研究等業績 - ⼤学,研究機関紀要 - 石原 慎司
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「戦前日本の専門的指揮法の学習経路の特徴と歴史―日本で活躍した指揮者の履歴に着目して―」
石原慎司
『研究紀要 教育科学』 ( 秋田大学教育文化学部 ) 79 1 - 11 2024年03月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
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「戦前日本におけるオーケストラ指揮の基礎的技法と知識に関する学習内容―『フェッチ先生講義録』から―」
石原慎司
『研究紀要 教育科学』 ( 秋田大学教育文化学部 ) 76 81 - 90 2021年03月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
今日の我が国における指揮法は音楽科教育の中で活用されており、また、日本の代表的な指揮法メソッドは国際的に評価が高い。しかし、具体的資料に乏しく状況ながらも指揮法の受容については日本国内において、戦前からの発展や継続性があったのではないか。このような中、古書店で偶然発見された戦前の指揮法講義録の内容を分析した結果、戦前には既に指揮の基礎的技法が高度に受容されており、そのような学習の場が学校施設内に存在していたことが判明した。
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「選択教材が占める高校音楽教科書の特徴とその課題―参照可能な教材の分量に着目して―」
石原慎司
『秋田大学教育文化学部研究紀要 教育科学』 74 105 - 114 2019年03月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
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「小学校音楽科の学習事項の配列に関する教育工学上の課題―教科書に掲載された初出時期の比較から―」
石原慎司
『教育実践研究紀要』 秋田大学教育文化学部附属教育実践支援センター ( 39 ) 59 - 68 2017年03月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
音楽科の学習指導要領は戦後の〈試案〉から今日に至るまで,記載内容が「曖昧」であり,その結果,学校現場への影響として,読譜力が身に付かないことへの因果関係も指摘されている.さらに,当然この曖昧さは教科書にも影響を及ぼすことにもなるのだが,各社教科書間でどのような違いが生じ,また,そこからどのような課題が発生しているのかについては明らかではなかった.そこで,様々な学習事項の初出が表れる学年を教科書間で比較・検証した.その結果,初出の学年が各教科書で異なったり,一方でしか扱われない事項が散見された.また,系統的・段階的な学習が停滞していたり,学習深度や到達地点が大きく異なるといった事象もあった.学習内容をどの学年で教えるのか,各教科書間で不一致である現状は,教師の責任の所在を不明確にするような教育工学的作用が働き,結果的に学習内容の指導の不徹底な分野を生み出し続ける素地となっている可能性がある.
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「小学校教員養成課程の教育システムに関する今日的課題―音楽科教育に関わる政策と学生の実態から―」
石原慎司
『秋田大学教養基礎教育研究年報』 秋田大学教育推進総合センター ( 18 ) 33 - 43 2016年03月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
教育関連法規、音楽文化関連法規と法案可決に伴う国会付帯決議、閣議決定、内閣総理大臣諮問への答申、学習指導要領など、国から発出される様々な政策上の指針の中には、我が国の音楽文化を保護し、広く国民の間に「継承」させる意図を含んだものが多数ある。現阿部内閣の閣議決定の中でも学校教育においてこれを取り扱うよう具体的に指示が出されており、入試制度などを含む各学校種の改革も企図されている。従って、教員養成課程を有する大学において何ができるのか、学生の今日の文化的特徴を把握した上で、考察した。その結果、教育課程上で工夫の余地はあるものの、人材確保や予算措置などで課題があり、国は指示だけでなく予算的措置も併せて必要である。教育への予算削減が続く中にあっては大学評価は重要であり、点数化しにくい文化に関する大学教育の評価に関しては工夫が必要であり、行政側の工夫も同時に必要といえる。
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「小学校低学年の『わらべうた』教材に関する一考察―幼稚園及び上級学年への接続・系統上の課題から―」
石原慎司
『研究紀要』 福岡こども短期大学 ( 26 ) 37 - 47 2015年04月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
小学校低学年の教科書に「わらべうた」教材が「歌唱」と「鑑賞」の2つの領域で掲載されている。学習指導要領には「歌う」内容と「聴く」内容や目的は別のものであるが、教科書上はどちらの活動も行う扱いとなっており、教材の目的や意図が不明瞭な状態といえる。このことは小学校への接続を目指す幼稚園や上級学年と系統的な教育を計画する点で課題といえる。
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「幼稚園の音楽環境に関する今日的課題―日本の音楽文化伝承に関わる教員の意識から―」
石原慎司
『研究紀要』 福岡こども短期大学 ( 25 ) 73 - 79 2014年04月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
若い世代の幼稚園教員ほど「子どもに歌い継ぎたい歌」がない、または、歌い継ごうという意識が希薄であることが調査で明らかになった。これは「個別視聴の音楽受容文化」が進展した結果の現象と考えられる。しかし、文化的なものを含め、次世代に「伝える」ことは保育・教育者の使命であり、歌以外の日本の音楽文化についても、意識的に教育計画に明示しておかないと、特に若い教員には伝わらない。教員間でコモン・センス的に不文律の内に行い得てきた教育活動に限界がきている。
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「日本の音楽文化伝承を幼稚園で配慮する必要性―幼稚園教育要領と関連法規に基づいて―」
石原慎司
『研究紀要』 福岡こども短期大学 ( 25 ) 81 - 90 2014年04月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
幼稚園の教育計画等に日本の音楽文化に関する必要事項を明記して教員間で共通認識する必要性が高まっている諸事情を明らかにしたもの。そこには教育法規上の根拠が必要となるが、幼稚園教育要領の中に「日本の音楽」なり「日本の文化」という種類の言葉が直接言及されてはいない。しかし、新教育要領は関係する「その他の法令に従い」という新規の文言が入っており、要領内の「地域の実態」等に配慮するという記述を参照したとき、日本の音楽文化に配慮することが幼稚園で可能なばかりでなく、むしろ全国的に必要度の高い教育内容であることがわかった。