このウェブサイトにより記録した学生の露頭画像の閲覧状況を比較したところ差異を見出すことができ,授業の評価に使用可能であることが明らかになった.
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田口 瑞穂, 小森 次郎
日本科学教育学会年会論文集 ( 一般社団法人 日本科学教育学会 ) 44 ( 0 ) 261 - 264 2020年08月
研究論文(研究会,シンポジウム資料等)
災害教育の重要性は認められているが,火山災害教育における研究は課題が多い.そこで,平成に入ってからの学校教育における火山災害教育はどのように実践されてきたのかについて振り返り,その教育効果や課題を再確認した.その結果,様々な取り組みや工夫がみられたが,子供目線の教育や防災を前面に出さない教育等が行われていることが分かった.活火山のある地域の学校では現地に出掛けるなど,より具体的で実践的な授業が行われていることが分かった.火山モデル実験も様々な開発が行われてきており,キッチン火山実験やコーラマグマの噴火モデル等,子供達を引き付ける工夫がなされている.また,立体模型を使った実験も見られ,3Dプリンタの普及による充実が期待される.児童生徒の防災・減災や的確な避難行動につながる火山防災教育は着実に充実してきている.
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田口 瑞穂, 村上 宙思
日本科学教育学会研究会研究報告 ( 一般社団法人 日本科学教育学会 ) 34 ( 1 ) 71 - 74 2019年11月
研究論文(研究会,シンポジウム資料等)
小学校理科におけるプログラミング教育の実践事例報告は高学年が多く,中学年のものは少ない。そこで,中学年段階の理科におけるプログラミング教育について,どのような内容をどこまで実践できるのかを検討するために,実践的な研究を行った。その結果,第3学年においてはプログラミング的思考ができる児童が一定数いるものの,フローチャートにその思考を表すことは難しいことが分かった。また,コンピュータを用いなくても,プログラミング的思考を育成できることが示唆された。第4学年においては,タブレットコンピュータを用いて,モーターカーを思うように制御するという簡単なプログラムを書き,実行させることができることが分かった。中学年段階の児童には,入力を制御することで考えたとおりの出力を得る,という課題に対しては解決できることが分かった。
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鈴木 創, 田口 瑞穂, 川村 教一
日本科学教育学会研究会研究報告 ( 一般社団法人 日本科学教育学会 ) 33 ( 1 ) 89 - 92 2018年
研究論文(研究会,シンポジウム資料等)
<p>平成29年3月に告示された新学習指導要領において,小学校理科や社会に自然災害に関する学習内容が追加された.そこで筆者らは新学習指導要領に基づいた学習の展開に先立ち,小学校5年生が持つ自然災害の認識について調査した.学習前であるにも関わらず,多くの児童が自然災害について認識していたが,対象児童の通う学校が立地している県において発生件数の多い風水害や雪害に関する認識は十分であるとは言えなかった.</p>
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古生物に対する関心を高めるための小学校理科授業実践とその効果
伊藤 昭人, 田口 瑞穂, 川村 教一
日本科学教育学会研究会研究報告 ( 一般社団法人 日本科学教育学会 ) 33 ( 1 ) 85 - 88 2018年
研究論文(研究会,シンポジウム資料等) 国内共著
本研究では,古生物に対する児童の関心を高めるために実物の化石を用いた授業実践を行い,その効果を検証した.授業実践は,児童が古生物に対して抱いた疑問を解決するという形で行った.検証方法は,授業の前後における児童が古生物に対して抱いた疑問の数の変化と,その内容の変容である.疑問の数については,授業の前後において,増えた児童よりも減った児童の方が多かった.疑問の内容については変容が見られ,古生物の生活の様子や体のつくりについて,具体的な疑問が授業後に増えたことが認められた.これらにより,この授業実践には一定の効果が見られたということが分かった.
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地熱の広がりに着目した理科学習の可能性:ゆざわジオパークにおいて
田口 瑞穂
日本科学教育学会研究会研究報告 ( 一般社団法人 日本科学教育学会 ) 33 ( 1 ) 51 - 54 2018年
研究論文(研究会,シンポジウム資料等) 単著
ジオパークにおける理科学習の提案や実践は数多く報告されているが,地熱の広がりに着目したものはない.そこで,秋田県ゆざわジオパークにおいて教員研修と教員免許状更新講習を行い,地熱の広がりを理科学習に導入できるのかを検討した.その結果,1地熱の広がりを実感させるには,フィールドワークで実際に調査・観察させることが有効であること,2児童生徒に地熱の広がりを実感させるには,地図へのプロットが有効であると指導者は考えていること,3児童生徒に地熱の空間的な広がりを実感させるには,立体模型が有効である可能性が示唆されたこと,が明らかになった.
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プログラミング学習ツールとしてのlittle Bits の可能性
田口 瑞穂
日本科学教育学会研究会研究報告 ( 一般社団法人 日本科学教育学会 ) 32 ( 3 ) 1 - 6 2017年
研究論文(研究会,シンポジウム資料等) 単著
新小学校学習指導要領では,新しくプログラミングを体験しながら論理的思考力を身に付けるための学習活動を導入する.この学習活動には,パソコンのソフトウエアや制御される機械の知識が必要であり,相応の金銭的な負担も生じる.そこで,比較的安価で簡便なマグネット式電子工作キットであるlittle Bits を用い,プログラミング学習を行うツールとして有効であるかどうかを検証することを本研究の目的とした.その検証のために,児童生徒にlittleBits を用いた授業を行った.その結果,児童生徒がすぐに様々な回路を組むことができ簡便に使用できることと,プログラミング学習を行うツールとして有効であることが明らかになった.ただし,授業に際しては,プログラミング的な思考が可視化できるような工夫が必要であることが分かった.
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大学生が持つ磁石概念の変容について:~教員養成課程での授業実践を通して~
大津 聖斗, 田口 瑞穂, 川村 教一, 山下 清次, 中田 咲紀
日本科学教育学会研究会研究報告 ( 一般社団法人 日本科学教育学会 ) 32 ( 3 ) 91 - 96 2017年
研究論文(研究会,シンポジウム資料等) 国内共著
磁石概念の先行研究において,小学校教員を目指す大学生が誤った磁石概念を持って いることが報告されている。本研究では,大学専門教育において,磁石を扱った学習の必要性 があるのかを検討するために,教員養成課程大学生が持つ,物体の磁性や双極子としての磁石 についての概念をアンケート調査で明らかにした。その結果,誤った磁石概念を持った学生が 多かったことから,演示実験を取り入れた授業を行うことで,この概念を変容させることがで きるのかを検証した。授業後のアンケート結果から,演示実験を取り入れた授業を行うことで 改善されることが示唆された。