研究等業績 - その他 - 福山 繭子
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Hygrothermobarometry for granites using melt inclusions in zircon
Taniwaki Y.
Lithos ( Lithos ) 504-505 2025年07月
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福山 繭子, 小笠原 正継
地質学雑誌 ( 一般社団法人 日本地質学会 ) 130 ( 1 ) 457 - 467 2024年12月
<p>秋田県北部の竜ヶ森花崗岩類は古期と新期の花崗岩類が分布し,古期竜ヶ森花崗岩類の形成年代は白亜紀または中新世とする議論がある.本研究においてLA-ICP-MSによるジルコンU–Pb年代測定を実施した結果,古期竜ヶ森花崗岩類は21.9±0.2 Maと21.2±0.2 Ma,新期竜ヶ森花崗岩類は9.45±0.1 Maという年代値が得られ,竜ヶ森地域における火成活動史が明らかとなった.従来,新期竜ヶ森花崗岩類に区分されていた竜ヶ森南西部に産する斑状花崗岩は,その年代値から古期竜ヶ森花崗岩類であることが明らかとなり,新期竜ヶ森花崗岩類の分布は竜ヶ森東部に限定される.</p>
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Aysal N.
Geochemistry ( Geochemistry ) 84 ( 4 ) 2024年11月
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Ishiguro A.
American Mineralogist ( American Mineralogist ) 109 ( 9 ) 1591 - 1597 2024年09月
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川崎 ナナ, 絹見 朋也, 佐藤 貴弥, 角野 浩史, 竹内 孝江, 内藤 康秀, 平田 岳史, 福山 繭子, 丸岡 照幸, 南 雅代, 本山 晃, 吉野 健一
質量分析 ( 一般社団法人 日本質量分析学会 ) 72 ( 1 ) 4 - 6 2024年03月
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根田茂帯綱取ユニットにおける砕屑性ジルコン複合化学分析にもとづく付加体形成史と前期-中期古生代アジア大陸東縁部火成活動の解明
中野 竜, 青木 翔吾, 内野 隆之, 福山 繭子, 昆 慶明
日本地質学会学術大会講演要旨 ( 一般社団法人 日本地質学会 ) 2024 ( 0 ) 454 2024年
<p>日本列島を含むアジア大陸東縁部は,約5.2億年前に受動的大陸縁から活動大陸縁に移行し,それによって形成された付加体や花崗岩バソリスベルトによって特徴づけられる.活動的大陸縁への移行後のテクトニクスや沈み込み帯内部の物質構造の進化は,それら付加体や火成岩体の地質学あるいは地球化学的な情報から推定することができる.しかし,構造侵食等の地殻改変作用により,現在の日本列島を含めたアジア大陸東縁部に残されたペルム紀以前の地質記録は限定的であるため,その当時の地質構造発達史の理解は困難である.</p><p>東北日本の北上山地中央部には,南部北上帯と北部北上帯に挟まれて,前期石炭紀と後期ペルム紀-前期三畳紀の付加体から構成される根田茂帯が狭長に分布する (永広・鈴木, 2003; 内野ほか, 2005; Uchino, 2021).本研究では,根田茂帯綱取ユニットに分布する砕屑岩に着目し,その岩石学的特徴や砕屑性ジルコンのU–Pb年代・微量元素組成に基づき,前期石炭紀アジア大陸東縁部における火成岩の年代分布や地殻化学組成の推定を試みた.綱取ユニットの砂岩は,ユニットの主岩相である珪長質凝灰岩泥岩互層中に厚さ数mから十数mでレンズ状に散在する.それらの砂岩は,構成粒子のモード組成に基づき,主として火山岩岩片から構成される“火山性砂岩” (QmFLt三角図上でLt成分が90%を超えるもの)と,石英粒子と堆積・火山岩片を豊富に含む岩片質砂岩 (Qm成分が10-20%,Lt成分が80-90%)に大別される.本研究では,岩片質砂岩5試料と火山性砂岩2試料から,それぞれ558粒子と97粒子のジルコンを分離し,秋田大学大学院理工学研究科に設置されたLA-ICP-MSを用いてU–Pb年代測定を行い,ジルコンの結晶化年代のデータ分布をヒストグラムで表した.その結果,火山性砂岩と岩片質砂岩に含まれる砕屑性ジルコンは共に400-3000 Maの広い年代値を示し,400-500 Maに大きなピークを形成する.そして,綱取ユニット形成年代である前期石炭紀の年代値を示すジルコンは少ない, あるいは含まれていないことがわかった.このような特徴は同時代に形成された,西南日本低温高圧型変成岩である蓮華帯や黒瀬川帯の砂質片岩に含まれるジルコンのコア年代においても見られる (Tsutsumi et al., 2003, 2011; Yoshida et al., 2020; Matsunaga et al., 2021) .したがって,根田茂帯綱取ユニット,蓮華帯,黒瀬川帯は後背地に同じ400-500 Maの火成岩が分布する同一の弧-海溝システムで形成されたことを示す.また,これらの3地質帯の(変)砕屑岩に堆積年代と同じ年代値を示すジルコンがほとんど含まれないことは, 前期石炭紀のアジア大陸東縁部に同時代の花崗岩バソリスが露出していなかったことを示唆する.</p><p>さらにU–Pb年代測定を行った綱取ユニットジルコンに対して,微量元素測定を行ったところ,450-500 MaのジルコンのU/Yb比は1.00前後の値をとり,450 Ma以降は400 Maまで0.58程度まで減少する経年変化を示した.ジルコンのU/Yb比は,ジルコンを結晶化させたマグマを形成した地殻の成熟度を表す指標になる (Grimes et al., 2007;Grimes et al., 2015など).本研究で示された砕屑性ジルコンの年代ヒストグラムとU/Yb比の経年変化は,450 Ma以降に後背地の成熟した大陸地殻の除去と未成熟な地殻の形成が起き,花崗岩形成プロセスが弱化した可能性を示唆する.本発表では,綱取ユニット砕屑岩の全岩化学組成やジルコンHf同位体比などのデータも示しながら,カンブリア紀から前期石炭紀までのアジア大陸東縁部における地殻の化学組成的進化について,より詳細に議論をする.</p><p>【引用文献】永広・鈴木 (2003), 構造地質 vol.47, 13-21; 内野ほか (2005), 地質学雑誌 vol.111, 249-252; Uchino (2021), Island Arc, 30, e12397; Tsutsumi et al. (2003), JMPS vol.98, 181-193; Tsutsumi et al. (2011), Bull. Natl. Mus. Nat. Sci., C, vol.37, 5-16; Yoshida et al. (2020), J. Metmorph. Geol. vol.39, 77-100; Matsunaga et al. (2021), Lithos, vol. 380-381, 105898; Grimes et al. (2007) Geology, 35(7), 643–646; Grimes et al. (2015) CMP, 170(5–6), 1–26</p>
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能登半島北西部大福寺の変成溶結凝灰岩のジルコンU-Pb年代:飛騨帯新期花崗岩類および下部ジュラ系来馬層群との関係
福山 繭子, 小笠原 正継
日本地質学会学術大会講演要旨 ( 一般社団法人 日本地質学会 ) 2023 ( 0 ) 55 2023年
<p>能登半島には第三系と第四系が広く分布しており、その基盤として飛騨帯の片麻岩類や花崗岩類が小規模に分布する。本研究では、金山ほか(1999)によって報告された能登半島北西部、石川県志賀町(旧町名:富来町)北東に産する変成溶結凝灰岩(黒雲母K-Ar年代178± 5 Ma、柴田ほか, 1984)からジルコンを分離し、U-Pb年代測定を実施した。溶結凝灰岩中のジルコンからは244± 2.6 Maと188± 1.6Maの2つの年代グループが得られた。ジルコンの形態と内部構造から、188Maの新期の年代は、溶結凝灰岩の形成年代を示すと考えられる。古期の年代は、溶結凝灰岩のマグマの起源物質または噴出時に取り込んだ周辺岩石由来の年代を示すと考えられる。古期の年代が、溶結凝灰岩のマグマの起源物質とした場合、変成結凝灰岩は、188Maに、244Maの年代を示す岩石からマグマが発生・噴出し溶結凝灰岩となり、その後、178Maの冷却年代を持つマグマ活動(花崗岩類)による接触変成作用を被ったと考えられる。一方、古期の年代が噴出時に取り込んだ周辺岩石由来とする場合、溶結凝灰岩の噴出時に244Maの年代を示す岩石が広く分布していたことを示す。 本研究で得られた古期年代は飛騨古期花崗岩類の年代(竹内ほか、2021)と一致し、また溶結凝灰岩の形成年代は飛騨新期花崗岩類の年代と一致する。このことから、溶結凝灰岩は飛騨新期花崗岩類の火成活動で形成されたと考えられ、飛騨新期花崗岩類をもたらしたマグマ活動は地表にも噴出していたことが明らかになった。この可能性に関しては、金山ほか(1999)でジュラ紀火山―深成複合岩体の存在を既に議論している。 また変成溶結凝灰岩の形成年代は、飛騨外縁帯の岩石を不整合に覆う来馬層群の年代(竹内ほか,2017)と同じである。来馬層群は酸性火山灰層を挟む。この溶結凝灰岩を形成した火山噴火は、飛騨帯と飛騨外縁帯を覆ったものと考えられる。つまり、飛騨外縁帯の岩石は飛騨新期花崗岩類の活動時期までに飛騨帯の近傍に位置していたことになる。 過去の研究において、ジュラ紀の付加体中に認められる堆積性ジルコンの年代で得られる190-160Maまたは200-150Maのグループについて、その起源となった岩石は日本列島から既に失われたと解釈されている。今回得られた飛騨帯の変成溶結凝灰岩の年代は、飛騨帯は前期ジュラ紀には陸化し、その上に溶結凝灰岩が重なり、さらにその深部には新期飛騨花崗岩が貫入していたことを示唆する。この溶結凝灰岩を形成した火成活動は、火山灰中のジルコン粒子として、または砕屑性ジルコン粒子として、飛騨外縁帯の前期ジュラ紀の堆積岩の来馬層群中にジルコンを供給したと考えられる。さらにジュラ紀付加体中、白亜紀付加体中にも砕屑性ジルコンとして供給されたと考えられる。本発表では、これらについて報告すると共に、ジルコンのHf同位体の示す飛騨帯古期・新期マグマの特徴について議論をする。 引用文献金山憲勇・廣井美邦・柴田賢.(1999) 能登半島北西部のジュラ紀火山―深成複合岩体, 地質学論集, 53, 299-308. 柴田賢・内海茂・宇都浩三・中川忠夫(1984)K-Ar年代測定結果-2-地質調査所未公表資料-. 地質調査所月報, 35, 331-340.竹内誠・常盤哲也・熊崎直樹・横田秀晴・山本鋼志. (2017) ジルコンU-Pb年代からみた下部ジュラ系来馬層群の堆積年代. 地質学雑誌, 123, 335-350.竹内誠・カスイ・志村侑亮.(2021)20万分の1地質図「富山」の東部地域の深成岩類のジルコンU-Pb年代. 地質調査研究報告, 72, 41-64.</p>
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東北日本 前期石炭紀付加体である根田茂帯綱取ユニットにおける砕屑性ジルコンU–Pb年代測定
青木 翔吾, 内野 隆之, 福山 繭子, 中野 竜
日本地質学会学術大会講演要旨 ( 一般社団法人 日本地質学会 ) 2023 ( 0 ) 319 2023年
<p>日本列島を含むアジア大陸東縁部は、約5.2億年前に受動的大陸縁から活動的大陸縁へと移行し、それにともない付加体形成や弧火成活動が開始した。活動的大陸縁への移行後のテクトニクスや沈み込み帯内部の物質構造の進化は、付加体や火成岩体の地質学・岩石鉱物学・地球化学的な情報から推定することができる。しかしながら構造侵食や火成活動にともなう地殻の改変プロセスにより、現在の日本列島を含めたユーラシア大陸にはペルム紀以前の地質体は断片的にしか残されていないため、その推定の妨げとなっている。東北日本北上山地には、ジュラ紀付加体からなる北部北上帯と先シルル紀基盤岩類およびシルル系-白亜系堆積岩から構成される南部北上帯に挟まれて、前期石炭紀と後期ペルム紀-前期三畳紀の付加体から構成される根田茂帯が狭長に分布する(永広・鈴木, 2003; 内野ほか, 2005など)。本研究では、日本列島最古の付加体である東北日本根田茂帯の前期石炭紀綱取ユニットの砕屑岩に着目し、それらに含まれる砕屑性ジルコンの複合化学分析(U–Pb年代、Hf同位体比、微量元素濃度)に基づき、同時代に形成された低温高圧型変成帯との比較から綱取ユニットのアジア大陸東縁部における位置付けを明らかにするとともに後背地火成活動史の復元を試みた。綱取ユニットの砂岩は、ユニットの主岩相である凝灰岩-泥岩互層中に厚さ数mから十数mでレンズ状に散在する。それらの砂岩は、構成鉱物のモード組成によると、火山岩岩片から構成される“火山性砂岩”(QmFLt三角図上でLt成分が90%を超えるもの)と石英と堆積・火山岩片を豊富に含む岩片質砂岩(Qm成分が10-20%、Lt成分が80-90%)に大別される。本研究では、岩片質砂岩5試料と火山性砂岩1試料から、それぞれ344粒子と3粒子のジルコンを分離し、秋田大学大学院理工学研究科に設置されたLA-ICP-MSを用いてU–Pb年代測定を行った。その結果、岩片質砂岩のジルコンは400-3000 Maの広い年代値を示し、ヒストグラム上で400-550 Maに大きなピークを示す。これらの試料の最若クラスター年代は、それぞれ402.9±5.6 Ma、461.9±4.1 Ma、452.0±5.7 Ma、452.9±4.5 Ma、477.7±4.9 Maであった。火山性砂岩1試料は、2粒子が400-450 Ma、1粒子が約860 Maの年代値を示した。全ての試料で、付加体形成年代である前期石炭紀の年代値を示すジルコンは含まれていなかった。 400-550 Maにピークを示すという年代ヒストグラムの特徴は、西南日本に分布する低温高圧型変成岩体である三郡-蓮華帯や黒瀬川帯の砂質片岩に含まれるジルコンのコア年代においてもみられる (Tsutsumi et al., 2003, 2011; Yoshida et al., 2020; Matsunaga et al., 2021)。これらの地質体の低温高圧型変成作用は、後期デボン紀-前期石炭紀(370-340 Ma)に起きたことがジルコンの変成リム年代から示されており、これらの原岩が綱取ユニットと同時期に堆積し、堆積年代を示す火成ジルコンが含まれていないことが示唆される。以上の砕屑性ジルコンU–Pb年代の類似性から、綱取ユニットと三郡-蓮華帯、黒瀬川帯木頭名片岩はいずれも同じ弧-海溝システム縁辺部で形成されたことを示唆する。そして、最若クラスター年代と堆積年代との年代ギャップは、中期デボン紀から石炭紀初期にかけて、後背地においてジルコン形成をともなう珪長質火成活動が行われていなかった、あるいは極小規模であったことを示唆する。綱取ユニット砂岩に含まれる400-550 Maのジルコンは、当時ゴンドワナ大陸周縁部に位置した東アジア大陸東縁部において、海洋プレートが沈み込みを開始してから1億年間分の記録を保持している。本発表では、年代測定を行ったジルコンのHf同位体比や微量元素組成から、この時代の詳細な火成活動史の復元を試みた成果を発表する。 参考文献: 永広・鈴木 (2003), 構造地質 vol.47, 13-21; 内野ほか (2005), 地質学雑誌 vol.111, 249-252; Tsutsumi et al. (2003), JMPS vol.98, 181-193; Tsutsumi et al. (2011), Bull. Natl. Mus. Nat. Sci., C, vol.37, 5-16; Yoshida et al. (2020), J. Metmorph. Geol. vol.39, 77-100; Matsunaga et al. (2021), Lithos, vol. 380-381, 105898</p>
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砕屑性ジルコンU-Pb 年代測定による北部北上帯中津川コンプレックスにおける前期及び中期ジュラ紀ユニット分布の制約
逢坂将志, 青木翔吾, 青木翔吾, 内野隆之, 福山繭子
地質調査研究報告 74 ( 3 ) 2023年
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東北日本前期石炭紀付加体である根田茂帯綱取ユニットにおける砕屑性ジルコンU-Pb年代測定
青木翔吾, 内野隆之, 福山繭子, 中野竜
日本地質学会学術大会(Web) 130th 2023年
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ヒスイ輝石石英岩中の流体包有物の化学組成から決定した沈み込み帯深部における流体の化学的特徴 (総特集 島弧火山への沈み込んだスラブの影響(上))
福山 繭子, 川本 竜彦, 小笠原 正継
月刊地球 = Chikyu monthly : カラー版 ( 海洋出版 ) 40 ( 4 ) 217 - 224 2018年04月
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LA-ICP-MSによる宝石ザクロ石の微量成分組成:微小領域分析用標準試料としての検討.
福山繭子,小笠原正継,佐藤比奈子,石山大三
地質調査研究報告 53 93 - 103 2007年05月 [査読有り]
研究論文(その他学術会議資料等) 国内共著