学会等発表 - 大橋 純一
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コロナ禍における方言研究-「方言研究支援プロジェクト」から-
大橋純一,二階堂整,高木千恵
日本方言研究会第113回研究発表会 (オンライン) 2021年10月 - 2021年10月 日本方言研究会
コロナ禍における方言研究のあり方について、調査(特に面接調査)に関わる問題を解決していくことと、面接調査に頼らないさまざまな研究を推奨することの2つの視点から検討した。
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場面設定会話に見える音声および韻律的特徴の考察
大橋純一
被災地方言会話集の分析・研究発表会 (東北大学) 2017年11月 - 2017年11月 東北大学
東北大学が調査・刊行した『生活を伝える被災地方言会話集』を基礎資料とし、そこに現れる韻律的特徴について考察を行った。具体的には、発話者の相手への働きかけに応じて、F0、intensity,dbなどの出現の仕方が大きく異なることを論じた。
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方言音声の追跡調査―新潟県北部のガ行入り渡り鼻音について―
大橋純一
言語地理学フォーラム (国立国語研究所) 2015年06月 - 2015年06月
新潟県北部には、全国的にも例が少ないガ行入り渡り鼻音が残存する。本発表では、当域を対象に2003年に行った分布調査(前調査)を基礎資料とし、それから約10年を隔てて実施した追跡調査(本調査)の結果を報告した。具体的には、前調査時に発音にゆれのあった1高年層話者に着目し、変化の過渡的状況を示すと思われる同話者が、本調査においてどのような実態にあるかを検討した。
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方言音声の変化を捉える視点―口形分析に即して―
大橋純一
新潟県方言研究会 (アトリウム長岡) 2014年03月 - 2014年03月
方言音声は現在、多くは衰退の只中にある。またそうであるが為に、然るべき視点とアプローチ法によらなければ、衰退過程の段階的な特徴が見落とされかねないことを私たちは自覚しなければならない。その一例として、本発表ではハ行唇音の口形分析を実施し、聴覚的な音声の把握だけでは捉えられにくい変化の一端を例示した。
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東北方言音声の変化の諸相
大橋純一,小林隆,半沢康,鑓水兼貴,日高水穂
国立国語研究所公開研究発表会(シンポジウム) (コラッセふくしま) 2013年12月 - 2013年12月 国立国語研究所
シンポジウムの全体テーマ「東北方言の特徴と形成」に対して、音声の立場から、中でも変化の諸相の面に焦点をあてて調査報告を行った。具体的には、東北方言音声の変化には“有か無か”という択一的な観点ではその実相に迫れないものがあること、またそれらの究明のためには、従来の聴覚的分析に加え、口唇をはじめとする調音上の視覚的分析を志向することが必要であることを論じた。
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文化としての方言 絆としての方言―東日本大震災、被災地からの発信―
大野眞男・大橋純一他
文化庁委託事業研究報告会 (仙台国際センター) 2013年03月 - 2013年03月 弘前大学・岩手大学・東北大学・福島大学・茨城大学・国立国語研究所
文化庁委託事業による研究。東日本大震災後の方言実態について、実際に現地に赴きつつ、また人々の言語意識を汲みとりつつ、調査・記述した。被災地である青森・岩手・宮城・福島・茨城県の各沿岸地域が対象であるが、発表者はその中の岩手県調査を分担した。
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津軽地方の談話文における拍の長短現象について
大橋純一
新潟県方言研究会 (アトリウム長岡) 2010年03月 - 2010年03月 新潟県方言研究会
青森県つがる市稲垣町方言における拍の長短現象(それの文発話レベルの特徴)について,音響分析による検証結果を踏まえつつ,分析・考察を行った.その結果,特殊音の欠落に伴う拍の立て直しとも見うる現象が確認された.
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東北シラビーム方言の現状
大橋純一
新潟県方言研究会 (アトリウム長岡) 2009年03月 - 2009年03月 新潟県方言研究会
東北シラビーム方言の現状を音響分析による客観的データを用いて明らかにするとともに,それの音韻史的な意味を検討.さらに年代的な動向を踏まえつつ,その今後を展望した.
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東北方言話者の発話リズム-おばさんと大場さんの発音境界をめぐって-
大橋純一
科学研究費研究報告会 (いわき明星大学) 2009年02月 - 2009年02月 科学研究費研究報告会
東北方言では長音に独立した長さが付与されず,「おばさん」と「大場さん」といったミニマルペアの発音境界が判然としないことが間々ある.本報告では,その様相を具体音声を用いて明らかにするとともに,それらの音韻史的要因について検討した.
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国際社会・国際交流における方言の役割
大橋純一
新潟県方言研究会 (アトリウム長岡) 2007年03月 - 2007年03月 新潟県方言研究会
日本在住の外国人は,地域社会での言語生活の必要上,いわゆるインフォーマルな日本語の習得に意欲的だと言われる.本発表では,福島県いわき市在住の外国人を対象にいわき方言に対する意識調査を行い,国際社会・国際交流における方言の果たす役割,その功罪について検討した.
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新潟県方言音声の研究(1)-岩船郡関川村南 赤谷方言の音声
大橋純一・大橋勝男
新潟県方言研究会 (アトリウム長岡) 2006年03月 - 2006年03月 新潟県方言研究会
新潟県関川村方言の音声特徴を,音響分析を駆使しつつ,体系的に明らかにした.具体的には,母音四角形が/u/の退宿と相まってV字型に実現されること,ガ行の入り渡り鼻音が音節によっては現れる場合のあることなどを論じた.
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いわゆる境界域方言における分布の諸相
大橋純一
新潟県方言研究会 (アトリウム長岡) 2005年03月 - 2005年03月 新潟県方言研究会
いわゆる境界域方言は,具体的な言語変容を見ようとした時,1つの格好のフィールドとなる.その実践を関東・東北の境界域に求め,各領域が葛藤・反発(時に融合)し合う様相を分布図に基づいて明らかにした.
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新潟県南部方言のオ段長音開合現象-一老年男性の口形・音響的実相について
大橋純一・大橋勝男・河内秀樹
国語学会 (信州大学) 2003年11月 - 2003年11月 国語学会
新潟県南部方言のオ段長音開合現象を,老年男性の口形・フォルマント分析,ビデオ解析によって客観的に明らかにした.結果,開音系の語にはその痕跡がほとんどみとめがたいこと,合音系語にはむしろ色濃い残存の様相がみとめられることが明らかになった.
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新潟県岩船郡神林村七湊方言における語中・尾ガ行鼻音
大橋純一
新潟県方言研究会 (アトリウム長岡) 2003年08月 - 2003年08月 新潟県方言研究会
新潟県北部に存在が指摘されている語中ガ行入り渡り鼻音について,神林村七湊方言対象に分析.その結果として,当方言では現象の存在こそ確かではあるが,鼻音介入の度合いに音節による程度差や若干の年代差が存在することを論じた.
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新潟県方言オ段長音開合現象の研究 -中魚沼郡津南町大字結東前倉方言における一老年男性の場合-
大橋純一・大橋勝男・河内秀樹
新潟県方言研究会 (アトリウム長岡 ) 2003年03月 - 2003年03月 新潟県方言研究会
秘境秋山郷(津南町)のオ段長音開合現象を,1老年男性に基づいて追究.現象の衰微ないしは残存の仕方に,語の性格や新旧に基づく規則性がみとめられることが明らかになった.
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東北・越佐方言におけるオ段長音開合現象
大橋純一
危機言語音韻研究発表会 (東京女子大学) 2003年03月 - 2003年03月 危機言語音韻研究発表会
東北,越後,佐渡の3領域に残存のみとめられるオ段長音開合現象について,その各々の残存の様相を分析.東北と佐渡の開合現象が類似の傾向を示すのに対し,越後のそれは地域差を示すこと,かつその差は開合の分別が衰微していく過程の段階的な遅速差とみなしうることを論じた.
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新潟県方言オ段長音開合現象の研究-中魚沼郡津南町大字結東前倉方言における一老年女性の口形・音響的実相について-
大橋純一・大橋勝男・河内秀樹
新潟県ことばの会 (新潟大学) 2002年11月 - 2002年11月 新潟県ことばの会
新潟県津南町前倉方言におけるオ段長音開合現象を,発音者の口形分析,実相のフォルマント分析,それらと共通語音声との対比などを通して明らかにした.また,聴覚印象との照合を踏まえ,どのような語に開合の区別を残しているかを分析検討した.
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東北方言等におけるオ段長音開合の残存
大橋純一
日本文芸研究会 (いわき明星大学) 2002年10月 - 2002年10月 日本文芸研究会
東北方言を中心に残存のみとめられるオ段長音開合現象について,その各々の現状をビデオ解析や音響分析などを通して視覚的に明らかにした.と同時に,それらが地域間でどのような異同を示すか,年代的にどのような衰微の実態にあるのかを論じた.
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新潟県方言オ段長音開合現象の研究-中魚沼郡津南町大字結東前倉方言における一老年女性の場合-
大橋純一・大橋勝男・河内秀樹
新潟県方言研究会 (アトリウム長岡) 2002年08月 - 2002年08月 新潟県方言研究会
中世日本語音声の痕跡とされるオ段長音開合現象について,新潟県山間域の老女性1名を対象に調査追究を行った.具体的には,調査語内の歴史的開音系語・合音系語による分別を行い,その各々が開的に発音されるか合的に発音されるかを観察・記述した.
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東北方言の拍節とリズム-いわゆるシラビームの問題に着目して-
大橋純一
国語学研究会 (東北大学) 2000年10月 - 2000年10月 国語学研究会
東北方言の拍節現象を文単位に分析.特にシラビーム現象が顕著とされる秋田方言を対象に,その実態を見た.結果,隣接音との関連で,当該特殊音部分が,時に長短自在な様相を呈する場合のあることが明らかになった.
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新潟県寺泊方言のテンス・アスペクト・モダリティ
大橋純一
中越方言研究会 (アトリウム長岡) 2000年08月 - 2000年08月 中越方言研究会
新潟県寺泊方言の時間表現を自然談話に即して分析.その特徴をモダリティにも着目しつつ追究した.その結果,当方言では,時間的視点のほとんど関わらない超テンス的現象が多見されることが明らかになった.
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日本語音声の動態-東日本における方言音声の動態-
大橋純一・加藤正信・久野眞・斎藤弘子・柴田実
日本音声学会 (東北大学) 1999年09月 - 1999年09月 日本音声学会
左記標題テーマによる公開シンポジウムにおいて,パネラー発表を行った.具体的には,関東・東北地方域の音韻・アクセント事象について,現状を報告すると共に,その現状の背景的な事情,それの日本語音声全般の動きの中で占める位置について検討した.
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東北・越後方言の拍節現象
大橋純一
中越方言研究会 (アトリウム長岡) 1999年08月 - 1999年08月 中越方言研究会
東北・越後方言のいわゆるシラビーム現象について,特殊音別の音響分析を行った.その結果として,当域方言のシラビーム的性質は長音のみに顕著であること,また,それは,各特殊音の歴史的な成立事情の差異に起因するものであろうことを論じた.
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東北方言の鼻音化現象について-子音間における鼻音化率の差異とその要因-
大橋純一
国語学会 ( 同志社大学) 1999年05月 - 1999年05月 国語学会
東北方言の鼻音化現象について,その全域的な究明を基調としつつ,そこからうかがえる子音ごとの具体相,鼻音介入の度合い,鼻音化率の差異の要因を総合的に究明しようとした.また,それに基づき,発音運動の合理性の観点から,国語音声において特徴的であったとされる鼻音化現象が衰微していく過程を通時的に跡づけようとした.
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埼玉県東部アクセントの研究-久喜市北青柳の年代差に見る特殊アクセントの変遷-
大橋純一
国語学研究会 (東北大学) 1999年04月 - 1999年04月 国語学研究会
埼玉特殊アクセントの一端を成す久喜式アクセントについて,現在状況とそれの過去からの変化動向とを追究.一見複雑に見える当アクセントに,音調規則に基づいた一定の変化動向がみとめられることを論じた.
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東北方言における/ki/の発音実相とその史的展開
大橋純一
日本方言研究会 (大阪市立大学) 1997年11月 - 1997年11月 日本方言研究会
東北方言の/ki/の発音には,著しい口蓋化がみとめられると言われる.その実相を音響学的に分析.等しく口蓋化音とは言え,そこには種々の相が存在することを明らかにし,それらの地理的分布から,当方言における/ki/の実相の史的展開を追究した.
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東北方言におけるai連母音の発音実相とその原理-地理的・年代的状況に即して-
大橋純一
国語学研究会 (東北大学) 1997年05月 - 1997年05月 国語学研究会
東北方言における連母音融合音の実相を音響分析し,そこに種々の音声的バリエーションがみとめられることを明らかにした.また,非融合音や年少者の発音との比較を通し,それらのバリエーションが母音相互の干渉がもたらす有意味な現象であることを論じた.
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南東奥方言における語中・尾カ行子音の有声化現象
大橋純一
方言研究ゼミナール (静岡観月園) 1996年04月 - 1996年04月 方言研究ゼミナール
語中・尾カ行子音有声化の実態を,場面差に着目して分析.当人が習慣的に有する発音形態とその一方で働く場面的制約との狭間で,有声音とも無声音とも分別しがたい曖昧な中間相が生起することになっていること,それは音響的にも検証されることを論じた.
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埼玉特殊アクセントのいわゆる曖昧化・一型化現象について-その本質的性格と変化動向における意味-
大橋純一
国語学会 (新潟大学) 1995年10月 - 1995年10月 国語学会
埼玉特殊アクセントは曖昧・一型的性質のものであるとする従来説に対し,多数語1回発音調査,特定語複数回発音調査,話者の音調意識調査,ピッチ曲線の音響分析調査の各観点から多角的に検証.その結果,年層的な動向も含め,むしろ体系的・多型的性質のものと見ざるをえないという結論を得た.
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埼玉特殊アクセントのピッチ差についての音響学的考察
大橋純一
中越方言研究会 (長岡けさじろ荘) 1995年03月 - 1995年03月 中越方言研究会
低差が曖昧とされる当アクセントのピッチ状況を音響学的に分析.その傾向は,必ずしも一律に言いうるものではなく,語類間には明確な差異が存在すること,その差異は,当アクセントの性質を捉える上でも,重要な要点の一つになってくることを論じた.
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埼玉県東部特殊アクセントの研究
大橋純一
国語学研究会 (東北大学) 1995年01月 - 1995年01月 国語学研究会
埼玉特殊アクセントの実態を,典型代表3地点の比較によって追究.第四・五類の変化動向を根拠として,当特殊アクセントが体系的性質のものであると考えられることを主張した.
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埼玉県特殊アクセントの動向-蓮田市における二拍名詞の年代的調査から-
大橋純一
日本音声学会 (同志社大学) 1994年09月 - 1994年09月 日本音声学会
特殊音調として知られる埼玉県蓮田市の二拍名詞アクセントについて,多人数話者の分析を通して追究.特定語類の不変化という事態を捉え,当音調の一般変化とは一線を画する性格を有すると考えられることを論じた.