研究等業績 - ⼤学,研究機関紀要 - 大橋 純一
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時間経過に伴う言葉の動態に関する考察
大橋純一
秋田大学教育文化学部研究紀要 人文科学・社会科学 ( 79 ) 2024年03月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
一時期流行った新語・流行語のうち、時間の経過によりどのような言葉が廃れやすく、逆にどのような言葉が残りやすいのか。その特徴を、大学生を対象とする2つの調査の比較により考察した。
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方言使用とその意識に関する世代的な動態―秋田方言の3世代調査―
大橋純一
秋田大学教育文化学部研究紀要 人文科学・社会科学 ( 78 ) 2023年02月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
秋田方言の主に語彙を対象に高・中・若年層の3世代にわたる調査を行い、残る方言と衰退する方言の世代的な動態、そのタイプ分けを行うとともに、それぞれがどういう背景・事情により生じているものなのかを考察した。
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北奥方言の変化段階に見られる狭母音音節の諸相― 高年話者の複数発音をもとに ―
大橋純一
秋田大学教育文化学部研究紀要 人文科学・社会科学 ( 77 ) 29 - 38 2022年03月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
本稿は、衰退過程にある北奥方言の狭母音の諸相について、先行の調査を参考に性質別に見た変化段階の枠組みを事前に設けることで、また各段階者の複数の発音を分析することで、現状の特徴を調査の手順を踏みつつ、対比的に明らかにした。
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言語使用の動態―揺れが見られる現象の世代差に即して―
大橋純一
秋田大学教育文化学部研究紀要 人文科学・社会科学 ( 76 ) 21 - 32 2021年03月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
現代語には言語使用に揺れがあり、今後の変化を注視すべきものがある。本稿では、それらから(1) 外来語表記の揺れ、(2) 外来語と和語・漢語の使い分け、(3) 文法の誤用と派生の3つをとりあげ、各々の現状を明らかにした。
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用法が変容・拡大しつつある方言文法の世代的な実態について― 秋田方言の格助詞サ・ドコ、可能表現 ―
大橋純一
秋田大学教育文化学部紀要人文・社会科学 75 2020年03月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
方言文法において、その用法が世代を下って変容・拡大しつつある現象を調査報告した。具体的には秋田方言の3世代を対象に、(1)移動の方向・着点を表す格助詞サ、(2)目的語(動作または知覚・感情の対象)を表示する格助詞ドコ、(3)可能表現(能力可能/状況可能)の3つを取り上げ、それぞれの動態を明らかにした。
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秋田方言の音声現象に関する調査報告―高年層複数話者の実態に即して―
大橋純一
教育文化学部研究紀要 人文科学・社会科学 ( 74 ) 2019年03月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
秋田方言に特徴的とされるいくつかの音声現象について、複数の高年層話者を調査し、各々の現状を報告した。結果、各現象において方言音が衰退していく段階的諸相のみとめられることが明らかになった。
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生活空間に見られる方言使用の実態―秋田方言の内向け・外向けの実態と意識―
大橋純一
秋田大学教育文化学部研究紀要人文・社会科学 ( 73 ) 2018年02月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
本稿では、生活空間に見られる方言使用の実態について、内向け・外向けの分類視点をはじめ、現れる側面や方途、受け止める側の意識など、実態の量的・質的な把握を目的としつつ、秋田方言をケーススタディとして、調査・考察を行った。その結果、秋田にはこれまでとは違ったツールやコンテンツによる多様な方言使用の実態があること、またそれを人々が好感をもって受け止めていること(つまり秋田では実態と意識の両面において方言使用の効用がみとめられる現状にあること)が明らかになった。
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残存する方言音声の質的バリアント―典型から知識レベルの実相まで―
大橋純一
秋田大学教育文化学部紀要人文・社会科学 ( 72 ) 2017年03月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
方言音声の調査では、その引き出し方の制約もあり、一度で求める発音に辿り着くことがあまり期待できない。よって調査の結果、同じく残存とみとめられるものの中にも、自ずと性質の異なるいくつかのバリアントが併存することになる。本稿では、そこにどのような質的バリアントが抽出されるのか、またそのことが現状における残存の意味やそれ以降の変化とどう関係するのかを考察した。
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方言音声調査の記述報告―宮城県白石市―
大橋純一
秋田大学教育文化学部紀要人文・社会科学 ( 71 ) 15 - 24 2016年03月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
東北諸方言の記述的研究の一環として、宮城県白石方言の音声をとりあげ、主にその世代別の実態について報告した。具体的には各事象とも、高年層男性を中心におおよそ中年層あたりまでは残存の跡がうかがえること、しかし高・中年層女性および若年層以下では衰退の傾向が著しく、そのほとんどが少年層に至って消滅する動きを示していることなどを論じた。
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新潟県北部言語接触地域における方言音声の経年比較―1高年層話者のガ行入り渡り鼻音の実態に即して―
大橋純一
秋田大学教育文化学部研究紀要 人文科学・社会科学部門 ( 70 ) 29 - 37 2015年03月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
新潟県北部には、日本語の古い発音であり、全国的にもほとんど類例のみとめられないガ行入り渡り鼻音が残存する。本稿では、2003年に実施した分布調査の中から、既に特徴的な事象の確認されている地点・話者(1高年層)について追跡調査を行い、約10年を隔てての実態を経年比較することを通して、当事象に生じている具体的な動態を分析・検討した。
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口唇形状からみたハ行唇音の痕跡の諸相
大橋純一
秋田大学教育文化学部研究紀要 人文・社会科学 ( 69 ) 1 - 10 2014年03月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
東北方言において衰退過程にあるハ行唇音の諸相を単に音声現象として見るばかりでなく、調音上の視覚的特徴の面からも併せ捉えることにより、変化の実相に迫ろうとした。その結果、聴覚的には分別されないものの中に諸種の口唇形状を示すものがあること、またそれらは当音が衰退していく過程の段階的特徴を表していることが示唆された。
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秋田県方言の特徴的アクセントおよび音韻に関する調査報告-若年層の動態と意識-
大橋純一
秋田大学教育文化学部研究紀要 人文・社会科学 ( 68 ) 69 - 75 2013年03月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
秋田方言に特徴的な音韻とアクセントについて調査し,それらの若年層における実態を明らかにした.また各話者の方言使用の意識についても調査し,それらが上記の各実態とどのように関連するかを考察した.その結果,実態の多様性と各話者の秋田方言に対する複雑な意識とが密接に関連することが把握された.
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非常時における言葉の人への効力-東日本大震災をめぐって-
大橋純一
いわき明星大学人文学部研究紀要 ( 25 ) 1 - 13 2012年03月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
震災時に様々に飛び交った「応援メッセージ」をとりあげ,それらが被災地の人々にどのような効力をもたらすものであったかを検証した.その結果,非常時には直情・訴え系の言葉よりも,客観・スローガン系の言葉がより効力を発揮すること,またその言葉の用いられるタイミングや実現性,根拠などが,平時よりも一層強く求められることが示唆された.
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方言使用の効用-その世代的位置と特性-
大橋純一
いわき明星大学人文学部研究紀要 ( 第24号 ) 32 - 50 2011年03月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
現代方言の特質とされる方言のアクセサリー化について,それのいわき市方言における実態を,祖父母世代・親世代・学生の3世代調査を通じて検討した.その結果,当方言では,システム方言とアクセサリー方言とが使用場面や対者関係に即して使い分けられる,高次のスタイル化の段階にあることが把握された.
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文発話レベルからみた東北シラビーム方言の現状
大橋純一
いわき明星大学人文学部研究紀要 ( 第23号 ) 87 - 105 2010年03月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
本稿は,東北シラビーム方言の現状を文発話レベルにおいて検討したものである.具体的には,当該特殊音の欠落に伴い,その隣接音を長・短呼する現象が規則的にみとめられること,それはモーラ単位の素地が前提となってはじめて生じうると考えられること,また当方言の現状がまさにそのような性質に推移しつつあると見なされることなどを論じた.
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音連続の区切りの認識と実際音との相関-東北シラビーム方言における-
大橋純一
いわき明星大学人文学部研究紀要 ( 第22号 ) 27 - 40 2009年03月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
東北シラビーム方言における特殊音素実現の実際を,音環境と語の性質の観点から追究.語末環境に拍の短呼が際立つこと,逆に連母音構造の語や擬音語などには短呼の事実がみとめがたいこと,よってシラビーム方言の現在は,従来のそれとはかなり性格を異にするものと考えられることを論じた.
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東北シラビーム方言における特殊音素の実現の実際
大橋純一
いわき明星大学人文学部研究紀要 ( 第21号 ) 28 - 40 2008年03月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
東北シラビーム方言における特殊音素実現の実際を,音環境と語の性質の観点から追究.語末環境に拍の短呼が際立つこと,逆に連母音構造の語や擬音語などには短呼の事実がみとめがたいこと,よってシラビーム方言の現在は,従来のそれとはかなり性格を異にするものと考えられることを論じた.
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東北シラビーム方言の調査法上の諸問題
大橋純一
いわき明星大学人文学部研究紀要 ( 第20号 ) 18 - 29 2007年03月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
東北シラビーム方言では拍の短縮が問題となるが,その具体的な実相を談話さながらに抽出することは極めて難しい.本論では,その課題を,複数の調査法(調査結果)を対照することで検討し,最も実態に相応しく,不測の少ない調査法が何であるかを追究した
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方言事象分布における使用語と理解語-『関東・東北境界域言語地図』調査に即して-
大橋純一
いわき明星大学人文学部研究紀要 ( 第19号 ) 32 - 43 2006年03月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
地図上に再現される方言事象分布は,多くは使用語に基づいて帰納されている.本論では,そこに理解語を加味し,分布相のズレからどういった意味を汲み取れるかを検討した.その結果,関東・東北境界域における伝播や変化の傾向性が把握された.
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関東・東北境界域方言の分布パターン
大橋純一
いわき明星大学人文学部研究紀要 ( 第18号 ) 108 - 118 2005年03月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
既刊『関東・東北境界域言語地図』の語彙項目について,そこにみとめられる分布パターンを4種12類のものに分類した.その結果,関東・東北方言の具体的な干渉,相互の受容やせめぎ合いの様相が明らかとなった.
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東北方言無型・有型境界地域のアクセント
大橋純一
いわき明星大学人文学部研究紀要 ( 第17号 ) 15 - 33 2004年03月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
東北方言有型・無型境界域アクセントの現状を,宮城県中・北部を対象に追究した.従来,主としてアクセントの曖昧性がとりざたされてきた当域であるが,現在状況に基づく限りでは,むしろ類対立を骨子とした体系的変化をみとめうることを論じた.
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東北方言の二拍名詞・動詞アクセント-型区別の地理的・年代的状況に即して-
大橋純一
いわき明星大学人文学部研究紀要 ( 第16号 ) 83 - 94 2003年03月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
東北方言の二拍名詞・動詞アクセントについて,型区別の地理的・年代的状況を検討した.その結果,北西部の有型地域と南西部の無型地域とが全年層を通じて明確に対立すること,その一方で,その狭間にある地域がいかにも中間地域らしい曖昧的様相を呈すること,等が明らかになった.
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東北方言2モーラ名詞第四・五類アクセント-東西沿岸地域の比較を中心に-
大橋純一
いわき明星大学人文学部研究紀要 ( 第15号 ) 9 - 22 2002年03月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
東北方言には2モーラ名詞第四・五類アクセントが第二音節末の母音広狭に支配される現象がある.本論では,その現在状況を東西沿岸地域を比較することを通して追跡.東部の変化が西部のそれよりも後行していること,それには第一音節末の母音広狭も密接に関わっていると考えられることを論じた.
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東北方言における/ki/の地理的・年代的諸相と展開-/k/子音と/i/母音との関連性に着目して-
大橋純一
言語科学論集 ( 第1号 ) 19 - 23 1997年12月 [査読有り]
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
東北方言の/ki/の実相を音響学的手法により分析した.また,その地理的・年代的状況に基づき,/ki/の破擦的様相が徐々に破裂的性質へと推移しつつあること,それには,/k/の二重調音的発音と/i/の中舌的発音とが深く関わっていると考えられることを論じた.
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宮城県中新田町方言の記述的調査報告
大橋純一
東北文化研究室紀要 ( 第38集 ) 5 - 14 1997年03月
研究論文(大学,研究機関紀要) 国内共著
宮城県中新田町の伝統的方言を,音声・語彙・文法の諸方にわたり記述した.筆者は,そのうちの「子音の有声化・鼻音化」,「アクセント」の項を分担・執筆.各々の特徴を音響分析に基づいて明らかにした.