所属 |
教育文化学部 地域文化学科 国際文化講座 国際文化コース |
生年 |
1975年 |
研究室住所 |
秋田市手形学園町1番1号 |
研究室電話 |
018-889-2666 |
メールアドレス |
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佐藤 猛 (サトウ タケシ)
SATO Takeshi
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出身大学院 【 表示 / 非表示 】
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2000年04月-2005年06月
北海道大学 文学研究科 歴史地域文化学専攻 博士課程 修了
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1998年04月-2000年03月
北海道大学 文学研究科 西洋史学専攻 修士課程 修了
職務経歴(学内) 【 表示 / 非表示 】
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2018年04月-継続中
秋田大学 教育文化学部 地域文化学科 国際文化講座 国際文化コース 准教授
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2014年04月-2018年03月
秋田大学 教育文化学部 地域文化学科 人間文化講座 人間文化コース 准教授
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2008年04月-2012年09月
秋田大学 講師
職務経歴(学外) 【 表示 / 非表示 】
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2021年10月-2022年03月
放送大学秋田学習センター 非常勤講師
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2009年04月-2010年03月
放送大学秋田学習センター 非常勤講師
学会(学術団体)・委員会 【 表示 / 非表示 】
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2009年04月-継続中
日本国
西洋中世学会
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2008年10月-継続中
日本国
東北史学会
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2008年10月-継続中
日本国
秋田大学史学会
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2006年10月-継続中
日本国
西洋史研究会
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2005年05月-継続中
日本国
史学会
研究経歴 【 表示 / 非表示 】
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フランス・アンジュー地方から見た百年戦争終結についての研究
科学研究費補助金
研究期間:
2019年04月-2023年03月研究活動内容
百年戦争の最終局面とされてきた1430年代~1453年に関して、当時アンジュー地方を治めた公ルネ(位1434~1480年)が、戦闘と平和交渉を含む戦争の展開にどのように関与したかを、相互に関連する以下の三つの視点から検討する。
1.アンジューの地方的利害
2.英仏平和交渉への反映
3.仏王の対英政策の過激化
これにより、アンジューの地方的利害が、終戦のプロセスにいかなる影響を及ぼしたかの解明を目指す。研究課題概要
英仏の歴史に多大な影響を及ぼした百年戦争(1337~1453)は、なぜこれほど長期化したのか。この問題は従来、英の大陸所領の存在や仏王位継承など、戦争の原因解明を通じて考察されてきた。これに対し、戦争終盤において、なぜ平和条約の締結に至らず戦争状態のみが長引いたのかは問われることなく、終戦のプロセスについては未解明な点が多い。 本研究では、戦場となったフランス諸地方を治めた諸侯達が、平和交渉を含む戦争の展開にどのような利害を持ち、いかに関わったかの検討を通じて、終戦のメカニズムを解明することを目的とする。こうして、百年戦争の終息を英仏王家の二項対立ではなく、フランス諸侯層を加えた多面的な対立構造の観点から捉えることができれば、前半戦と後半戦を別次元の紛争と捉える従来の研究に対して、その再統合を迫るものとなる。
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中世末期アンジュー地方における巡回裁判集会の組織と機能
科学研究費補助金
研究期間:
2016年04月-2020年03月研究活動内容
病気のため中途辞退
研究態様:個人研究
研究課題概要
中世末期(14世紀~16世紀初頭)フランス王国の多元的構造の一翼を担った諸侯国(principautés)の中から、アンジュー地方における巡回裁判集会(assises)の組織と機能を1)国王裁判権との接合、2)実際の訴訟業務、3)裁判集会の担い手の視点から検討することにより、近代国家的統合の始動局面において、王国-諸侯国-地元社会という伝統的な地域編成が司法面においてどのように変容したかを明らかにすることである。その目的は、諸侯裁判権の機能を王権と地元社会の接点として考察し直すことにより、近年の近代国家生成論が捨象している諸侯層の位置づけを解明し、国家的統合の始動に関する歴史像を中央集権化の過程としてではなく、多様な地方的権力体が果す役割の再編成過程として再検討していくことである。
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15・16世紀フランス王権による慣習法書編纂と王国地方統治
科学研究費補助金
研究期間:
2011年04月-2015年03月研究活動内容
1:王権による慣習法成文化の目的(国王裁判所改革の動向、慣習法に関わる諸王令の内容)
2:慣習法書編纂会議の具体相(会議の手続、議事、王権側代表と地方諸身分の利害対立)
3:編纂後の王国地方統治の実態(諸国王裁判所での訴訟、慣習法書改定、慣習法学の発展)
研究期間と史料上の制約ならびに申請者のこれまでの研究成果との関連から、主に1と2に限定して、王権は王国統治上のいかなる目的から地方法慣行の成文化を進め、これに対して、各地の地方権力はどのように反応し、両者の利害のせめぎ合いのなか、慣習法書はいかなる経緯をへて編纂にいたったかという点までを明らかにする。研究課題概要
15・16世紀における王国地方統治の実態解明という目的のもと、王権と諸地域は慣習法書の編纂をめぐってどのような交渉を行い、そこでいかに衝突、妥協したのかを明らかにする。 慣習法書編纂にいたる王権と諸地域の対話の様相を明らかにするには、王権側と地方側の双方に目を配り、次のような問題を検討する必要がある。
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紛争解決制度化の比較史-前近代における「裁判」と「裁判外」-
科学研究費補助金
研究期間:
2011年04月-2014年03月研究活動内容
分担者として、中世後期のフランスを担当。当時のフランスにおける最高法廷であるパリ高等法院と、王への嘆願手続きが、実際の紛争解決のなかでどのように利用されたかについて、北仏のコミューン都市ノワイヨンの城壁をめぐる市民、司教、国王バイイの紛争を通じて検討した。
研究態様:国内共同研究
研究課題概要
前近代における西欧及び日本の多様な地域における紛争解決方法の様態を解明。
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紛争解決類型の比較史―前近代における社会的調整のありかた―
科学研究費補助金
研究期間:
2008年04月-2011年03月研究活動内容
前近代の西洋と日本を対象として、裁判と裁判外という類型を軸に紛争解決のあり方に関する比較研究において、研究分担者として中世フランスを担当した。
主に、中世後期フランスにおける国王裁判権のなかから、聖俗大貴族による同輩裁判、パリ高等法院の裁判(上訴)、王本人への嘆願などに注目して、各年1回ずつ研究報告を行った。研究態様:国内共同研究
学位論文 【 表示 / 非表示 】
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中世末期フランスにおける王権と諸侯権―王国の統合プロセスに関する一考察―
佐藤猛
2005年06月
単著
百年戦争期のフランスにおいては、国民意識の萌芽が現れたといわれる。当時の王権と諸侯権の関係を制度史の方法によって総合的に考察し、両者の独特な関係、そしてその関係に立脚した王国の統合原理の一端を明らかにした。当時、王権を頂点に政治体制のもと、諸侯国の統治組織は王国統治機構の一翼としての位置づけを付与され、機能していた。ここから、諸侯権を軸とする多極的国制構造を析出し、近世に向けての展望を示した。 -
14・15世紀フランスにおける王権とアパナージュ
佐藤 猛
1999年03月 [査読有り]
単著
中世フランス王家において、長男が王位を継承し、かつ長男が存命中、次・三男に王領の一部を分与する親王領システムを取り上げた。
まずは、親王領の設定意義が、14世紀中葉における百年戦争勃発を境として、次・三男の生活や名誉維持を保証することで王家の内紛を避けることに加えて、王国最高の貴族として王を支えるための諸侯の創出とそれに見合う領地を授与することが重視されていったことを親王領の創設文書から明らかにした。
次に、こうした統治観が実際の王国統治についていかに表れているのかについて、王国司法の側面、具体的には親王が自身の領地の裁判業務を遂行するために開催を認められたグラン・ジュールの運用について検証した。
以上より、百年戦争の勃発に伴い、王国の中央と地方の関係が大きく変容していったことを具体的に示した。
研究等業績 【 表示 / 非表示 】
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百年戦争勃発と北フランス都市防備の主導権争いーノワイヨン市壁修理訴訟の蒸し返しを事例にー
佐藤猛
日仏歴史学会会報 ( 日仏歴史学会 ) ( 36 ) 3 - 20 2021年06月 [査読有り]
研究論文(学術雑誌) 単著
1339年、フランス王の命令に端を発したノワイヨンの市壁修理訴訟を事例として、英軍南下の防波堤となった北フランスの動向を、略奪や課税といった従来の観点とは異なる観点に立ち、特にパリ高等法院の訴訟要録を王の証書や王令と組み合わせて、現地住民の思惑という観点から、考察した。この結果、司教と市民の闘争が「嘆願」と「訴訟」という、12世紀初頭のコミューン結成時には存在しなかった手続を駆使して戦う様子を明るみに出した。それは、コミューン運動の再興という側面を合わせ持つものであった。
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1444年トゥール休戦協定の成立過程とフランス諸侯
佐藤 猛
関西大学西洋史論叢 ( 22 ) 59 - 80 2020年03月 [査読有り]
研究論文(学術雑誌) 単著
百年戦争末期については、1435年のアラス平和条約以降、仏の軍事的優勢に対する英の国内混乱が強調され、それらのことが1453年の戦争終結と仏勝利の前提となったと考えられている。これに対して、1444年のトゥール休戦協定に至る英仏和平交渉の内容とそこに関わった英仏の代表者層の行動を考察することで、以下のことを明らかにした。この頃、英側の主張は仏王位継承及び領土割譲の両面において、表面上は衰退どころか急進化する。それは軍事的劣勢を交渉で補おうとした結果とも考えられるが、英国内の和平派と主戦派の争いも反映された。一方、仏側においても王権の軍政・財政改革に対する諸侯層の反発があり、王は英との和平交渉にあたり諸侯の要求を呑まねばならなかった。15世紀中葉、戦争にはもはや英仏王家間だけの問題ではなく、両国諸侯層を含めた多様な利害が絡んでいた。そのことが、戦争の終息をますます難しくしていた。
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一五世紀中葉におけるルネ・ダンジューの慣習法改正命令
佐藤猛
秋大史学 64 1 - 27 2018年03月 [査読有り]
研究論文(学術雑誌) 単著
フランス王国における中世末期(一四・一五世紀)は王権の集権化を基準として、百年戦争のもと絶対王政への移行が進むと評価されてきたが、近年この見方は貴族の最上層を占める諸侯権の拡充強化を軸に再検討されている。本発表では、一五世紀に王国全土で進展した慣習法の編纂という問題から、仏北西部の諸侯領、アンジュー公領における展開の分析を通じて、諸侯領の国制上の位置付けを考察した。
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一五・一六世紀フランスにおけるいくつもの高等法院―「地方高等法院体制」をめぐる予備的考察―
佐藤 猛
秋大史学 ( 56 ) 1 - 29 2010年03月 [査読有り] [招待有り]
研究論文(学術雑誌) 単著
百年戦争終結前後のフランスにおいて、王の最高法廷がパリ以外にも複数設置されていく、いわゆる「地方」高 等法院体制の解明に取り組んだ序説である。本研究 は、16 世紀末に計 8 つとなった地方高等法院設立をめぐる多様な動向を、各地の地域史研究とともに王令テキ ストを用いた比較検討を通じて、パリ以外における高等
法院の存否が、百年戦争末期の時点における当該地城と王権との距離感と密接不可分であるとする視角を提示した。 -
中世後期におけるフランス同輩と紛争解決
佐藤 猛
西洋史研究 ( 37 ) 199 - 209 2008年11月 [査読有り] [招待有り]
研究論文(学術雑誌) 単著
王権による統一的な裁判機構が整う以前の西洋中世において、社会上層部の貴族間の紛争がどのように解決されたかに関する比較研究のなかで、フランス王国の事例を扱った。14·15世紀のフランスでは、各種裁判権が王を頂点にピラミッド上に整除されるかな、貴族層はそれぞれの職務と地位に応じて、高ランクの国王裁判所 に裁判籍を与えられ、とりわけ王家の血統に近い貴族はパリの最高裁判所への直属を志向したことを明らかにした。
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イザベル・ド・フランスと英仏外交
佐藤 猛
秋田魁新報 ( 秋田魁新報社 ) 2024年09月
総説・解説(商業誌) 単著
仏王フィリップ4世の一人娘にして、英王エドワード2世の妻となったイザベルが当時緊張を高めつつあった英仏外交において仲介者であり、導き手としての役割を果たした役割を、古代ギリシア哲学に由来する中世的ジェンダー観に位置づけて論じた。
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ジャンヌ・ダルクの預言と使命
佐藤 猛
秋田魁新報 ( 秋田魁新報社 ) 2023年11月
総説・解説(商業誌) 単著
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英仏百年戦争と長い休戦
佐藤 猛
秋田魁新報 ( 秋田魁新報社 ) 8 - 8 2022年09月
総説・解説(商業誌) 単著
英仏百年戦争を人々の集まりの側面から考察する。約100年間を通しての戦闘と和平交渉のサイクルを背景として、特に1396年、英仏の王の叔父たちがパリで取り決めた28年間の休戦協定の目的は何だったのかを論じた。
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百年戦争は誰のための戦いだったのか~和平関連文書における当事者表示~
佐藤猛
ヨーロッパ中世・ルネサンス研究所 公式ブログ ( ヨーロッパ中世・ルネサンス研究所 ) 2021年12月
総説・解説(大学・研究所紀要) 単著
第三十一回中世・ルネサンス研究会(2021年10月17日(日)オンライン)における研究発表の要旨である。
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コロナ禍で立ち上がるジャンヌ・ダルク
佐藤猛
秋田魁新報 8 - 8 2021年10月
総説・解説(商業誌) 単著
ジャンヌ・ダルクの生前の足跡と死後の語り継がれ方を「旅」に喩えて論じた。2021年春開催のジャンヌ・ダルク祭についても紹介した。
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中世後期アンジュー公国におけるルネ・ダンジューの奉仕者集団(2)
佐藤猛
秋田大学教育文化学部研究紀要人文・社会科学第75集別冊 75 39 - 49 2020年03月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
中世後期のヨーロッパにおいて、フランス西部、独仏国境、南イタリアに所領を広げたアンジュー公ルネに仕えたボーヴォー家の社会的上昇過程について、主にベルトラン・ド・ボーヴォーのフランス内外における活動を検討した。この結果、アンジュ―公領を越えてパリの中央政界にも進出いた同家に対して、ルネはその強大化に警戒しはじめたこと、ならびにルネ自身がフランス諸侯の一人として、王国の地域社会と中央パリを結ぶ人勢登用の回路となったことを明らかにした。
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中世後期アンジュー公国におけるルネ・ダンジューの奉仕者集団(1)
佐藤猛
秋田大学教育文化学部研究紀要人文・社会科学第74集別冊 74 45 - 54 2019年03月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
中世後期のヨーロッパにおいて、フランス西部、独仏国境、南イタリアに所領を広げたアンジュー公ルネに仕えたボーヴォー家メンバーの活動について、14世紀末から15世紀前半までの家門の社会的上昇の過程をアンジュ―・セネシャル職の世襲からプロヴァンス・セネシャル職への就任を事例に検討した。この結果、当該家門が王権に取り立てられる上で、地元アンジュ―での軍事奉仕とともにルネの地中海政策への資金援助が重要な役割を果たしたことを明らかにした。
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1477年ブルゴーニュ高等法院の設立
佐藤猛
秋田大学教育文化学部研究紀要 人文科学・社会科学部門 66 45 - 55 2012年03月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
15世紀中葉以来、百年戦争終息期のフランスにおいて、なぜ高等法院とよばれる王の最高裁判所が増設されたのかという問題について、王国で5番目となるブルゴーニュ高等法院の設立過程を検証した。本高等法院に関しては、これまで主に地方史において取り上げられ、そこで高等法院の増設は王権による当地併合の自明の帰結と捉えられ、その王国統治上の意義を問われることはなかった。そこで本論文では、高等法院の設立過程を王権と地元諸身分のせめぎ合いのなかに位置づけ直して検討し、その上で設立文書をはじめとする国王証書を再検討した。
ブルゴーニュ高等法院の設立は、一般的に説明されるように同公・伯領の服属に伴って自動的に行われたのではなく、すでに慣習法圏を形成してきた地元からの諸侯裁判権維持の要求とともに、王権側におけるパリと地元の距離やパリ高等法院の負担軽減、さらに直前まで敵対してきた当地のエリート層を王権側に惹きつけるなど、さまざまな要因が重なって実現したものであった。また国王証書の再検討からは、王権による諸侯裁判権の継承と改変の措置が混ざりあっていたことを明らかにした。パリから自立した裁判管轄圏の生成は、以上の地元側および王権側のさまざまな利害のもとに進行し、ここに百年戦争後の王国地方統治の一特質を指摘することができる。 -
14・15世紀フランスの諸侯領における上訴法廷(cour d’appel)の創設
佐藤 猛
西洋史論集 ( 4 ) 43 - 64 2000年03月
研究論文(大学,研究機関紀要) 単著
① 諸侯国が果たした国制的役割を探るため、その最上級裁判所である上訴法廷に注目する。とくに、その創設文書の分析を通じて、法廷創設の意義を考察した。百年戦争の勃発により、王国最高裁のパリ高等法院に上訴が殺到するなか、王は諸侯国の紛争解決能力を高めるかたちで、上訴法廷の設置を促し、諸侯国からの上訴の削減を図った。ここで、パリの訴訟業務の一端が各地の諸侯国に分散された。百年戦争期において、王の統治業務が増加するなか、諸侯の統治組織が王権の主導下に整備され、諸侯国が王国の下位区分としての機能をおびつつあったことを、結論付けた。
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<書評>上山益己『中世世紀北フランスの諸侯権力』(大阪大学出版会、2021年)
佐藤 猛
西洋史学 ( 日本西洋史学会 ) ( 274 ) 82 - 84 2023年02月 [査読有り]
書評,文献紹介等 単著
上山益己『中世世紀北フランスの諸侯権力』(大阪大学出版会、2021年)について、3つの研究史上の意義に沿って論評した。
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コロナ禍と人文学ー『ペストの古今東西~感染の恐怖、終息への祈り~』(秋田文化出版、2022年9月30日)の刊行
佐藤 猛、佐々木 千佳、内田 昌功、羽田 朝子、佐々木 和貴
みなおと(秋田大学教育文化学部・教育学研究科情報誌) ( 51 ) 15 2023年01月
速報,短報,研究ノート等(大学,研究機関紀要) 国内共著
共編著『ペストの古今東西~感染の恐怖,終息への祈り~』(秋田文化出版,2022年9月30日)の刊行にいたるまでの経緯を踏まえて,コロナ禍の中での人文学の可能性について論じた.
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<書評>阿河雄二郎 『近世フランス王権と周辺世界――王国と帝国のあいだ』刀水書房
佐藤猛
図書新聞 ( 武久出版(株) ) ( 3563 ) 3 - 3 2022年10月
書評,文献紹介等 単著
近世フランス王国を「帝国」として捉え、海の世界との関係を解明することを通じて、革命に至る王国の変容を王国の枠を越えるつながりに注目し、ダイナミックに描くことに成功した書物として論評した。
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<書評>朝治啓三「シモン・ド・モンフォール研究の現在ーアンジュー帝国の視点から」
佐藤猛
法制史研究 ( 株式会社 成文堂 ) 69 277 - 279 2020年03月
書評,文献紹介等 単著
朝治啓三「シモン・ド・モンフォール研究の現在ーアンジュー帝国の視点から」『関西大学文学論集』67-4について、著者も参照するティリの研究動向論文と比較検討しながら、1)副題にあるアンジュー帝国とのかかわりについてと、2)「革命」という用語の用い方を軸に書評を行った。
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<新刊紹介>堀越孝一訳・校注『パリの住人の日記』I~III、八坂書房、2013~2019年
佐藤猛
史学雑誌 ( 公益財団法人 史学会 ) 128 ( 6 ) 97 - 98 2019年06月
書評,文献紹介等 単著
標記出版物についての紹介である。
◆原著論文【 表示 / 非表示 】
◆総説・解説【 表示 / 非表示 】
◆⼤学,研究機関紀要【 表示 / 非表示 】
◆その他【 表示 / 非表示 】
Book(書籍) 【 表示 / 非表示 】
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西洋中世学会 ( 担当: 共著 )
丸善出版 2024年12月 ISBN: 978-4621310199
事典・辞書
西洋中世の歴史に関して歴史、商業、衣食住、信仰、文学、美術、建築、哲学、ジェンダー研究、さらには後世での受容までも含め解説し、学際的な構成を採る事典である。「百年戦争」の項目を執筆した。
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佐藤 猛, 林 武司, 臼木 智昭, 荒井 壮一, 大橋 純一 ( 担当: 編者 )
秋田文化出版 2024年11月 ISBN: 978-4870226203
学術書
秋田大学教育文化学部地域文化学科の一年次向け必修科目「秋田学基礎」と「地域学基礎」の内容の一部について、授業担当者がそれぞれの専門分野に即して執筆した学術書。地元企業である秋田文化出版株式会社と連携して、共同で出版した。章・コラムともに7編から構成され、「文化と歴史」と姉妹編である。
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佐藤 猛, 林 武司, 臼木 智昭, 荒井 壮一, 大橋 純一 ( 担当: 共編者 )
秋田文化出版 2024年11月 ISBN: 978-4870226210
学術書
秋田大学教育文化学部地域文化学科の一年次向け必修科目「秋田学基礎」と「地域学基礎」の内容の一部について、授業担当者がそれぞれの専門分野に即して執筆した学術書。地元企業である秋田文化出版株式会社と連携して、共同で出版した。章・コラムともに6編から構成され、「自然と社会」と姉妹編である。
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(共著編)行き交い、集う人々ー感染症×文系力ー
佐藤 猛、佐々木千佳、羽田 朝子、長谷川章 ( 担当: 共編者 )
秋田魁新報社 2023年07月 ISBN: 9784870204300
学術書
新型コロナウイルスが世界的に流行した2020年から三年にわたり、本学教育文化学部の人文系教員がペストなど古今東西の感染症とそれに伴う行動制限について思索を深め、秋田魁新報の文化欄において「感染症」「旅と移動」「集う人々」を連載してきた。
SNS(交流サイト)でも話題となったこの3つの連載に加筆修正を施すとともに、「はしがき」「あとがき」ならびに各部の「導入文」を新たに執筆作成して、一書ととして編集したものである。この中で編者を担当し、他3名の編者とともに「はしがき」と「導入文」を作成するとともに、「あとがき」を執筆した。
共著者としては、「ペスト大流行と英仏百年戦争」・「コロナ禍で立ち上がるジャンヌ・ダルク」・「英仏百年戦争と長い休戦」を担当した。 -
(共編著)ペストの古今東西~感染の恐怖、終息への祈り~
佐藤 猛,佐々木 千佳 ( 担当: 共編者 )
秋田文化出版 2022年09月 ISBN: 978-4-87022-605-0
単行本(一般書)
歴史上、最も恐れられてきた感染症の一つとして、ペスト禍について西欧と中国を中心に取り上げる。古今東西の人々が感染症に対して抱いた恐怖やその終息への願いを文学・歴史・美術の視点から考察した。はじめに――コロナ禍から古今東西のペストへと第1章「百年戦争下のパリと死に至る病」を執筆した。
科研費(文科省・学振)獲得実績 【 表示 / 非表示 】
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百年戦争の当事者に関する同時代認識とその変容についての研究
基盤研究(C)
研究期間: 2024年04月 - 2028年03月 代表者: 佐藤 猛
英仏の歴史に多大な影響を及ぼした百年戦争は、誰と誰、どことどこの戦いだったのか。通説では、戦争は主従関係にあった二人の王の争いとして始まり、最終的には二つの国家の戦争として終わったとされる。これに対して本研究では、英王と仏王が取り交わした休戦や和平の文書において、戦争の当事者がどのように記されたかを分析する。これを通じて、歴史学上「百年戦争」と呼ばれる出来事を、同時代の人々がどのように捉えていたかの一端を解明することを目的とする。それは、19世紀フランスにおける「国民史」の創出を背景として生まれた「百年戦争」概念に対して、戦乱を生きた人々の認識と数世代に及ぶその変容という視点から再考を迫るものである。
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フランス・アンジュー地方から見た百年戦争終結についての研究
基盤研究(C)
研究期間: 2019年04月 - 2023年04月
英仏の歴史に多大な影響を及ぼした百年戦争(1337~1453)は、なぜこれほど長期化したのか。この問題は従来、英の大陸所領の存在や仏王位継承など、戦争の原因解明を通じて考察されてきた。これに対し、戦争終盤において、なぜ平和条約の締結に至らず戦争状態のみが長引いたのかは問われることなく、終戦のプロセスについては未解明な点が多い。
本研究では、戦場となったフランス諸地方を治めた諸侯達が、平和交渉を含む戦争の展開にどのような利害を持ち、いかに関わったかの検討を通じて、終戦のメカニズムを解明することを目的とする。こうして、百年戦争の終息を英仏王家の二項対立ではなく、フランス諸侯層を加えた多面的な対立構造の観点から捉えることができれば、前半戦と後半戦を別次元の紛争と捉える従来の研究に対して、その再統合を迫るものとなる。 -
中世末期アンジュー地方における巡回裁判集会の組織と機能
基盤研究(C)
研究期間: 2016年04月 - 2020年03月
中世末期(14世紀~16世紀初頭)フランス王国の多元的構造の一翼を担った諸侯国(principautés)の中から、アンジュー地方における巡回裁判集会(assises)の組織と機能を1)国王裁判権との接合、2)実際の訴訟業務、3)裁判集会の担い手の視点から検討することにより、近代国家的統合の始動局面において、王国-諸侯国-地元社会という伝統的な地域編成が司法面においてどのように変容したかを明らかにすることである。その目的は、諸侯裁判権の機能を王権と地元社会の接点として考察し直すことにより、近年の近代国家生成論が捨象している諸侯層の位置づけを解明し、国家的統合の始動に関する歴史像を中央集権化の過程としてではなく、多様な地方的権力体が果す役割の再編成過程として再検討していくことである。
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15・16世紀フランス王権による慣習法書編纂と王国地方統治
基盤研究(C)
研究期間: 2011年04月 - 2015年03月
15・16世紀における王国地方統治の実態解明という目的のもと、王権と諸地域は慣習法書の編纂をめぐってどのような交渉を行い、そこでいかに衝突、妥協したのかを明らかにする。
慣習法書編纂にいたる王権と諸地域の対話の様相を明らかにするには、王権側と地方側の双方に目を配り、次のような問題を検討する必要がある。
1:王権による慣習法成文化の目的(国王裁判所改革の動向、慣習法に関わる諸王令の内容)
2:慣習法書編纂会議の具体相(会議の手続、議事、王権側代表と地方諸身分の利害対立)
3:編纂後の王国地方統治の実態(諸国王裁判所での訴訟、慣習法書改定、慣習法学の発展)
研究期間と史料上の制約ならびに申請者のこれまでの研究成果との関連から、主に1と2に限定して、王権は王国統治上のいかなる目的から地方法慣行の成文化を進め、これに対して、各地の地方権力はどのように反応し、両者の利害のせめぎ合いのなか、慣習法書はいかなる経緯をへて編纂にいたったかという点までを明らかにする。 -
紛争解決類型の比較史―前近代における社会的調整のありかた―
基盤研究(B)
研究期間: 2008年04月 - 2010年03月
近年、法学においては、とくに現行法の領域において、「裁判外紛争解決(ADR)」が注目されている。本研究は、この問題に関連して、前近代の社会では、「裁判による紛争解決」と「裁判でない紛争解決」とはどのような関係にあったのかを焦点として、日本・イングランド・フランス・ドイツに関して、おもに”中世後期”(14・15世紀)を中心とした比較研究であり、フランスを担当した。これに関して、各年計3回の研究合宿を行い、各年とも研究報告を行った。
学会等発表 【 表示 / 非表示 】
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百年戦争の終結と都市―ボルドーの陥落とギュイエンヌの征服をめぐって―
佐藤 猛 [招待有り]
比較都市史研究会第482回例会 (オンライン学会) 2024年11月 - 2024年11月 比較都市史研究会
いわゆる百年戦争の終結を画すると評価されている1451-1453年の英領都市ボルドー(フランス南西部)に関して、従来の「降伏」「征服」という視点ではなく、フランス王権とボルドー都市住民のあいだで交わされた王文書から再検討し、軍事的な圧力の中での服属条件をめぐる交渉の重要性を考察した。
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百年戦争から問い直す“国家”
佐藤 猛 [招待有り]
第55回 北海道高等学校世界史研究大会 (北海道立札幌東商業高校) 2024年08月 - 2024年08月 北海道高等学校世界史研究大会
1337~1453年の百年戦争を題材に、近代の国民国家概念を過去に投影して分析することの問題を示した上で、百年戦争中の休戦関連文書の中で、戦争や休戦の当事者として「王」を超えて「臣民」や「領土」といった表記が出現したことの意味を考察した。
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トゥール休戦協定と百年戦争の当事者認識
佐藤猛
第4回中世フランス国家史研究会 (明星大学(東京都)) 2024年02月 - 2024年02月 中世フランス国家史研究会
百年戦争(1337~1453年)の当事者が同時代においてどのように認識されたかに関して、終盤に締結されたトゥール休戦協定(1444年)を題材として取り上げた。記録条文、関連の記録・証書、直後に作成された叙述史料において、休戦とともに戦争や平和の当事者がどのように表記されたかを分析し、「王」から「臣民」へという大きな傾向があると同時に、個々の表記に少なからぬ揺れがあることを明らかにした。そこから戦争終息の背景についても見通しを示することができた。
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合評会 上山益己『中世盛期北フランスの諸侯権力』大阪大学出版会、2021年
佐藤猛 [招待有り]
関西中世史研究会12月例会 2021年12月 - 2021年12月
標記合評会において論点提示を行った(はじめに:本書の背景と全体像、本書の構成と意義、①研究史の徹底的考察、②年代記史料の分析方法、③聖性の視点の導入、④様々な工夫、⑤他類型の史料から、⑥結論について、論評のおわりに)。
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百年戦争は誰のための戦いだったのか ~和平関連文書における当事者表記~
佐藤 猛 [招待有り]
中世ルネサンス研究所第31回研究会 (オンライン(Zoomミーティング)) 2021年10月 - 2021年10月 中世ルネサンス研究所
百年戦争は誰と誰、どことどこの戦いで、また誰と誰、どことどこが平和を目指したのかについて、同時代人の認識を考察した。具体的には、和平関連文書における戦争及び平和の文言を修飾する語句を分析し、近年のJ.-M. メグランの学説を再検証し、百年戦争の当事者が時代を経るごとに英仏両王を超えて拡散していくことを明らかにした。
担当授業科目(学内) 【 表示 / 非表示 】
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2022年10月-継続中
西洋史文献講読II
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2022年10月-継続中
西洋史演習II
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2022年04月-継続中
卒業研究プレゼミ
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2022年04月-継続中
卒業研究ゼミ
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2021年04月-2021年05月
地域文化学科初年次ゼミ
担当経験のある授業科目(学外) 【 表示 / 非表示 】
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フランス語
日本赤十字秋田看護大学
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中世ヨーロッパにおける王と貴族
放送大学秋田学習センター
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百年戦争ー戦場とペスト(全8回)
放送大学秋田学習センター
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西洋史特講
藤女子大学
学内活動 【 表示 / 非表示 】
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2023年04月-継続中留学生委員会委員 (所属部局内委員会)
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2023年04月-継続中教務学生委員会副委員長 (所属部局内委員会)
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2022年04月-継続中キャリア委員会副委員長(企業部門) (所属部局内委員会)
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2022年04月-継続中教育文化学部地域文化学科コアカリキュラム検討委員会副委員長 (所属部局内委員会)
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2022年04月-2023年03月国際文化研究室主任 (所属部局内委員会)
学会・委員会等活動 【 表示 / 非表示 】
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秋田大学史学会
2022年09月-継続中副会長
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日本西洋史学会
2022年05月司会者
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西洋史研究会
2021年10月-継続中評議員
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東北史学会
2014年04月-継続中評議員
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秋田大学史学会
2008年10月-2022年09月庶務担当
学外の社会活動(高大・地域連携等) 【 表示 / 非表示 】
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世界史深読:百年戦争の起源(全3回)
大学コンソーシアムあきた 令和6年度後期高大連携授業 (カレッジプラザ)
2024年11月第1講:イングランドとフランスの形成
第2講:戦争の起源・原因論
第3講:英仏首脳部の思惑 -
世界史の授業再考 ~教科書の「読解」と資料の「分析」~
聖霊学園高等学校地理歴史科 聖霊学園高等学校 校内研修会 (聖霊学園高等学校)
2024年11月世界史教科書の「読解」と資料の「分析」方法を提唱して、歴史の主体的な学びに関する講義を行った。
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英仏百年戦争の終結と中世ヨーロッパ世界(全4回)
秋田大学地方創生・研究課 令和6年度 秋田大学公開講座 (秋田大学教育文化学部(オンライン開催))
2024年10月①中世ヨーロッパの終焉:戦争の焦点
②ボルドーの陥落:イングランド王の大陸領喪失
③カトリック世界の防衛:十字軍のための英仏和平
④イングランド人対フランス人:誰のための戦争だったのか -
ジャンヌ・ダルクの戦闘と平和
大学コンソーシアム秋田 令和6年度 高大連携授業(前期) (カレッジプラザ)
2024年06月第1講「神の声~中世ヨーロッパ社会と預言~」
第2講「戦闘~オルレアンの攻囲戦~」
第3講「平和~戦いの果てに描いた世界~」 -
百年戦争~世界史再考~(全8回)
放送大学秋田学習センター 令和6年度面接授業 (放送大学秋田学習センター)
2024年04月1337~1453年の英仏百年戦争に関して、高校世界史の教科書の記述を出発点として、「背景」「戦闘」「平和」「終戦」の4つの論点を各2コマずつ講義した。
(4/27)
①中世のイギリスとフランス
②百年戦争の原因ときっかけ
③会戦と武器
④攻囲戦と奇襲戦
(4/28)
⑤長い戦争と平和
⑥英仏連合の成立
⑦ジャンヌ・ダルクの登場
⑧戦争は終わったのか
メディア報道 【 表示 / 非表示 】
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「行き交い、集う人々」刊行 文系力でコロナを切る
2023年08月04日 ( 朝刊文化欄 )
「行き交い、集う人々」刊行 文系力でコロナを切る
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「ペストの古今東西」刊行:文系の知で感染症に切り込む
2022年11月07日
「ペストの古今東西」刊行:文系の知で感染症に切り込む
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「戦争と身代金」は判じ物のようだが…
2022年03月15日
毎日新聞「余録」における紹介
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佐藤猛先生【英仏観んお百年戦争終結の定説に挑む】
2022年02月
みらいぶ★高校生応援!
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極東への眼
2021年07月
Un clin d'oeil d'Extrême-Orient
おすすめURL 【 表示 / 非表示 】
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中央公論新社since1886「中公新書」
https://www.chuko.co.jp/shinsho/2020/03/102582.html
佐藤猛『百年戦争―中世ヨーロッパ最後の戦い』(中央公論新社、2020年)の紹介ページ
文学
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北海道大学出版会Hokkaido University Press
http://hup.gr.jp/modules/zox/index.php?main_page=product_book_info&cPath=14_15&products_id=824
佐藤猛『百年戦争期フランス国制史研究―王権・諸侯国・高等法院』(北海道大学出版会、2012年)の紹介ページ
文学
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ペストの古今東西 〜感染の恐怖、終息への祈り〜
http://akita-bunka.info/2022/09/26/plague/
佐藤猛・佐々木千佳編『ペストの古今東西 〜感染の恐怖、終息への祈り〜』(秋田文化出版、2022年)の紹介サイト
文学
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『みらいぶっく―学問・大学ナビ』グループの特設サイト 「こんな研究をして世界を変えよう
https://www.sekaiwokaeyo.com/theme/l2475/
『みらいぶっくー学問・大学ナビ』は、中高生が本などの身近なメディアをきっかけにして学問と大学に出会うための情報サイトであり、本特設サイトは、先端的な研究にも若い人(中高生)をナビゲートできるように立ち上げられたものです。記事には、佐藤猛准教授の百年戦争に関する研究内容や、留学等について掲載されています。
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